廃止される公共施設 [地域発]

11月24日(月)

廃校

学校は、今も昔も地域コミュニティーの中心です。しかし、全国的に見ると毎年500校ほどが廃校になっているといいます。20年間で7600校が廃校になりました。

少子化や市町村合併による統廃合が主な理由です。その結果、通学する学校まで遠くなり、スクールバスが何コースも走るという地域もあります。(おととし、事業仕分けを見学した栃木県大田原市でもそうでしたし、先日伺った長野県富士見町もスクールバス地域がありました)

老朽化した公共施設を維持できない、修繕費がかかるという事情は、どこでも抱えている問題でして、学校はなおさらです。その理由は、教育施設ということで耐震などいち早く基準を満たさなくてはならない。ある程度の人数がいなくては成育、マス活動が満たされない、など必要条件が当然あるからです。

標準学級数

小中学校の標準学級数は12~18、つまり小学校なら1学年3クラス以下と定められています。が、実情によって1学年1クラスというところもたくさんあります。その結果、中学校では、十分な部活動ができないという事態になっているそうです。反対にクラス数が多すぎても需要が満たされません。(我が家が九州の福岡市に住んでいる頃は、転勤族のメッカ福岡市の小学校は、軒並み1学年6クラス以上といった状態でした。急きょ新設校を作ってもすぐ3クラスを超えるという状態。でも、きめ細かい配慮がありました)

思い出のシンボル

何と言っても、学校は〈思い出のよりどころ〉です。(昔のまま)あるのは一番いいけど、(昔、この辺にあった)という目安のために、周りの環境、建物の一部が残っていたりするのでもいい。しかし、廃校を維持するには、人々のかかわりやお金が必要です。

強みと弱み

廃校のいいところは、教室、運動場、体育館、プールなどがどこでも揃っていて、採光のため窓が大きく取ってあること、卒業生が必ずいるため、思い出とつながる事業などを計画できること。駐車場も確保できる。

 廃校の弱みは、施設群が大きいため、維持管理にお金がかかること。要る施設と、いらない施設が共存すること。つまり、切り売りできない、まるごとの利用ができないこと。

首都圏の片隅だと残すのは至難の業。思いはわかるが、維持管理しているより解体→さら地→売却の道が選択されるのも仕方ない。そんな中、過疎だから、山間の学校だから活かせる廃校が全国にはたくさんあるようです。

養鶏場で、町活性

秋田県大館市では、山間の気候と、民家から離れた場所という強みを生かして、養鶏場に。あるいは生ハムの製造工場に。元気な卵や、自然の中で十分に熟成させたハムは街の特産品になっているようです。

北海道美唄市の「アルテピアッツア美唄」

北海道の美唄(びばい)では、廃校の栄小学校が、ひろーい校庭を生かして野外彫刻公園に。校舎は、1階教室が保育園+2階教室が彫刻ギャラリーリーになった。

地域密着介護施設に

熊本県山都(やまと)町で、2007年廃校になった中島西部小学校は、「地域密着介護施設」になっています。高齢者が住みなれた場所で暮らしつづけられるように、という点では学校はかなりの「地域密着度」。散歩したり、日光浴したりのスペースも十分あります。

都心の学校跡は

世田谷区の池尻小学校は2004年廃校。そのあとは、ものづくりにかかわる企業の40社が入居するシェアオフィス。イベントも開催する。新宿区の四谷第4小学校は2008年廃校。そのあとは「東京おもちゃ美術館」

そこに何があったかが大事

廃校になって、そのあとがさら地になったとしても、(そこに何があって)(どんな思い出があるか)がわかる拠点にしておくことが大事だと思います。

宮代町でも、4校ある小学校の一つが統廃合される計画ですが、(まだ何も決まってないようです)たとえ解体されても、さら地になって別利用されようが、卒業生にとって(そこに何があって、どんな思い出があったか)のよりどころとなることが大事だと思います。


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