エネルギー計画「原発」反省なし [エネルギー]

4月7日(月)

反省が遠ざかった…政府「エネルギー計画」案

 4月3日、自民党と公明党は、エネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」案を了承したとのニュース。

2月25日に経産省が提出した原案、次いで自民・公明のプロジェクトチームの協議を経てできた基本計画案では、原発事故について冒頭で(深い反省)との文がありました。

ところが、今回のは、これが削除され、8ページ目にあるのみ。なおかつ、「原発」を重要なエネルギーに位置付け活用する方針を明確にしています。

 核のゴミの捨て場も確保できていないのに、計画案では、「核燃料サイクル」計画の推進を明確にし、莫大な研究費をつぎ込んできていまだに稼働できない高速増殖炉「もんじゅ」も国際研究の拠点と位置付け、引き続き研究を重視するという文言。

しかし、将来的にエネルギーをどこに頼るのか、数値目標も道筋も示していない。

 一時期、前向きに取り組むかに見えた再生可能エネルギーの数値目標は、具体的には示せず、本文の中で「さらに上回る水準を目指す」というあいまいな表現になっている。

 1か月半で、どうしてこんなに変わったのか・

このニュースが流れた時、自民党議員たちがテレビに映った。原発の危険性、非効率性をずっと言い続けていた河野太郎さんが談笑している画面。あれ、河野さん、あなたもこの案に賛成?まさか!

(自民党の中にあっては、この計画に彼は貝になっているしかないのか)とがっかりしたのですが・・・。

翌日、ちゃんと吠えていた

しかし、翌日4日の河野太郎氏のブログでは、前案との比較で、ちゃんと訴えていた。件名は「忘れられた福島」 ---以下、河野太郎氏のブログから転載

忘れられた福島

2014年2月25日に経産省が提出したエネルギー基本計画の出だしはこうなっている。

「はじめに

震災前に描いてきたエネルギー戦略は白紙から見直す。原発依存を可能な限り低減する。

東京電力福島第一原子力発電所事故で被災された方々の心の痛みにしっかりと向き合い、寄り添い、福島の復興・再生を全力で成し遂げる。

ここが、エネルギー政策を再構築するための出発点であることは言を俟たない。

2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故は、我が国の社会に対して甚大な被害を与えた。政府及び原子力事業者は、いわゆる「安全神話」に陥り、十分な過酷事故への対応ができず、このような悲惨な事態を防ぐことができなかったことへの深い反省を一時たりとも放念してはならない。

発生から約3年が経過する現在も約14万人の人々が困難な避難生活を強いられている。原子力賠償、除染・中間貯蔵施設事業、廃炉・汚染水対策や風評被害対策などへの対応を進めていくことが必要である。また、使用済燃料問題、最終処分問題など、原子力発電に関わる課題は山積している。」

それが自民党と公明党のプロジェクトチームの協議を経て、提示された基本計画案はこうなっている。

「(エネルギー基本計画とは何かという説明が1ページ追加)

東京電力福島第一原子力発電所事故で被災された方々の心の痛みにしっかりと向き合い、寄り添い、福島の復興・再生を全力で成し遂げる。

震災前に描いてきたエネルギー戦略は白紙から見直す。原発依存を可能な限り低減する。

ここが、エネルギー政策を再構築するための出発点であることは言を俟たない。

 発生から約3年が経過する現在も約14万人の人々が困難な避難生活を強いられている。原子力賠償、除染・中間貯蔵施設事業、廃炉・汚染水対策や風評被害対策などへの対応を進めていくことが必要である。また、使用済燃料問題、最終処分問題など、原子力発電に関わる課題は山積している。」

『このような悲惨な事態を防ぐことができなかったことへの深い反省を一時たりとも放念してはならない』という言葉を、もう放念してしまった!!

これは何かのジョークだろうか。

さらに原案ではこの後にこう続いている。

「事故の反省と教訓を将来に活かすべく、2012年9月には、独立した原子力規制委員会が発足した。

新たな規制組織による新規制基準は、福島事故の反省・教訓を踏まえ、世界で最も厳しい水準となっている。

『安全神話』から決別し、万が一の過酷事故に対処するため、関連設備等のハードにとどまらず、緊急時の意思決定メカニズム及び対応手順の実効性までが審査・検討の対象とされた。

これにより、安全性向上のための新たな、根本的な対策強化が要求されていくことになる。

また、原子力安全は、本来、事業者自らも安全向上対策を講じることによって確保されていくものである。

事業者自身がこの重要な責務を担い、安全を競い合い、原子力安全文化を醸成する。国民のみならず世界中が厳しい目で注視していることを決して忘れてはならない。」

この文章はすべて削除されている。

『決して忘れてはならない』はずのものも忘れてしまった!

冗談としか思えない。

こんなエネルギー基本計画を与党として受け入れられるはずもない。

ーーー ここまで ーーー

無念、なし崩しになった

 そうか、あのニュースのときの河野太郎氏の笑いは、≪冗談としかた思えない!!≫あきれた表情だったのか。

 たったの1か月半の間に大きく修正され、「原発」推進色が色濃く出てしまった「エネルギー基本計画。ほとほと失望した。

 自民党の中で、河野太郎氏のように失望した人が何人かいるのだろう。大所帯の自民等にあっては、少数意見は無念すぎて笑うしかない。

それより、メディアだ。ニュースの中で、(ちら見)程度に、原発反対の河野氏を写すだけだ。当然ながら河野氏の考えを知っていて、コメントをとらない。メディアは東電のカタを持つ確信犯。

あらためて思う。大新聞やテレビは、東電、省庁に寄り添っていく立場を堅持する会社だということなんだ。

こうして、世の中は≪なし崩し≫式に進んで行ってしまうのでしょうか。孤軍でも奮闘しなければならない。


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