ふるさと納税のすごい額 [地域発]
3月23日(水)
35億円入ってきた都城市
小さな町村なら、年間予算と聞いても驚かない35億円という額。でも、これは、宮崎県都城市が2015年に集めたふるさと納税の金額だというから驚いた。今朝の東京新聞社説の記事です。
ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」によると、2015年、ふるさと納税が最も多かったのは、宮崎県都城市の35億2700万円。これは、1014年度のトップ、、長崎県平戸市の2.8倍になったというから、《特典競争》の過熱ぶりがわかります。
2015年の2位は静岡県焼津市の34億9200万円と、わずかの差で続く。
体のいい寄付あつめだ
ふるさと納税上位ゲット自治体は、いずれも、「グルメ」余裕生活者の食指を動かした結果です。察するに、普通に生活したうえで、さらに余裕の部分でこういった特典ゲームに参加する人たちが増えているということでしょうから。
都城市は、特産の宮崎牛と焼酎、焼津市はマグロを中心とした500種類以上の品ぞろえカタログに、人気が集まったというのです。
2015年から控除限度額が2倍となり、国のもくろくどおり? 各自治体の競争をあおることになっている。
以前にもお伝えしたが、500万円の寄付で350万円の新車、1000万円の寄付で750万円相当の「土地」なども登場するとなると、「なんだ、こりゃー」という感情は当然生まれます。
新聞「社説」も言っているように、ここまでくるとふるさとへの恩返し、がんばっている自治体を応援する、といった本来の目的から大きく逸脱してくる。
自治体によっては、他の自治体に納税する人が多ければ損をするだけ。反対に納税が多ければ、破格の「雑入」が増えてウハウハ。
国は勝手に旗を振って、自治体間のぶんどり合戦をあおっているだけではないか。
従職員が奮闘
ここまで集まってくると、返礼品、特産品の工夫も並大抵ではない。当然、専従職員を置いたり、特化した担当課まで設置する例も出てきた。そりゃー、数十億円という収入が見込めるなら、ひとりや2人、イヤ5人の専門プロジェクトチームをつくったって、(このペースが続くとすれば)誰も文句は言わない。
海の幸、山の幸が豊富にあるところはいいなぁ、心の底から思います。
宮代町も納税がたくさん
2015年度の宮代町も、予算として計上された数字と比べたら、本当にたくさんの寄付納税を集めた。宮代町を気に入ってくださった人が多かったというわけです。
小さいながらも努力しているまち、貴重な自然を残しているまち、として他自治体、県外自治体から評価されているのはうれしい限りです。
だけど、ふるさとを離れたネイティブ宮代人が、(せめて寄付で)と、思ってふるさとに寄せる思いはこの中でどのくらいだろう。
道仏などに移入してくる新住民は多くなった。しかし、宮代町で育った子供たちがどのくらい町に残っているのだろうか。他のまちからどのくらい、ふるさとにふるさと納税しているのだろう。
祝辞で伝えた
私は、今日、笠原小学校の卒業式にお招きをいただき、出かけた。肌寒い気温の中でも、はだしで式に臨んだ、凛々しき卒業生たち。
祝辞を申し上げる役を仰せつかった私は、「あなたたちは、たくさんの人たちから愛されて育ちました」「ふるさとはいつでも待っています」「町の人は、きっとこう言いたい。この町を頼んだよ、と」を、文章に盛り込んだ。
それにしても、卒業式は感動する。私は〝あの歌”が特に好きです。題名はわからないんですけど、白い光の中に・・勇気を翼に込めて、希望の風に乗り~、というフレーズの〝あのうた”
いつ聴いても、心に迫る。ずっと幸せでいてください、「生」を謳歌してください、と思いながら、自分のつぶやきに自分で涙した。