旧住宅団地の問題 [地域発]
7月8日(火)
建設後35年で
宮代町の住宅団地は、昭和40年代後半から50年後半にできた。大手の不動産会社が手掛けたトータルデザインの団地。800世帯、500世帯、300世帯など5つほどの団地が点在している。広い8m道路と、4m道路でスパンが仕切られ、一応景観などに気を付けながら暮らしてはいる。
このトータルデザインも崩れてきた。もっと都心に移っていった人、子どもたちが帰らないのでそちらで一緒に暮らす人などで、空き家が増え、売却する例が多くなった。
バブルのころは相当高値がついたという私が住む団地も、近ごろは、なかなか買い手がつかない。値引きしながら気長に売る場合は草木が繁茂して、周りが困るという有様です。今、買い手がつくというのはまず必要条件のです。
あたらしい住人には関係ないルール
ところで、うまく売れたとしても、すべて問題なしとはいかない。新たな問題が浮上してきた。これまでのこういった団地はトータルデザインをもっていた。これに合わせて新しい家を建ててくれればいいのですが、新たな住人は、そこまで知らない。暗黙のルールなんて不都合だ。
今、困った問題として、4m道路との境界問題がある。
これまで、この団地の4m道路は、(4m未満に適用される)建築基準法42条の2項に関係なく、道路の中心から2メートルに、プラスして、塀は10cm下がって作られ、塀そのものもさらに10cm後退するデザインになっていた。つまり、4m道路も、両側で合計40㎝セットバックした余裕を持った通りを作っていたわけです。
ところが、新しい住人は、不動産業者からそんなこと聞かされて購入していない。自分の土地だもの、境界線ぎりぎりに目いっぱい大きく取りたいのが人情。そこで、10cm下がって作ることも、さらに10cm下がったデザインの塀を作ることも念頭にないのは、当然の権利。側溝までは自分の土地だから。
ですが、これまで住んでいた人にとって見れば、たった20㎝の余裕がない通りが思った以上にでこぼこの景観を作り、側溝から直立した塀に圧迫感があるものなのです。
これまでは、垣根だったり、フェンスの上から木々の枝が出ていたり、これはこれで見慣れて圧迫感ではないのですが、側溝との境界ぎりぎりに立っている塀は、寸部のゆとりもない。
近頃は、宅配便の背の高い車が多く入ってくるようになった。4m道路で、すれ違うのは結構きつい。これまでのセットバックは、地上50㎝では20㎝に広がり、すれ違いに苦労はなかった、というのです。
宮代町の住宅団地は、それぞれ「建築協定」をもっていますが、これは単なる申し合わせで、暗黙のルール。法的には拘束力はない。
側溝にギリギリの塀、トータルデザインを維持できなくなった4mの道路、「建築協定」ではシバリもできなければ、お願いして10㎝下げたデザインにしてもらう根拠にもなりません。新しい住人は、そんなこと(いまさら言われても)と困惑してしまうでしょう。
う~ん、でも、景観はともかく、車のすれちがいが厳しいのは、現実です。
我が家の前は8m道路だから、10cmのセットバックなんてあろうがなかろうが全く関係ない。しかし、4m道路沿いの住宅の人たちは人知れず悩んでいるらしい。どうにか、うまい方法はないものか・・。相談された私は、今のところ手も足も出ない。
※その他、数日前は、町道をはさんでのさばってきた隣地の草や木をどうすべきか、の電話をいただいた。これも町道をはさむとはいえ、悩ましい。町は(へたするとご近所付き合いに口をはさむ)と本気になってくれない。ご当人に同情する。
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