放射性物資が付着したがれきを焼却処理 [災害]

6月20日(月)

非公開の「安全評価委員会」

環境省は、放射性物質が付着した可能性のあるがれきの処理方針を、19日開催された「安全評価委員会」でまとめました。

がれきの撤去は一日も速く

復興を促進するため、がれきの撤去は一日も早くと、国会質問などでもうながされていました。それは誰もが祈るような気持ちです。その中でも、福島県内の放射性物質が付着したがれきをどうするかが問題でありました。環境省は、「安全評価委員会」を作り、6月5日、6月19日に会議を持ちました。この会議は非公開です。

焼却炉で燃やすことに

19日の<まとめ>は今日の朝刊の2 面に小さく載りました。放射性物質を除く設備を備えた焼却炉で燃やし、焼却灰は放射性セシウムが1グラム当たり8,000ベクレル以下であれば埋め立て処分できるとしました。

福島県内ではがれき処理を中断していましたが、この「まとめ」により処理が再開されることになります。焼却灰に基準を設けて処理をするのは27市町村で、福島原発から半径20キロ圏内と一部20キロ県外の計画的避難区域は入っていません。この地域はこれから処理方法を検討するとして保留になっています。

8,000ベクレル以下の焼却灰は、埋め立て場所を記録するなどして福島県内の最終処分場に埋め立てられます。8,000ベクレル以上の焼却灰は最終処分場に一時「保管」するとし、その後の処理方法は<未定>ということになっていますが、新設の最終処分場を作ることになる方向です。

100%(放射能)除去設備の付いた焼却炉?

焼却できるのは、100%セシウムの放出を防げる焼却炉といいますが、これまで焼却炉というものは放射性物質を処理するために作られていたわけではありません。ダイオキシンなど有害物質を吸着させ、あるいはふるい落とすバグフィルターはありますが、「放射能を吸着させる」??

バグフィルターに放射性セシウムを99.9%吸着させることができる焼却炉ってあったんですかね。また、うまく吸着させてふるい落とせたとしても、その焼却灰(100%危険な灰ですよね)をどうやって保管していくのか、まだまだ未知のことばかりです。

埼玉県の資源循環推進課に

県の「資源循環推進課」に電話して聞いてみました。焼却炉のことは、ここが担当してますので、いつもここに聞きます。

 「国は昨日まとめた放射能の付いたがれきの・・・」という私の説明が初めのころは通じなくて、衛生課につながれそうになったのを「環境省の分野だから、衛生のほうに回したら余計遠くなっちゃいます。環境省分野の焼却炉のところでいいと思います」と引き戻したのは私。担当が出てからは話がどんどん通じる。以前は、もっと通じるNさんがここにはいた。

 さっそく「焼却炉って、そもそもセシウムなどの放射性物質をとるものとして造っていましたっけ? ダイオキシンなどの生成物なら分かるけど。原子力関係は、これまで大気汚染防止法だとか、土壌汚染防止とか水質汚濁防止とか環境省分野の法律からは治外法権だったでしょう。特別扱いのものが、突然今ごろ焼却炉で燃やしてくださいっていわれても、一般廃棄物処理のほうは戸惑ってしまうのではないですか」と私。

さすがに担当は「確かに原子力関係は、全く別世界の処理でこちらとは関係なかったです」と同感しながらも、「でも、これは福島県のことで、こちらには通達はないですから」とおっしゃる。

私「でも、あれだけの量のがれき、いつ関東近県の処理施設でってことにならないとも限らないですよ」 担当「そうですよね」 私「とにかく、放射能除外設備のある焼却炉って、一般廃棄物、産業廃棄物にだってこれまでなかった話です。バグフィルターの説明で、これは放射能も取りますって、聞いたことない。これから造る焼却炉には設備がつくのでしょうか」と皮肉混じり。(第一、『原発』から廃棄物が出るなんて想定外)

県・環境部・資源循環推進課には「また、電話します。何か変わった通達が下りてくるかも知れないから」といい、担当の人も「分かりました」と。

東北の、その中でも福島県の放射性物質の付着したがれきをどうするか・・・。「人災」によっていろいろな苦しみを与えられてしまった県民のみなさまのことを思うと、何とかならないか、と思います。でも、まかりまちがうと、あらたな放射能拡散になってしまいます。

燃やすと、がれきは約10分の1に減容化されます。でも10倍濃くなった放射能の灰が依然としてあるだけです。

福島県の人は、これを県内の既存の処分場、新設の処分場に埋め立てられるわけです。どこにどんな焼却灰を埋めたか「記録」は残すとしても・・・。

 非公開の「安全評価委員会」がこの次いつ開かれるか分かりません。非公開にしているということは、会議のメンバーの誰がどんなことを発言したか明らかにしないということです。こんな無責任なことあっていいのでしょうか。この委員会のメンバーはすべて公表されましたが、県内自治体関係者は一人も入っていません。すべて、中央の有識者です。


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