権力者の弁明 [選挙]
11月25日(月)
限りなく黒に近いグレー
猪瀬東京都知事の発言が二転三転している。昨年末の東京都知事選の際、徳洲会(前)理事長から5000万円受け取った(問題が浮上した今年9月に徳田虎男氏の妻に返済した)ことに関してである。
猪瀬氏は、昨年11月6日に前理事長徳田氏に会った。選挙には1億円くらいかかると話した。11月下旬、(とりあえず)議員会館で5000万円受け取った。11月21日出馬表明した。
というあたり、徳洲会、知事双方にとってメリットがある話があったのでは、という想像は誰でもするでしょう。想像の世界ですが・・ネ。
都知事への事情聴取もあるかもしれない。「政治資金規正法」「公職選挙法」「資金公開義務」に違反していないか、という点で。でも、多分、そこまでだ。どうってことなく煙(火のないところに煙は立たないが)は消えていくことになる。
たとえ、そうなってもいいではないですか。世間的にはアウトです。
二転三転する発言は、次々に出てくる疑いを後手後手に払いのけているようで、国民はもうすでに「クロだろう」と間違いなく思っているだろうから。
確証はない。週刊誌ネタで終息するのがこの手のスキャンダルの流れです。
でも、実はそれで十分なのだ。かつてペンの力やストレートな発言で、政治の不条理を追及した猪瀬都知事は、そのペンの力、市民の眼で、「クロに近いグレーな知事」という印象を植え付けられた。ちょっとやそっとではぬぐいきれない。
要は、政治家としての道義的責任の問題で、信頼できるトップかどうかという点で「オチ」たのだ。刑事責任が問えなくても、都民、国民の不信の気持ちは払しょくできはすまい。
もちろん、権力者になっっている現在、その地位は揺るがないでしょう。しばらくはご安泰。おそらく2020年の東京オリンピックが終わるまでは権力をものにしているでしょう。石原前知事が、数々の追及を蹴散らしたように。
言った・言わないの世界
確証がないのだから、「言った・言わないの世界」では、何の効力もない。どっちの話も、他人は面白がるだけだから。
しかし、実は「言った・言わないの世界」は、後々その政治家を許さないのだ。これの方がつらい。
うまくクリアしたとしても、ずーっと「約束を反故にする信用できない人間」の印象は付きまとうことになる。中央の政治だけではない。地方でもきっとそうなる。
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