「子だくさん家族」の中の母親 [男女協働]

1月14日(金)

お正月番組から

「テレビ大好き」と胸を張っていうのは、チト恥ずかしい気がします。だけど、本当だからしょうがない。好きなのだけ選んで見た、と言いたいけどそうでもない。見たいのが重なると片方は録画しておくという「ワザ」を使うので。

そんな年末年始でしたが、すこし気になったことがあります。どのテレビ局も、不況で制作費を切り詰める傾向にありますが、ずっと継続できて、制作費もあまりかさまないものに「子だくさん家族」のドキュメント番組があります。長いものは14年撮りつづけている茨城県の石田家。この家族は「石田さん家、11人家族」(子ども9人と夫婦)として1997年から、子供たちの成長それに伴う<戦争と平和状態>を追っています。

もう一つは、奄美大島(と、最近は愛知県に出稼ぎしている父親)の子ども12人と夫婦。「ビッグダディー、8人+三つ子+2歳)というタイトルで、こちらは9年くらいカメラが追っているようです。

そのほかにも、幾つかの「子だくさん家族」を、各テレビ局は「手持ちの家族」として温存?している。この少子化の時代にある程度の視聴率が取れる企画として。中には2,3年カメラが追ったけど、どういうわけか消えてしまった(埼玉県吉川市の父親と子どもだけの子だくさん家族)番組もある。

母親の意志が見えない

その中で、猛烈に気になっているのが「ビッグダディー 8人+三つ子+2歳」。<ビッグダディー>とテレビ局で名づけた父親のもと、12人の子どもがビッグな?父親に洗脳されたように、けなげに奄美大島のへき地で赤貧生活(すみません)を送る。

(+ぷらす三つ子)という表現をするのは理由がある。当時30歳を超えたくらいの母親は8人の子どもを抱えて、また妊娠した。成り行きに流されるだけで「人生設計」というものを持たない30歳を過ぎた母親は、「授かったものは産みたい」とまた産む。今度は三つ子だった。

子ども達は「ビッグ」な父親に洗脳されて尊敬しているが、母親を敬う気持ちは皆無だ。妻として権限も女性としての人権もない。もっと腹が立つのは「やりくりが出来ない」と勝手に判断され、財布まで任せられない。この状況に、反旗を翻した母親は、生まれたばかりの三つ子を抱えて離婚するのだ。やっと自立した考えを持った母親を番組は応援するでもなく、ただただ「さて、次はどうなるのでしょう」とばかりに、カメラを回す。ここで番組は「8人対三つ子」となるわけです。

さて、母親に去られた<父+8人>は、本州では暮らせないと判断したのか、温暖な奄美大島に大移動する。ここでの生活は面白おかしく紹介されてはいるが、誤解を恐れずに言うなら「健康で文化的な」暮らしとはいえない。

父親はもちろん一所懸命に稼ごうとするが、グループのリーダーのような立場で、一家の体を成さない。が、みんなリーダーの言うことにしたがう。男の子は特に役割を与えられ、忠実にこなしている。いやな顔一つしないでこの生活を楽しんでいるようにさえ見える。当然個人のプライバシーなど無い。男の子6人、女の子2人一緒にごろ寝、布団らしいものも無い。食事も、当番が作った山盛りのおかずを、突っつく。食器らしいご飯茶碗もない。子ども達は疑問も持たずくったく無く素直で明るい。

 合宿と思えば思えないことも無いのでしょう。しかし、「おかしい」「もっと自分だけの空間がほしい」と思ったとしても、所詮無理なのは(子ども達自身が)とうの昔にわかってあきらめたのではないだろうか。

+2歳

そこに人生設計を持たない母親が突然「帰って来たい」と言い、実行に移す。奄美大島の一家は、当惑し最初拒むが、なし崩しに同居になる。そしてまた産む。その最後の?女の子が今2歳になったのだということで(+2歳)。タイトルの「ビッグダディーと8人+三つ子+2歳」は、紆余曲折のはてのものだ。子どもの数は合計12人になった。

母親は今40歳(くらいだったかな)。あいかわらず、母親として子ども達から認められておらず、希望している家計のやりくりをまかされていない。父親が託した会計係は次男(高2)であり、100円のお金も母は次男からもらわなくてはならない。

タイトルにはこの後もプラス(+)がつくのだろうか。それとも2回目の反乱を母は起こすのか? いったい何を考えているのか。結局自立できない女性。人生設計なんて無い。一応持っているのは「授かったものは産む」という母性だけ。見ていてつらい。

この長期の番組を、視聴者はどう思ってみているのだろう。所詮、他人のことだから「あれよ、あれよ」の展開のほうが面白い、ということなのでしょうか。テレビ局は、視聴率の取れる家族としてしばらくは離さないだろう。

女性たちよ、自分の人生、自分で描こう!! もっと意志を持て!

※ 「徳之島」に移住と書きましたが、私の記憶違いでした。コメントで指摘してくださる方がいて「奄美大島」だったとわかりました。指摘していただき、ありがとうございました。1月15日加筆修正しました。

方や、波乱万丈

方や、茨城県の「子だくさん」家族は、「協働」を絵に描いたお父さんお母さんが中心にいる。父親母親は自然体だ。悪戦苦闘しながら一所懸命子ども達を育てた。あるがままの子ども達と向き合う。子ども達も個性豊かに育つが、のびのびしているとはいえ、強烈な個性がぶつかり、つねに異常事態。でも、救われるのは両親がお互いを尊重している。

母親は自分の信念をもって子どもを生み、育て上げたのが頼もしい。父親も真剣に子育てに向き合ってきた。出せるだけのエネルギーを出した。それでいて難局をユーモアで切り抜ける明るさがある。長男は結婚して家をでた。母は嫁にも「女性として」毅然と範をたれる。すがすがしい母親だ。

自由に育った子どもだから、当然、自分達の置かれた境遇にストレスが溜まる。兄弟間の衝突は親にも遠慮なく向かう。「ウザイ」「消えろ」なんて日常茶飯事。だけど、これって普通でしょ。

奄美大島の男の子達(高3、高2、高1、中3、中2と続く)のように従順で疑問を持たないほうがおかしい。それとも番組に協力しているのか?

いつの間にか消えた「吉川市の子だくさん」

吉川市に住んでいた(今はどうかわからない)この家族は、放映直後から、いろいろ噂された家族だったらしい。父親を助けてがんばる16歳の長女。家を出た母親の代わりに下の6人の面倒を見る。ここまでだったら美談だ。だけど、翌年、長女は父親のいない出産をする。もうひとり赤ん坊が増えるわけだ。父親は文句も言わず2つの仕事をこなす。カメラはこれも追いかけていた。

このころから地元では、よからぬ噂が出てきていた。5年ほど前のことだ。その後テレビ局はこの家族との契約を打ち切った。あまりの展開にテレビ局としての体面が保てなくなったのか・・・わからないけど、その後、続編は放映されていない。

言いたいことは2つ。視聴率合戦の罪深さ。そして「女性としての意志のなさ」だ。特に、この種の番組で気になるのは「子だくさん家族」のなかで女性が女性として自立しているかどうか、だ。


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