山田町にみる自治体の責任 [地域発]

2月6日(木)

NPOに丸投げした「緊急雇用」事業

メディアを賑わせている、岩手県山田町のNPO問題。判っているだけで6億7000万円も不正に使われてしまった山田町、うかつと言えばこれ以上うかつなことはない。

その犯人、NPO「大雪りばぁねっと」および張本人の岡田栄悟代表理事なるアホで、傲慢で、軍隊オタクのことなど、テレビや週刊誌でじゃんじゃん報道するでしょうから、あまり触れたくありません。

しかし、山田町という人口16,000人の自治体の、罪は、ほっとけない気持ちです。

丸投げするしかない自治体

わが町はそんな馬鹿な行政をしないでしょう。それは推定できます。

しかし、被災地になって、復興予算がドカッと来たら、もしかしたらわからない。復興予算という大金が来れば、もてあまし、使い切るために頼みになるのがNPOのような、臨時にできた民間団体だからです。

緊急雇用対策は必要であり、2年間で12億などという大金を使う事業を考えるのは、「公」はノウハウを持っていない。だから、民間に委託して雇用を作り出すのですが、うまくいく場合と、極端な例ですが、今回の山田町のようなことにもなる可能性はゼロではない。委託する業者を念入りに調べれば、そういうこともないかもしれない。

行政のスリム化、民間利用は世の流れですが、今回の事は、ピンからキリまであるNPO組織に、行政はもっと敏感にならなければだめだと、警鐘を鳴らしたのかもしれません。

町の罪

山田町の罪は大きい。山田町は、この問題で最初の告発をした。法人が運営していた無料浴場「御蔵の湯」などの所有権、系列会社のリース会社の3000万円の不正使用などで訴えを起こすようです。が、これは序章にすぎず、わかっているだけで不正使用6億7000万円という岩手県の調査結果を受けて、同NPOへ損害請求するという。NPOが払えなかったら、交付金が適正に使われなかった場合に返却する義務は町に降りかかる。

全部、適当に使ってしまったのだから戻ってくるわけなくありません。もう、2000万円のゴムボートに、シルバーに輝くハイエース8台(だっけ?)、社員のアルマーニのスーツに、容疑者の母親と祖母が住むマンションに、ニューハーフショーに・・・、消えてしまっているわけだから。

町は、この団体に拠点として「B&G」体育館を貸したばかりか、この体育館は1億250万円もかけて改修されている。これらをもとに戻すにもお金は別途かかる。

住民が議会解散要求

町は、手続きをするだけで、これらは住民の税金で県の復興基金〈元は国〉に、返さなくてはならない。被災した住民にあるわけない。

議会では、現町長、現副町長の給料を月額の10分の2、今年1月から3か月間、減額する条例を可決した。それぞれの合計は42万円、34万円の減額となる。町長は「今後も全力でこの問題に対処していく」と言っているという。

また、山田町議会も監視が不十分だったと、議員報酬を月給10分の2×3か月間減額する条例を可決した。しかし、住民は、解散請求をしていくという。

前町長、前副町長が謝罪

このNPOに24,25年度で(合計12億以上の事業)を丸投げすることを決めたのは、前町長、前副町長の時代だった。この2人は、記者会見し、それぞれ総額211万円5000円、85万500円を町に寄付すると発表した。推定ですが、町長はおととし(任期4年間の報酬として)2500万円くらいの退職金、副町長は1000万円くらいの退職金を受け取っているはずです。

ナンでも、退職している両名は給料の返済ができないため、当時の給料(年収)の10分の3にあたる金額を寄付することにしたというのです。

このほか、課長級の職員が同じく給料の減額、最高で給料1か月分の10分の2×3か月間、減額、最小で訓告という処分が決まりました。この管理職の処分理由は、容疑者たちの研修という名の旅行について行って飲食の接待を受けた、とか、公式文書を書いてあげたとか・・なんちゅうことだ。

職員や特別職の減給など、山田町が背負った返済せねばならない金額と比べたら、、焼け石に水・・・。

優先は労働者

NPO団体「大雪りばぁねっと」は、復興事業で年度内に支給される6億とかのお金を11月中に使い切ってしまい、雇用創出で働く140人の給料が払えない。それで、補正を組んでもっとくれ、と町に申し出たところで、アウトになったわけです。

破産したからと言って、働いた人の未払い給料は、一番優先されなければならない。新車のハイエースや、海軍で使うようなゴムボートなど無駄遣いの限りを尽くしたものを売却して、はやく給料に変えなければならない。

しかし、丸投げした結果、県に「不適正な事業費の使い方」と検証された交付金は返済されなければならない山田町は、この「ツケ」を住民に押し付けるとしたら、住民は憤りますよ、ほんと。

簡単に下りてくる「復興」「緊急雇用創出」という名目の国のお金。

国の「補正予算」はゆるい

私の感じですが、当初予算より、景気浮揚や緊急雇用創出といった、≪補正予算≫にゆるいばらまきが蔓延しているように思います。

もっとも、「国が10分の10の交付金を出す。これをもらうチャンス」とけしかけたり、もらわにゃ損、知らなきゃ損、と言ってきたのは、ほかならぬ私たちで、その点、気を引き締めねば、と思います。


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