八ッ場ダムの進捗状況 [地域発]

6月7日(土)

八ッ場ダム・付け替え国道100%完成

 昨日は、時々豪雨に見舞われる中、八ッ場ダム建設地まで出かけました。ちょうど4年前、様子を見に出かけ、「コンクリートから人へ」の民主党政権真っ盛りの中でも、じわじわと進行中の工事の様子をお知らせしました。

 4年前、ダム湖の上をまたぐ橋は、土台部分が出来上がっただけでした。1番象徴的な部分なので、4年前も空をまたぐ橋を撮って会報に載せましたが、今回も一番にこの場所に。両側の代替地をつなぐ橋はつながりました。ダム完成後は、私が立っているあたりは水面下になります。

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橋は、ほとんど出来上がっていました。が、完成という形に、わざとしないのか橋の取り付けの部分だけ工事を未完にしてありました。

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 4年前には工事中だったダム湖の両側を走る国道トンネル(約3km)は、完成、共用が開始されていました。国道は自然に真新しいトンネルに誘導されていました。

交通量の少ないトンネルの中は、照明が半分しかつけてないのか、いくぶん暗い印象ですが、両トンネルとも通ってみましたが、新品です。

付け替え鉄道は99%完成、共用はゼロ(今年10月1日共用開始予定)です。

ダム本体工事は未着工のまま。

道路整備などの関連工事は進んでいる一方で、水没予定地住民の生活再建の場である代替地の分譲状況は依然として低く、集落の体さえなしていません。分譲予定の34ヘクタールの半分16.4ヘクタールが分譲され、建築中はさらに少ない、というものでした。

 水没340世帯のうち補償済みは331世帯。当初は集落全体が代替地へ移るはずでしたが、まだ移転したのは53世帯ということです。非水没世帯を含めた補償対象世帯は420世帯。実際に代替地に移転する世帯は大幅に減少することになりそうです。

事業費の9割は生活再建関連事業費

 八ッ場ダム事業は生活再建を補償する関連事業費が全事業の9割以上を占める特異な事業です。代替地を完成させ移転させるというのが国と群馬県の約束になっていますが、肥大化させる大きな要因となる事業費、「ダム不要論」の中、相変わらず既成事実を積み上げ、長期化したダム計画は進められていました。

 住民の多くがダムの底に沈む村の代わりに代替地を受け入れざるを得ないことになりましたが、長引く事業の中、代替地計画は住民をさらに失望させ、他の地域に自主的に再生地を求めて離れていくことになりました。

 現在訪れると、ぱらぱらっと民家、食べ物屋が立ち並ぶ代替地の光景を見ることができます。(しかし、補償の大きさを物語るように1軒1軒は高級住宅のようでした)

代替地をあきらめた理由

 住民が代替地をあきらめた理由は、完成予定が1990年代後半だったのに、いまだ完成していないこと。2001年調印されても分譲は開始されなかったことなどもある。

 しかも、代替地の整備費用はダム事業からは支出されず、分譲利益で賄う仕組みだという。周辺の地価よりずっと高額な代替地の分譲価格に、住民は対応できなかったのだそうです。

 半世紀以上におよぶダム関連事業、政権により微妙に変わる促進度。住民は去ったけど、かつて地域の核として人を集めた川原湯温泉はまだ営業している旅館がある。2014年6月現在、旅館が2件、民宿が1軒営業しているのだそうですが、工事のための道の遮断により、たどりつきにくい。

 代替地は標高600メートルくらいのところだから、集落ができれば、観光地、避暑地になることもあるのかな、と思いましたが、そう思うのは有力者だけで、ほとんどの住民はダム湖観光で地域振興させる期待は抱いていないのだそうです。

代替地の地盤の悪さ

 代替地に地盤の悪さも、よく言われることです。これまで多くの地滑りが起きています。盛り土の規模は30メートルの高さ。地滑りが起きると災害連鎖が起きることが危惧されています。

 ダムの下流の5県で、本当に水の需要があるのか、水害対策になるのか、議論が分かれ、時の政権によっても考えが違うダムという巨大事業は大変です。雨の中、強行しましたが、行ってよかったと思いました。

工事続行中なるも

 現場は、工事が続行中でした。でも、大々的にという感じではない。工事現場にチラホラと人。ダンプカーもたまに行き交う程度。


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