「耕助」の新規就農者 [まちづくり]

9月15日(木)

炎天下の就農者

昨日、午前11時ころ、山崎から西原の方へ。町が管理する集積農場がある辺り。3人の若い男の人たちが小さな苗に不織布をかけている最中でした。

昨日もかなり暑く、とうに30℃は超えていました。この不織布は、遮光なのか、霜よけ、保温には早すぎる。この方達もどんな人なのか、気になる。今は稲刈りの真っ最中だけどコンバインの運転者は高齢の人ばかりなのに、この若い作業者は? さっそく聞いてみることにしました。

「すいませーん、作業中」「これ、どんな目的でかけているんですか」 農作業中の人「これですか。あの蝶々が卵を植えつける前に、かぶせようと思って」と、ひらひら飛んでいる蝶々を指差しています。

そうかぁー、蝶々か。そういえば、10月も半ばを過ぎて秋キャベツの巻きが進んでくるころ、青虫が葉っぱをネット状に食べつくしてしまう。今ごろ、この小さな幼苗に、ああやって蝶々が卵を産みつけてしまうのか…。

カンカン照りの畑はパサパサに乾いている。農作業の人たちは横を流れる小さい用水から水をくみ上げ、一つ一つの苗に水をあげてもいる。私「大変ですね、水。雨が降ればいっぺんなのにね」作業の人「ええ、でも、あっちの方もこれから植え付けますし、雨を待っているわけにも行かず、どんどん進めています」と。

「耕助」のスタッフだった

「ところであなた達はどういう人?」 興味の赴くままに、私の質問は続く。「耕助のスタッフです。4人いますが今日1人はほかに行っています。で、こっちは3人で・・」と彼。「ああー!! 耕助のね。そう、こういう若い人たちだったんですね。こういう新規就農の人が楽しげにやっているのはいいですね。学校か何かで農業経験して?」と私。彼「ハイ、高校でやったものもいるし、県の農業大学校で経験して興味を持ったものもいます」

「耕助」とは、2年前、国の第2次補正=緊急雇用対策メニューを使った事業で、全額が国の交付金(県に基金を置いてある)です。宮代町は、生産力が落ちてきた「新しい村」の野菜類の生産体制を強化するため、この補助金を使い、「耕助」の立上げを申請しました。

それに応募し、作業をしているのがこの人たちでした。30代、40代の陽に焼けたイケメンたちです。農作業がたくましい。既婚者2人、全員宮代に居を移して作業している。22年度決算には、確か1360万円くらいの事業費が計上されていました。しかし、こういった臨時雇用対策補助金は2年前後で打ち切られます。

補助金事業をどうやってつなげるか

新しい政策、プロジェクトを立ち上げようと思っても財政が厳しい自治体、国が突然活性化対策、緊急雇用創出対策の名目で、10分の10、すなわち全額補助金を用意してくれるのはありがたい。どの自治体も、このチャンスに、メニューに添った何らかの事業を考え、とにかく申請し、とにかくもらおう、と頭をひねる。

その中には、<国がくれるというからとりあえず考えた>といえるような、効果が疑われる事業もあるにはあります。補助金がなければ、とうていやらないだろうなと思えるようなもの、懐が痛まないお金だから、効果が出なくてもゼンゼン平気、といったものもあります。

だけど、「耕助」のように、日々作業をして、作付けスケジュールがあり、収穫を期待する作業についた人を、定着させるには、2年3年の補助金では短い。今後全額補助金が終わった時、自前で続けなくてはならない政策,人材のキープのため、今度は自治体がお金を捻出しなければならない。

昨日あったような新規就農者、宮代に住んでがんばっている人もいる。集約すればいくらでも使える遊休農地もある。つなげていく政策と、理解を示す消費者の関係を改めて構築する必要性も感じました。

補助金のあと

どうせ補助金、たかが補助金。議会の決算委員会でも「(補助金がなくなったらおしまい)にならないように」と議員の要望がありました。職員は「補助金の性格上、一時的なものですから。そのあとが大変です」と答弁していました

あまり効果のでなかった、あの交付金、この交付金もあるわけですから(失礼)、町の今後を助けるような事業に集約して、補助金もらえないかな、と思います。が、補助金というのは、初期投資を助け、その後自立できるようにうながすものだから、<もらえるものはもらっておく>ほど甘くはない。


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