やっぱり広げよう「とねっと」 [医療]

11月8日(木)

「とねっと」の中野先生のはなし

昨晩は、越谷中央市民会館で開催された「地域医療を考える市民の会」主催の講演会に出席しました。お話の中心は、このほど利根医療圏(行田、羽生市から蓮田市にわたる広いエリア)でスタートした「とねっと」システムになるというから、なおさら聞きたい。

埼玉県は、県内を9つの医療エリアに区分し、地域医療の充実を図ろうとしています。その医療圏の中を情報ネットワークでつないでいこうという仕組みは、利根医療圏で、先行して始まりました。

中野智紀(ともき)医師は、越谷市出身の若手医師。獨協医科大学卒業後、19年まで獨協大学越谷病院に勤務。H20年から東埼玉総合病院で、代謝内分泌科医局員。おもに糖尿病の治療に従事していらっしゃいます。

地域医療のIT戦略

中野医師が、「とねっと」の仕組みを構築するにいたったのは、所属する学会、国(内閣府)のプロジェクトチームに関わったことが深く関係しているのでしょう。

氏は、H22年から内閣官房IT戦略本部・医療情報化に関するタスクフォースの構成員、同年から電子版糖尿病手帳に関するワーキンググループ構成員をになっているほか、たくさんの医療NPO法人の要職についています。厚生労働省から、科学研究費事業、地域医療再生臨時特別交付金などの受託事業にかかわり、H24年度からは現東埼玉総合病院で、在宅医療連携拠点事業を受託しています。

以上のような、精力的な仕事のほか、「糖尿病1000年の知恵 私たちが患者さんから学んだこと」など多くの著作をものしています。

医療の2025年問題

「利根医療圏」からスタートした医療の情報共有化「とねっと」は、団塊の世代が75歳(後期高齢者)に突入する「2025年問題」への備えとして、必要な仕組みの一つであろう、と先生のお話を聞いて思いました。

埼玉県においては、とくに新たな考えの下、新たな構えが必要なんじゃないかと思います。

長寿の県は、女性は沖縄県、男性は長野県です。気候や食べ物も影響しているとは思いますが、医療の充実している大都市に頼るのではなく、地域、県内で医療の仕組みを確立している県、ともいえます。

ところが、埼玉県の場合、東京都民が多く住んでいます。(団塊の世代に当てはめれば、東京都民が多く住んでいた)。

これはどういうことかというと、サラリーマン時代は、勤務の関係で、都内の病院にかかっていた率が高い。

そういった多くのサラリーマン人口が、定年でどっと地域に帰ってくると、地元の(埼玉県内の)病院にかかる率が高くなる。しかし、地元の病院や病床が増えるわけではない。

ここに埼玉県、千葉県などの2025問題が生じてくるわけです。(人口10万人あたりに病院数の少なさは、埼玉、千葉は最悪であります)東京にたよっていた医療を引き受ける仕組みがない。

中野氏は言う。「医療のシステムエラーです。昔の医療機構では対応できない」

「在宅医療の必要性は言うまでもない。しかし、在宅をやるにも、行けない医者がでてくる。」

〇会場から質問「若い医者を増やすのは?」

中野氏は、すべて否定しない。「それも一つの方法でいいと思う。しかし、今から医学部を作っても間に合わない。医者が仕上がるのに、15年はかかる。現在ある病院で、どう対応して行くか。そのために<かかりつけ医>は不可欠で、ネットワークを駆使するのも一つの策だろう」と。

〇会場からの質問「医者は休日、休暇はとれているか?」

中野氏「そう、大変忙しい医者が多い。診察が終わったあとも知識を up date するための勉強をする必要がある。」

〇会場からの質問(実は 私)「『とねっと』の仕組みに入っている宮代町住民です。私は持病(骨髄異形成症候群)をもっているので『とねっと』カードも申請している。家族はみんな『とねっと』に加入した。しかし、私のように利根医療圏以外の、例えば自治医大病院、獨協医科病院などに通っている人が多い中、これら圏外の病院で『とねっと』が機能しないのでは、現実まだまだではないか?」

中野氏「まだ、そういうこともある。しかし、埼玉医科大学、〇〇病院、△△病院など利根医療圏以外でも加入が増え、情報を共有できるようになりつつある」

ああ、ソウだったですか。知りませんでした。

私は、普段は元気で、生活に何ら支障はありません。が、骨髄(血液)の特定疾患のため、圏外の病院に定期健診にいかなければならない。つまり、このITねっとシステムが、埼玉県内全域に広がらなければ、あまりメリットがない、といいたかったのですが、広がりつつあるのですね。

一緒にこの学習会に参加した「地方政治改革ネット」のメンバー(久しぶりに来たM市選出の県議)は、「先生、ちょっとむっとしたかも。加納さんの質問、きびしかったからネ」と言っていた。あら、それはすいません。けど、それは県議の見当違いだったかも。

中野先生は、学習会が終わったあと、真っ先に私のところにおいでになり、「貴重な意見をありがとうございました。これからなんですよ、広げていかなければ」と、名刺を下さった。いいも悪いも、先生とネットを張ろう。

個人情報が危険にさらされるという意見

「地方政治改革ネット」の中にもいろんな意見の方がいる。個人情報が医療機関に握られる、個人情報が漏洩する危険にさらされる、といった意見。それは理解できる。

しかし、私は、今後の医療の課題を含めて「とねっと」システムに加入した。私の個人情報が広がるのは(私個人は)了解している。

義父は老人介護施設へ

ところで、10月7日救急車を要請して、東埼玉病院に緊急入院した102歳の義父は、安定してきたので(緊急の医療は終わったので)、他の介護施設(もしくは自宅介護)を探してくれといわれていました。かかりつけ医のいる「六花」で、(やっと7日の査定会議で)OKが出、9日午後移転することが決まりました。(ほっ [わーい(嬉しい顔)]

1ヶ月間、ベッドの上から動かなかったので、すぐには歩けないでしょう。もちろんオムツの生活になりました。「六花」の3階(認知症の方たち中心の階)の方が待機者が少ないというのでそちらへ申し込んでいました。1人部屋で、孤高の生活が得意な人ですから、3階でも問題ないでしょう。

※介護区分変更の査定の時、第2希望の「ハートピア」老人介護施設の職員さんが「立ち会ってもいいですか」とケアマネさんと一緒に来た。が、そちらの施設からは、早々に断られていた。理由は「医療部分が多くを占める」ということで、多分かかりつけ医の「六花」に任せたほうがいいだろうと判断したんではないか・・。。

それにしても、病院に入った老人は、(場所が変わったので)ボケるよ、というジンクス、ありゃー、必ずしも当たってないですナー。うちのじいちゃん、まったくボケませんよ。頭、しっかりさえているから、「六花」に移ったら、また「なんで家に帰れないんだ。私はちゃんとしているのに」というだろうなー・・。そのボヤキが3日は続くんだから・・・。


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