渡良瀬遊水地のヨシ焼き [歳時記]
3月18日(月)
国内の野鳥の約半分の種類が生息
渡良瀬遊水地は、多くの人、環境団体、国、県などにより、生態系が保護され、生き物たちの安住の地になっています。国内の野鳥の約半分260種が生息するといわれています。
ここのヨシ焼きは、春の風物詩にもなっており、生えた木が樹林化するのを防ぎ、病害虫の駆除、ヨシの良好な生育をも促しています。
しかし、3・11以後の2年間、ヨシ焼きは中止されていました。おととしは大震災の直後で、そういった行事ができなかったこと、また、昨年は福島原発事故で広がった放射能が焼くことにより拡散、濃縮するのでは、との懸念から実施しませんでした。「専門家に意見を聞く」ことにまで至りませんでした。
今年は「再開を」希望する生態系保護団体と、放射能拡散を心配する市民団体などの2つの意見の中、埼玉大学大学院教授など専門家の意見を聞き「焼くことの影響は少ない。生態系保護の観点から再開することのメリットが大きい」との意見を踏まえ、2年ぶりに復活したそうです。
ところが、計画の2倍以上が燃えた
YouTubeの画面を見ると、相当勢いよく燃えたようです。ずらっと三脚を構え、ならんだカメラ愛好家たちが「すごい」「怖いような迫力だ」と言っているのが、聞こえてくる。臨場感たっぷりで、いい写真が撮れたようです。
しかし、燃える火は勢いを増すばかり、空を覆った煙が少なくなり、燃えつくした後は、計画の2倍を超す、全体の9割が焼けたとか・・。(計画では全体の4割だった)
圧倒的な火の量は、民家の倉庫まで巻き込んで焼いてしまった。2つのわかれた両方の意見、言い分がわかるが、さて、こんなに焼けた結果、この後、どんな総括をするのか。自然の勢いの前には、計画は役に立たない。
ヨシ焼き再開に関する方針
ところで、ヨシ焼きの再開にあたっては、火入れに伴って拡散する灰の量をできるだけへrすとともに、周辺にお住まいの方々の安心に資するよう、以下に配慮する。
(1)焼却エリアについては、H22年まで行ってきた渡良瀬遊水地全域ではなく、ヨシ焼きエリアを必要最小限に限定し、灰の量を少なくする。
(2)火入れについては、時間差を設け、大規模な火入れにならないようにする。
(3)渡良瀬遊水地の空間線量率については、事前、事後のモニタリングを実施する。
※火入れの時間差、最小限の焼却などの決まりが、あっという間にふっとんだ自然猛威でありました。
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