地方消滅を恐れる前に [学習会]

5月20日(水)

地方消滅を恐れる前にやることがある

本日午後、「日経グローカルセミナー」で、片山善博(前)総務大臣・慶応大学教授の講演を聴きました。私は、購読料が高い「日経グローカル」の契約はしていません。定期購読している友人が申し込んでいたがいけなくなったので、私が行けた、ということですが・・。

片山氏の著作「自治体自立塾」は明日発売されます。今日のセミナーの会場で売っていました。講演が始まる前に、さっそく1冊購入しました。

表紙についた赤い帯に〝地方消滅を恐れる前にやるべきことがある” 。このフレーズにそそられました。(ほー、面白そう) なにしろ、 地方消滅、地方消滅と、この言葉だけが踊り、なにかというと、「宮代町が消滅する自治体にあげられたぞ~」と話題にする。少々うんざりだった。

「自治体自立塾」は、これまで、片山氏が日経グローカルに寄稿したものの集大成ということです。

「地方消滅」を書いた前総務大臣・増田寛也氏と、明日発売の「地方消滅を恐れる前にやるべきことがある」を副題にした「自治体自立塾」を書いた片山善博氏は、じつは(お仲間)。オツな取り合わせではないか。

本のご紹介は、読み終わった時点でする(かもしれません)が、今日のところは、講演のことを少々お伝えしたいです。

「議会の自立、首長の自立」

講演のタイトルです。

〇議会の自立とミッション・・・誰のために何の目的で仕事をするか→市民のためしかない。

議会の役割と責任

●何より大事なのは、議会は決定機関だということ。質問するところ、陳情するところと間違えていないか。(これには心から共感します)自治体の方向性のかじを取る最高議決機関だと常に意識しなければなりません。

●たとえば、予算。財政のバランス確保と財政破たん防止。財源構成に無理があると思うなら専門家を参考人として呼ぶこともできる。 ●予算案の吟味と必要な修正・・・執行提出予算が承認できないとき、固定資産税のレイト(率)を変えて財源をつくることを提案するとか。(承認にはかなりの研究と提言が必要だということか。)

●議会改革は有効か・・・議会基本条例で議会は変わったか。つくっただけということではないか。

自律した議会のあり方

●フェアーで住民から信頼される存在にならなければならない。おそらくほとんどの住民は信頼していない。●根回しや談合であらかじめ決めない。個人プレーでなく、チームプレーで。(これは会派プレーで、ということではない)情が移ったり、手心が加わったりではまずい。 ●執行部と市民は対等に。ともすれば執行提案を重んじて、それが市民感覚とずれていることに無頓着。●議員は法令と自己の良心に、常に基づき判断。

住民・当事者をどうやって参画させるか、です。public hearing、請願人の説明、参考人質疑、つまり、〈決める前に聞く〉

議会の一般質問に力を注ぐ人がいるが、議案の審議・決定を中心に。(そう、そう、そう思う) 何かを執行にしてもらう時一般質問にしてもダメ。立法機関である議会なのだから、議案にして出すことだ。そこで審議して決定してしまうことが重要で効果的だ。年4場所(相撲だって年6場所ある、だって)を議案提出に使え。

議会事務局と議会図書室の充実

これは、いつも私が要望していることです。人数が少ないと、せっかくの事務局体制を雑用係に使っていることが多い。法的あるいは知的拠点として充実させることが重要だ、と。これは、片山氏だけではない。法政大学の広瀬先生、中央学院大学の教授で(前)消費者庁長官(元)我孫子市長の福嶋氏も、言っていたことです。

講演を聞いていて

 兵庫県の県議が、政務調査費を使い込み、挙句の果て会見で号泣したり、都議会では低レベルのヤジがあったり、議会への評価は下がるばかり。また、このたびの統一地方選では無投票のところも多かった。

議会は何をしているの? そう思う住民はいっぱい。講演を聴いていて、片山氏は、議員、議会というものが嫌いなんじゃないか、よほど評価していない、と思ってしまった。それほど、手厳しい。

講演で訴えたからといって、急に変わるわけないけど、地方自治体は自立して、力をつけなければならない。それには議員、あなた方が力をつけなければダメなんですよ、そういわれていた。

1時間半を過ぎるお話を聞いた後の質疑応答。

「無投票のところがある、議員のなり手がいない、というのは歳費で食べていけないから」と、あいも変わらない質問が、四国の方の県議から出た。(笑わせないでよ、今、聞いたでしょ。県議の報酬でやっていけないとは。年4場所しかないのに。よほど選挙にお金がかかるとお見受けする)

有意義な時間でした。会場も大手町で降りてすぐ上のKDDビル22階、迷わず早めに到着できました。


nice!(1)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。