ふれ愛センター廃止条例・可決 [議会]

12月10日(水)

議会最終日

今日は議会最終日。職員給与、期末手当などの人事院勧告などの議案は、初日に先議だったので、最終日に決議する議案は少なかったです。

 しかし、議案は少なかったけど、「ふれ愛センター」「市民活動スペース」の廃止、進修館の指定管理者の指定など内容としては大きな意味のある議案。質疑などにかなりの時間を要しました。質疑に3案だけで4時間半くらいはかかり、すべて終わったのは午後4時半でした。

意見書3件は可決

また、議員が出した意見書(案)は3件。共産党さんが出した「米価の安定対策」を求める意見書は、質問なしであっさり、全会一致で可決。

あとの2件は、我々の会派で出した意見書で「子宮頸がん予防ワクチンの副反応被害者に対する救済に関する」意見書と、「ヘイトスピーチを含む人種および社会的マイノリティーへの差別を禁止する法整備を求める」というものでしたが、2件とも7:6という僅差で、なんとか可決しました。

これについては、明日詳しくお知らせすることにして、本日は、「ふれ愛センター」を廃止する条例についてお伝えします。長年使っていた公共施設を閉鎖する議案とあって、多くの質疑がありました。賛成するにも、公共施設マネジメント計画に沿って、とか第4次総合計画にあるから(仕方なく賛成)といった討論が多かったです。

質問では「児童館機能は、新たに子育てスペースができるからいい。しかし、高齢者の居場所がない。どこで今後活動するのか、代替場所を示してない」「利用者が減っているというが、風呂を使えなくしたり、カラオケが有料になったり、利用しずらくしたからでは」「広大な土地が、借地だが 返すために閉鎖する必要があるのか」などが出ていました。

が、前期実行計画の後戻りはできず、ここで閉鎖を決め、高齢者は地域の集会所や進修館、地域サロンへ移ってもらうしかないという答弁。執行のスケジュールが撤回されるはずもなく、討論、採決となりました。結果は、反対2、賛成11 で可決。しかし、賛成討論のほとんどが「仕方なく賛成」というものだった。

私は、維持管理が厳しくなった公共施設の考え方は、基本的に「何人のために税を投入する事業か」を考えなくてはならないという立場で、それは町や担当課長の説明と同じです。また借地契約の解除に向けてなんとかがんばってほしいとの切なる思いから賛成することにしました。

加納の賛成討論

「議案第58号 宮代町老人・児童福祉施設ふれ愛センター設置及び管理に関する条例を廃止する条例に賛成の討論をします。

平成2年、当時の竹下内閣が全国3300の市町村に「ふるさと創生資金」をばらまいたとき、私はある消費者団体の活動で、その1億円の使われ方を調べたことがありました。

近隣の町では4000人を超すまちづくりの貢献者を表彰する事業に1億円を充てたり、街中にオブジェを何体も配置した市もあったり、あるいは森をつくる基金にとりあえず積んでおく市、はては金のナマズのモニュメントを駅頭に飾る市もありました。

西原自然の森

宮代町は1億円にさらに3倍以上の予算を足して、西原の一帯を「西原自然の森」として整備し(歴史資料館、古民家、屋敷林、ふれ愛センターなど)歴史・文化エリアとして町民に開放することにしました。当時、私はこれを聞いて、町の政策に胸を張ったものでした。

しかし、10年もたたないうちに管理費、修繕費の捻出に苦労することになりました。行政の意識は変わらざるを得なかった。

この時点で、近隣の町は、何と後々の負担の少ない施策を選んだものかと、「目からうろこ」でした。

宮代町は、交付金で公共施設の建設を急ぐあまり、地面の確保もできないまま広大な用地のほとんどを借地のまま活用したのです。そこにのちの負担になる、身の丈以上の施設を作り、25年も年間600万円もの借地料を払ってきたのです。

さらに言わせてもらえば、住民のたっての望みというより、「こんなにいいものをあなたたち住民のために作ったのだから、活用してください」と行政が呼びかけたのです。

このあと、勤労者体育館、ぐるるアリーナ、総合グランド、図書館、と次々に自治体としては比較的多くの公共施設を抱えることになりました。

借地契約についても申し上げたい。30年という長期契約(H30年3月まで契約が残っていて解除できない)を結び、途中で見直しがかからないとはどういうことでしょう。民間では考えられない。年間600万円という借地料もさることながら、公共でなければ固定資産税も取れ、土地が活用されれば法人税等も取れたかもしれない。

この、あまりにもずさんと言えばずさんな長期契約は、この土地が初代町長ゆかりの土地だということが、いわば安全弁、いや死角となって疑問視しなかったことは否めません。

言いたいのは、行政のやった事業の結果を、いつも甘んじて受けているのが住民だということです。

ふれ愛センターの建物を閉鎖すれば、早期に契約の解除につながるのかといえばその根拠はないようです。とにかく、閉鎖して、そこからが交渉のスタートなのだとの答弁。

修理する費用がもう出ないという事情はよく分かりました。

幸い、子育て支援の拠点は用意されました。

高齢者福祉の観点から申し上げます。おっしゃるように、1か所に集まる施設事業から、今では地域、地域に高齢者活動の拠点が移しており、ある意味、老人福祉施設の役割が終わったというのは理解しました。

しかし、「代わりの居場所はそちらで探してください」というのは福祉の観点からは不親切です。行政が言う新たな場所は、行政が考えるほど簡単に移れる場所ではありません。たとえば、「地域サロン」をあげていましたが、介護保険の事業である「地域サロン」は、見回り、居場所つくりの場所であり、活動している団体の受け入れにはなじまないと思います。

もっと丁寧な作業が必要です。

以上を申し上げ、ふれ愛センター閉鎖に賛成します。


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