計画通り建設されるか「上関原発」 [原発]

6月26日(日)

瀬戸内海の美しい海に「上関原発」

東京電力の株主総会は明後日、28日に開かれます。

株主総会が相次ぐ中、全国の電力会社は、「福島第1原発」の事故が未だに危険な状態から脱していないのを背景に、混乱が予想されます。

その中でも、大阪の橋下徹知事が「原発への依存を容認させるような15%節減計画には乗れない」と言っている関西電力の総会、また、これから建設される瀬戸内海に面した「上関原発」をかかえる中国電力の総会など相当な波乱が予想されます。

中国電力の株主総会は29日に予定されています。

まわりの自治体は「凍結を求める」・・・

山口県「上関原発」は、1号機の運転開始が2012年6月着工、2018年3月営業運転開始予定、2号機の着工が2017年という計画になっています。建設工事が具体的に動き出した2007年8月以降、中国電力から町に計5回、24億円の寄付をしています。昨年、反対派にはだまし討ちのように、工事区域のブイが打たれたりしました。

この進捗の中、【福島】事故以来、上関町のまわりの市町村では「原発建設の凍結」決議が相次いで可決されるという状況になりました。

 立地自治体である上関町議会では、「上関町として何らかの意志を示すべき」と反対派の議員から「原発計画の白紙撤回を求める」意見書案が提出されました。が、内容以前に、意見書を出すこと自体<反対>と、多数派である【原発推進派】が否決したのです。上関議会は推進派9名、反対派3名という構成であり、町長も推進の立場をとっています。

「白紙撤回を求める」意見書案に反対の理由は、「白紙撤回は30年にわたる町民の思いと町の政策に合致しない」「ここで弱気になってはだめだ」「(これまで、これからのように)」原発交付金によるさまざまな生活支援がなくなる」といった意見だったそうです。

電源三法交付金、固定資産税による安定的な収入は「もはや、なくてはならない」「あるのが当然」の町政構造になっているのです。

また、少数派の「白紙撤退を求める」議員の賛成理由は、「福島原発の事故を受け、いったん立ち止まってい考えるべき「交付金という手段に命や、美しい海をささげていいのか」と言った意見です。

推進の立場をとってきた町長は、9月に行われる町長選挙に出馬を表明しています。「原発」問題は町を真っ二つに割ってしまいました。「原発」を選挙の争点にせざるを得なくなりました。議会と住民意識には<ねじれ>ができ、4:6で「凍結」論が高くなっているようです。

 原発計画が表面に浮上してからの町長選挙では、(票の操作のため)「中国電力」の社員を含む100名以上が不正転入を行ったとして書類送検され、現ナマを使った買収事件では10名以上が逮捕されるといった騒々しさです。

札束がものを言った

計画が出て30年、上関町は、2000年の人口約5,050人、2009年の人口3,550人(高齢化率49,5%)と過疎化が急激に進んでいます。原発推進を町政運営の悲願としてきた町執行部や、6団体(町商工会、まちづくり連絡協議会、商工業協同組合、建設業協同組合、推進議員会、漁業振興問題協議会)は、「原発がこなければ・・・」の戦々恐々たる気持ちのようです。

一方、同じ上関町ではありますが、原発建設予定地の向い側(直線距離で3.5km)の祝島の住民を中心とした「反対派」は、農・漁業産物への放射能汚染など生活環境への影響が甚大であると主張し、漁業補償の受け取りも拒んでいます。島民以外でも、近隣や全国規模の環境保護団体は、瀬戸内海一きれいな海を破壊してしまう、直近に活断層がある、というのが理由で反対しています。

137万キロワットの特大原子炉

この小さな町(面積は、島部などを入れて34平方km、宮代町の約2倍)に計画されている原発は、なんと定格出力137.3万キロワット×2基(改良型沸騰水型軽水炉、柏崎刈羽とほぼ同じ機種、規模)という巨大なもので、比較的新しい原子炉はみんなこの規模、機種になっているのです。事と場合によっては、お隣の関西電力エリアにも送電できる余裕を持っています。

全国で停止中の原子炉の再開が難しくなる中、あらたな原子力発電所ができるのか、株主総会は、一つの山場ではあります。


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