お薬手帳 [医療]

5月19日(火)

お薬手帳の認知度

お薬手帳の認知度は飛躍的に上がっているようです。3、4年ほど前、議会の質疑で「町はお薬手帳を持つことを勧めていますか」との質問に、担当は「強いてやっていない」と答えたのを記憶しています。

 が、行政が指導、誘導しなくても、薬局では速いスピードで、お薬手帳を広めていました。医者に掛かり、処方箋をもらった人は、必ず薬局で「お薬手帳お持ちですか」と聞かれます。

でも、医者にかかるとき毎回忘れずに、お薬手帳を持っていくとは限らない。そういう時、薬局では「じゃ、あとでシールを貼っておいて下さ」と、明細書きなどと一緒に調合した薬のことが書かれた小さなシールを渡される。

お薬手帳にこのシールを貼っていけば、薬の履歴、病気の履歴がわかり便利です。

シールは有料

 ところで、4月の診療報酬改定により、調剤薬局でのお薬手帳に係る「薬剤服用管理指導料」が、これまでの一律410円(自己負担では、3割負担の人で130円)から、お薬手帳不用の人は340円(同110円)に改訂されました。だから、「要らない」といえば、20円節約できる、というもの。

薬局では「シールが有料になりますが、どうします?」とは言わないで、「お薬手帳お持ちですか?」と聞きます。だから、報酬改定に詳しい人、めったに病院にかからない健康な人たちの間に「シールもらうと20円自然にかかってしまう」といった情報が広まっています。

そう、知らないで、「はい、ください」といえば、毎回20円多くかかってしまう、ことになります。

「お薬手帳」のメリット

 でも、そもそもお薬手帳を持つ意義を考えれば、20円で危険を回避できる人がたくさんいると思います。特に薬を飲む機会、薬を飲む必要のある病気を持つ高齢者の方々は、たえず「お薬手帳」を携帯し、そのたびにシールを貼ってもらうに越したことないと思います。

メリット①薬の重複を防ぐ・・複数の医療機関にかかっている人は、同じ種類の薬をだぶってもらう危険を避ける

メリット②飲み合わせを防ぐ・・ほかにどんな薬を飲んでいるかわからないときは〈一緒に飲んではいけない薬〉を避けることができる

メリット③副作用やアレルギーに対応・・過去に薬で副作用、アレルギーが出た人の履歴がわかり、その薬を避けることができる

メリット④緊急時に必要なデータ・・緊急の時(救急車を呼んだ時や旅行先での病気など)、今服用している薬がわかり、即座に医師に伝えることができる。

高齢者の方々は、たくさんの種類の薬を一度に飲むこともあり、また複数の医療機関にも通院しているケースがあります。飲み合わせの危険、飲まなくなった薬の処分などにお薬手帳が役に立ちます。

年々上昇していく国や自治体の医療費予算を考えても、飲まなくなって捨てられる膨大な量の薬を考えても、お薬手帳での「管理」は必要と思われます。

ただ、患者が「お薬手帳」を紛失することも多い。薬や病歴は、極めて高い個人情報、これらが流れていく危険はあります。

また、すぐなくしてしまう人には電子「お薬手帳」(IT管理)という手もありますが、これなども、他の個人情報と一緒にされたビッグデータとなり得ることを考えると、利便性だけ取ることも危険な場合が多いと心得てほしいです。


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