アセットマネジメント・・道路舗装勉強会 [学習会]

12月21日(火)

アセットマネジメント(道路学習会)

昨日午後は、和光市で行われた「第3回道路の学習会」に出かけました。道路の<いろは>から、それも専門家から学べるこの学習会は、大変興味深く、新鮮です。都合でいけなかった2回目は、後で知り合いの市議から電話でレクチャーを受けたほどです。

アセットマネジメントとは、インフラ資産の管理、運用を実際の管理者に変わって行う業務で、今や社会資本の超長期寿命化を考えなければならない、日本および地方自治体にとって不可欠の作業だと思います。

師走の忙しい時期だということで参加者10数人。関心大の事項だけにもったいなかったのですが、日経BP社建設局編集委員N氏、東洋大の都市環境の工学博士である福手先生、土木学会舗装委員会の竹田敏憲氏など、そうそうたる人たちが参加したのもうなずけます。

まず必要なのが「データベース」の構築

「NPO社会基盤の超長寿命化を考える日本会議」理事の蒔田氏による「今、なぜアセットマネジメントが必要なのか」の話は、東京オリンピック後、急速に伸びた公共投資によるインフラ整備をどう考えるか、という大きなテーマから入っていきました。50年~70年を耐久年とすると、2015年~2030年は、更新時期のラッシュになります。ところが、財政的には、維持管理費、更新費でいっぱいいっぱいです。地方自治体は、さらに深刻な事態が考えられます。そのなかでも道路は、管理修繕計画に「データ」を持っていなかった・・・。

そこで、現状把握と劣化予測をし、維持・更新費を推計する、長期修繕計画が必要になるわけです。ここで問題となるの道路。現状把握が、実はまったく出来ていない。道路台帳(データベース)の構築が急務なのです。

道路台帳

道路台帳は、道路法28条に基づき義務付けられている現況平面図ですが、どんなデータが盛り込んであるかも一般には知られていません。舗装、橋梁はもとより、照明、植栽、標識、排水装置などのほかに、日常の維持管理で収集したデータが蓄積されるはずです。

苦情は<情報>

道路台帳のデータには、陳情、苦情、要望も蓄積されるほか、巡回で得られる情報占用工事などのデータも蓄積されています。つまり、苦情も情報なのです。

データベースをどのように利用するか

データベースの蓄積はもちろん大事ですが、それをどのように活用するかはさらに大事です。舗装の正しい診断と治療およびその記録で、日常の維持に、また計画的舗装に活用されなくてはなりません。つまり、データベース化⇒優先順位の決定⇒補修計画策定(予算の平準化も)を長期に渡って管理してかねばならないのです。

市町村が目指す「アセットマネジメントシステム」

〇経済的、合理的な舗装管理・・・いつ、どこを、どのように維持修繕するか 〇中長期計画・・・舗装管理の将来構想、予算の平準化 〇県民、市民への説明責任・・・優先順位の根拠

つまり、市町村も「ライフサイクルコスト」をしっかりつかむことです。

質問の時間に私は、、

午後1時半に始まった学習会も4時に近づき、質問、意見交換に。私は、「データベースは、県、市町村ともに共有しているのか。幹線道路で生活道路にもなっているところで、県、自治体双方はそれぞれのデータをきちんと把握しているのか」と聞きました。そしたら行政にも通じているある助言者は「そうともいえない」と苦笑していました。 

また、私は次のような質問もしました。「県道と私鉄の踏切が交差しているところで、20年もオーバーブリッジだ、アンダーでぬける方がいいとか言っていて、遅々として進まない県道の計画があるが、実は 20年の間に周辺住民の要望は<安心して歩ける道。歩道、拡幅修繕>に変わっていた。とりあえずそれをやるべき。工事費用は10分の一にも満たないのでは、と住民は言っている。データベースには、こういった住民意向の変化も落とし込んでいくべきでは」と。これに対し、会場から「そのほうが無駄をなくす。歩行・安全を重視する切り口はデータベースの要素だ」と同感があり、学習会終了後、日経BP記者や東洋大教授とも意見交換し、名刺を交換させていただきました。

この会で、あらためて「地域の現状を出しながら、生きたデータベースを検討していこう」と、皆さん認識をあらたにしました。で、「第4回」は、「アセットマネジメント」を構築した東京都町田市を研修。視察することになりました。新鮮な「道路学習会」です。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。