昭和っぽい講演 [教育]

2月2日(日)

オンブズマン情報誌

毎月発信される神奈川県寒川町市民オンブズマン「ささえあいの会」からの情報。昨日もMLにて受信し、ダウンロードし、興味深く読みました。発行責任者の方は、伊勢原市の事業仕分けや、憲政会館の研修などでお会いして以来、情報を欠かさず送信してくださる。

この会のメンバーは、議会の傍聴・各議員の質問・活動の評価、町の総合計画の分析、総合計画審議会の評価など、実にきめ細かい。しっかり取り組んでいる実績と、もともと持っている識見から、歯に衣着せぬ発言力も魅力だ。

「昭和のかおり」と冷ややか

寒川町で1月17日開催された「新幹線新駅誘致」に関する講演会のコラム記事があった。おもしろかった。以下、記事をそのまま記述する。

ーーしょうわのかおりたかい「新幹線新駅誘致」・・I教授の講演を聞いて・・

1月17日,茅ケ崎市民会館 聴衆 約200人  講師:東京大学院・I教授

教授は、「高速道路」の作り方を中心に、日本の交通網のあり方を解説しました。倉見の新駅誘致とあまり関係がない、昭和(田中角栄時代)を思い出す講演でした。

高速道路は国が作るので、直接地元が費用負担することはないが、新幹線新駅の場合は、財政の苦しい地元の市町村に、多大な負担がかかります。これをどう解決するのかと最後に質問しましたが、答えはなく、掛川市が住民の寄付を募って新幹線駅を作ったという、たとえ話があっただけでした。

掛川市は各戸10万円の寄付を募って建設したと自慢しています。約4万戸ですから合計40億円が集まったことになります。掛川駅の地元負担は、在来線と並んでいるので推計は難しいのですが、(滋賀県で中止になった栗東新駅の地元負担が600億円だったので)計算すると負担額の7%を市民の力で賄ったようです。残りの93%を、各戸が90万円ずつ「税金」という形で負担したことになります。この点を神奈川県は説明すべきです。

新幹線掛川駅には、毎日上りだけで33本が停車します。待避線があるので「ひかり」や「のぞみ」の増発とスピードアップができ、JR東海側にもそれなりのメリットがあったようです。もし、倉見駅にも「こだま」の停車本数を増やすために待避線が必要となれば、(地盤の状況により違うが)地元負担は600億円以上に膨らむ可能性があります。〈元関係者談〉--引用終わりーー

つまり、こういった講演会を用意する方は、講演者の肩書で聴衆者は納得して講演を聞くものだ、という時代錯誤の先入観があるということではないでしょうか。研究者や関係者の講演は、事例を知っているだけで、それが講演の趣旨にあっていようがいまいが、関係なく、それ以上でもそれ以下でもない、ことが多い。

町であった、ある講演

寒川町のこととは関係ありませんが、1月31日、宮代町進修館小ホールで、「人権教育」に関する講演会がありました。参加者は約50人、半分近くは役場職員、5人くらいの教職員、5人くらいの老人クラブメンバー、5人くらいの女性の会、その他数名の地域の方、2人の議員(そのうち一人は私)などでした。

運営する方はというと、会場設定、受付などの作業などに総務課の庶務人事行政、市民協働担当室、教育委員会の社会教育担当室といったセクションを超えた役場職員が10人近く出ていまして、司会進行は総務政策課長。最後の主催者あいさつは教育長。

ところが、講演が始まってすぐに(なぜ、そこまでしゃべる?)といった感じがしてきた。

聞いている職員、教職員は、どんな感じで聞いているのだろうか・・・?私は落ち着かない。

ほとんどが「同和教育」

人権に関する講演とはいっても、その内容はほとんどが「同和教育」だった。当日の資料は、被差別部落の人はどう呼ばれているのか、どういう職業をやっていたか、歴史はどうだったか、全国で、どの地域にどういう被差別地区があるかetc。それをもとに、ときにはユーモアを交え、時には会場の人に語りかけ、1時間半以上お話された。(この道一筋)あちこちで呼ばれて話されている方なんだろう。

被差別の方たちのことを正しく理解することは、公務員として、教員として、地域のまとめ役として必要なことだとは思います。講演の間中、皆さんの受け取り方が気になり、何回も周りの人たちの表情を見まわしました。

人間は、知れば知るほど意識する生き物だ。あんなに念を入れた同和教育が必要だったのか・・・わたしは、どうも気が重くなった。

しかし、2003年ごろの「大量差別葉書」郵送事件、直近のヘイトスピーチなど、人権を踏みにじる言葉が乱れ飛んでいるのも事実です。どの時期に、どこで人権教育に取り組むか、悩ましい問題であります。


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