経常収支比率70.1%の下条村 [地域発]

10月24日(水)

下条村の経常収支比率

経常収支比率というのは、村税、交付税などの収入に対して、人件費、扶助費、公債費など、絶対はずせない義務的支出の割合で、義務的支出÷収入×100で算出します。

長野県下条村は、70%そこそこというのですから、単純に言うと、30%の余裕があると言うことです。しかし小さい規模の自治体での余裕は、注意が必要です。ちょっと大きな事業で金を食ってしまうと、たちまち比率が変わります。つまり、パイが小さい(財政規模が小さい)ためのリスクです・・・。

それでも、70%はすごい。3割はほかの事業に廻せるということだから。削った分を、一押しの事業に集中投資することができる。

財政力指数が0.22

財政力指数が0.22、これも驚異的な数字です。基準財政需要額を基準財政収入額で割ると出てきます。つまり、必要な経費の22%しか自主財源がないということで、残りは国からの補助金、地方交付税などで、補っているわけです。借金を残さない主義でやっている以上、公債費はわずか。借金がないので、体質的にはいいのですが、国などからのお金がなくなると、きびしい。

とはいえ、財政力指数0.2クラスの自治体は、全国ランキングでみるといっぱいあるんですねー。驚きました。

おおざっぱに言えることは、強力な首長さんが、強力なリーダーシップをとって、「うちはこれで行くよ。住民に協力してもらわないとダメで、我慢も強いるが、将来的にはきっと良くなる」と約束し、住民が信頼を置けば、こういうやり方でもいける、ワケです。

下条村や、福島県矢祭町がこの手法で、やっていけるのは、首長を信頼した住民が支えていること。それに、首都圏から離れている、ということも条件の一つかもしれない。「よそと比べて、ないものねだりをしない」ということが必要だからです。

財政力指数のゆたかな自治体

反対に、財政力指数が、1以上(つまり、基準財政収入額の方が、基準財政需要額より多い)のところもかなりある。入ってくるお金の方が、多いのだから、国からの地方交付税はこない。埼玉県内でも、三芳町、和光市、さいたま市など6自治体くらいある。(4年ほど前、久喜市も一度1以上になって交付税不交付団体になった)

こういうところは、優良企業などがあって税収が豊かなのですが、企業が来なくても、超デラックスな財政力指数のところもある。

ランキング上位は原発立地自治体

どんなところか・・。原発がある自治体です。全国1,700もある自治体の中で、2位から5位までは、原発立地自治体だ。他の立地自治体も軒並み、すごい財政力指数を示している。

2位・六ヶ所村(青森)・・2.03 3位・東海村(茨城)・・1.73 4位・刈羽村(新潟)・・1.72 5位・泊(北海道)・・1.65 などです。これだけ原発マネーに支えられていると原発と切っても切れない関係に、すでになっちゃっている。

雇用も原発から生まれる、行政事業も原発からお金がくる・・。飲み屋さんだってスーパーだって原発があるからやっていける・・・。

※昔は、年に何回か<道普請の日>があって、村人総出で、生活道路に砂利を敷いた。今じゃ、U字構がつまっても、マンホールの蓋が浮いても、猫の死骸があっても行政が担当する。

多少、昔に戻って、不便をガマンすればいいんだけど、近隣と競争するように<便利なくらし>を求めると、そうも行かない。どうしても職員が多くなってしまう。借金も事業も多くなるのですね。

「この町の基幹産業は何ですか?」と、聞かれて「いろいろソフト事業を打っていますが、実は、公共事業なんですよ~」という自治体はけっこうある。笑い話ではない。実話だ。


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