「一人っ子」中国と日本の事情

10月30日(金)

中国では、「一人っ子政策」廃止

中国が37年間続けてきた「一人っ子」政策を廃止するという。これまで、緩和策はあった。

 増え続ける人口の抑制のため、導入してきた「一人っ子政策」を、2014年から緩和するとして、どちらか一方が一人っ子の夫婦の場合、第2子を認めます、というものだった。政府はこれで年間200万人ほど増えるとの試算をしたが、それほど増えなかった。

そこで、完全廃止ということにした。これで、年間200万人増加策はうまくいくだろうということです。しかし、うまくいくでしょうか。ここまで人口抑制政策を徹底してきて、たった一人の子どものために投資した先にあったのは、職もなく親に依存して生きるエリート大卒たちだった。結婚もしない、職もない、という世情で、急に「一人っ子政策」廃止といったって、好転しないのは、日本にいてもわかる。妻子を食わせていけない男子が結婚を望み、子どもを2人産んで育てる、というのは数字で表すほど簡単ではない。

それでも、全人代委員長は「産児制限は我が国の基本的国策。長期にわたって堅持しなければならない」と演説。

中国は現在13億5000万人、2033年頃やってくるピーク時を、15億人程度に抑えることはぜったい命題で、第3子を許可するということではない、そうだ。

中国は、労働者人口は2013年、初めて減少に転じたという。だとしたら、これからどんどん労働者人口が減り、高齢者人口が増えてくる時代に入るのでは・・。日本の比ではない超高齢者社会がやってくるのでは・・。

日本では出生率1.8を目指す!?

 さて、日本。日本は全体に人口減少時代に入っている。少子高齢化はまだしばらくは続くことになりましょう。そのため、政府は、晩婚化、特殊出生率からの脱却を図っている。言葉は悪いが(産めよ、増やせよ)とやっきになっている政府の姿が見える。〝新3本の矢”のひとつは、出生率を1.8にあげるというもの。

結婚年齢を1歳下げると、出生率は、何パーセント上がる、といった試算のもと、地方に交付金までおろして「何か考えろ」といっている。

 まったく事情が真逆のように見える中国と日本。しかし、「産む、産まない」という極めて個人的事情は、国の思惑通りにはいかないという点で似ている。時代を映し出しているのだ。

そううまく、政策で「産む。産まない」を調整できるとおもっているところで、もう、人間の幸せを考えていない。


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