街路灯の役割 今むかし

2月11日（火）

学園台の街路灯

私の住む学園台団地、昭和50年ごろ大方の住宅団地を形成しました。510世帯が県道「久喜・春日部線」の両側に広がっています。

県道に沿って200mほど「学園台商店街」というのがありました。団塊の世代よりちょっと上の世代が、小さな子供たちを連れて住み着いた団地。小さい商店街ではありましたが、喫茶店が3軒もあり、休日はコーヒーを飲むサラリーマンの姿などもありました。

昭和60年代には、1丁目、2丁目、3丁目と伸び盛りの子どもたちがあふれ、秋には（1・2・3丁目対抗運動会）が運動公園で開催されたほどでした。今は、対抗しようにも子どもたちの数が4分の1（親も当然4分の1）、運動会の体をなしません。それどころか、町民運動会に全種目選手を送れないことに相成りました。世の移り変わりは、どこでもあること、これはいいのですが、

商店街に商店がなくなり・・・

平成に入ったころから、小さな商店街の商店がポツリポツリと消えていきました。教育熱心なところでもありました。だけど（というか、だから、というのか）社会人になった子供たちが都心に出ていき、（大人度）の高い住宅街になりました。

貸本屋や家電店、文房具屋、飲食店といった小さな商店街の店舗は、大型店に押されたり、需要そのものがなくなったりで、どんどん閉店してしまいました。

街路灯が維持できない

学園台の商店街は、県道に沿って植えられた街路樹と、街路灯（宣伝灯）を両方を持つ数少ない景観を持つ通りでしたが、商店が少なくなり、宣伝灯の管理ができなくなりました。

私が議員になった14年前、「みんな店をやめちゃったから、自分家の前の街路灯を消すっていうんだよ。消えちゃったらさびしい、。何とか灯しつづけたい」と相談されました。

そこで、生き残っている商店有志が集まって「スズラン会」が結成されました。（街路灯はスズランの花の照明が2個付いた形だったから）　

この「スズラン会」を責任団体(学園台商店街組織は3年前に解散していました）として、電気料負担を、3分の1をスズラン会、3分の1を地元自治会から、残り3分の1を町の公募補助金メニューで補ってという費用分担で、街路灯を灯しつづけることになりました。それぞれの負担金は年間75,000円。このほとんど電気代です。

町の補助の理由として、街路灯は、県道の景観、防犯灯としてこれから絶対必要だということで、補助の採択。私は街路樹の隣で灯る街路灯のあったかい明かりがとても好きです。いい景色です。

街路灯を消そう

ところが、あれから14年たって、また維持管理が厳しくなってきました。もっと閉店するところが増えたのです。今は和菓子屋さん2軒、イタリアンレストラン、お蕎麦屋さんなど何軒かです。

もと店舗だったところは一般の建売住宅が建ちました。住宅に入居した人は、自分の家の前に街路灯があっても、スズラン会に入って電気料を負担する理由がありません。もはや商店街の宣伝灯だったことも忘れました。その他大勢の一般住宅がかかわるのも、考えたら変なのかも。

自治会に申し出て、（この地域の防犯灯として）もっと費用負担してくれないか、とも言えない。第一、スズラン会の有志のお気持ち、これまでの経緯など住宅500世帯の人たちに伝わっていません。自治会役員とて、どうかかわったらいいのか途方に暮れてしまっています。

10軒余になった「スズラン会」の中でも、意見が統一できません。「自分たちの代で終わりだから、消してもいいよ」という人、「いや、現役で商売している。消したくない」という人。苦しさをお察しします。

そこで、先日の意見交換会で出た結論は、「いい案が出るまで街路灯を消そう」。

地元にも、町にも、この問題を自分のことのように考えていただこうとの思いで、いったん消してみよう、にいたった結論。

先日、私の周りの方々と、遅ればせながらの新年会をやった席上、「みなさん、この問題どう思います？」とフッたところ、これが意外と難しい。

「なんだ、年間7万5000円？　俺、出してあげるよ」という方も。

でも、そういう問題じゃないようですよ。私だって無理すれば出させていただくこともできる金額・・・。

　電気代以外の出費も多くなりそうです。街路灯も修繕費がかさむようになりましたし、今ささえても、当該者が先細り。

つまり、宣伝灯、街路灯というより・・街の灯り、をどう考えるか・・の問題だと思います。