茨城県の市、100人委員会を傍聴 [地域発]
10月25日(日)
行方市に行ってきました。過日、行方(なめかた)市・100人委員会のことはお伝えしました。今日はその3回目。
なぜ、今100人委員会?
100人が参加する委員会は、最近では珍しいです。職員、所管課など役所内のかなりのエネルギーを集めなければならないし、その割には、新鮮な(斬新な)意見が集まりにくくなっている、というのは全国的にみても、言える。
自治体は、もうエネルギーと費用をかけることをやめてしまった感があります。それはそれでわかるような気がしますが・・・。
多くの自治体が丸投げする中で
さて、行方市。安倍政権の目玉「地方創生」は、全国の自治体に≪総合戦略≫を作成するよう強制し、そのための交付金も授けようといっている。多くの自治体は、自腹が痛まない国のお金(税金)を使えるということで、ほとんどの自治体はコンサルタントに丸投げしています。みやしろも同様です。
そこを、行方市は、風潮に逆行するように、大型の市民参加をやろうとしているのです。まぁ、「構想日本」の参加協力を得るという手法があったからともいえますが・・。
当然ながら、「総合戦略」作成に市民参加の手法を取るということは、≪戦略をつくる過程を重視する≫というのが「胆」。
7月18日に「行方市市民100人委員会」の1回目を手始めに、9月5日、10月10日、10月25日(今日)と4回をこなし、今後のスケジュールは、11月15日、12月6日、来年2月13日と続く。いずれも、13:30から17:00まで。
第2回には事業レビューをやっている。「構想日本」が得意とする「事業仕分け」だ。細かく言うと事業仕分けと違うのかもしれないが、reviewは、第3者をいれた論評、検証、再考査、などを意味し、行政で言えば、ずばり「事業仕分け」指すのがこの頃では普通だ。
レビューを含めた市民参加を延々とやるのは、行政にしてみれば大変です。バブルの頃で、税収がいっぱい(というか、税金が集まりすぎて)使えたころには、多くの職員を使って、時間をたっぷり使って、これっを事業化した自治体もあったが(宮代町もそうだった。私も市民委員出身)、今は〝市民協働”、市民参画と言いながら、実働には後ろ向きだ。
それでも、民主党がさかんに使った「事業仕分け」の手法を取ろうという自治体が、今回、3自治体。「構想日本」が「総合戦略」作成の協力をするのは、千葉県富津市、香川県三木町、それに茨城県行方市なんだという。
「総合戦略」に一番大事な、「外部の眼」「徹底した公開性」という点は確保している。
無作為抽出の3000人の中から
行方氏は無作為抽出した3000人の中から応募があった90人に参加してもらい、これに構想日本で(私は何度も傍聴しているので)おなじみの仕分け人、有識者(最近は、コーディネーター、ナビゲーターという)など外部の眼をいれた会議が「戦略」づくりの主体となります。
ここでは、4つの分科会に分かれ、様々な意見を聴きながら進めようとしています。
1、農業・産業観光 2、医療・健康・福祉・高齢化 3、公共施設・公共交通 4、子ども子育て、就業支援 大まかに分けるとこんな感じでした。
この進め方については、今後の「市民参加」の中で提言する材料にしたいと思っています。こういった長丁場で、根気のいる仕事をやっていくのは大変です。が、国が費用負担し、一律に全国自治体に「やれ!」といっているようなときこそ、本格的な市民参加をやってみるのもある意味チャンスかな、とも思うのです。
往復5時間半
行方市といったら霞ヶ浦の向こう側。けっこうな道のりでした。信号が一つもないような農面道路のような道をタッタカ、タッタカ走って「行き」は2時間半。帰りは3時間。なんでも「百里基地」で航空ショーがあったとかで、霞ケ浦の向こう側で渋滞した。
自治体のキャッチフレーズ競争
めったに行けない自治体。どこの自治体もご多分に漏れず、特徴を出そうとしている。この自治体も、宮代町と同様、「農」と産業をどうするか、などの悩みがありそうです。でも農家数3730、そのうち販売農家2860農業産出額235億円というのは立派じゃないですか。
宮代町で言ったら「あたらしい村」みたいなことをやっていく拠点が「なめかたファーマーズヴィレッジ」。これが近日オープンするという。ヴィレッジの中には、行方の特産品サツマイモの販売拠点「やきいもミュージアム」もある。
宮代町にも「宮代マーケット委員会」なるものがあったけど(私もメンバーだった)、ここ行方市には「なめかた食彩マーケット会議」がある。
自治体は、キャッチフレーズが大好きだ。だけど、私は第1分科会にメンバー外で参加していた「KASUMI」の渉外係(のようなひと)の実質的な話の方がよほど面白かった。名刺交換でもしてノウハウを教えてもらいたかったけど、私は単なる県外の傍聴者、それは控えねば失礼ですね。
彼曰く「自治体はブランドブランド、というけど、まとめて供給できる体制をつくるほうがよっぽど戦略になる」とかビジネスの示唆に富んでいた。
それでも、行政は(民間企業のマネをして)キャッチフレーズが好きだろうな。気を引くキャッチフレーズは、ビジネスというより、地域内の住民の「ウケ」をよくするようだから。