浄化処理施設稼働するも5時間で停止 [原発]
6月19日(日)
循環冷却システム、あと10日あまりであふれる!
福島第一原発の炉心を冷やすために注水して溜まり続けている汚染水は、あと10日ほどでいっぱいになってしまう。どこにも持って行き場がなくなると、あふれさせるか、どこかから海に放水するか・・。そんな恐ろしいことは考えたくない。一縷の望みを託していたのが、浄化処理システムだったのに。
昨日(18日)の朝刊には、1面に大きく「汚染水浄化が稼動」と書いてあった。「ああ、やっと・・・、これで何とかなるだろうか」と思ったものだ。当初は15日から稼働するはずだったのが次々にトラブルがあり、17日になった。それでもまだダメで18日に、試運転を短縮して(もう時間の猶予がないから)稼働させるとの、新聞報道だったのですが…、
たったの5時間で、停止!!
それが、今日の新聞では、もう「停止」。たった5時間で頼みの装置が働かなくなってしまった。何でも、高い放射線量の不純物がいっぺんに吸着し、装置が停止してしまった(かもしれない)というのだ。どうしたらいいんだろう。今日の新聞は、まず浄化できなくなったカートリッジをとりかえて、今度は少しずつ水を循環させればいいのでは、と書いてありましたが、もうかなり信頼度は低くなっていますので・・・。毎日、毎日があたらしいトラブル、異常事態、100日たっても心配から抜け出られない。
村田三郎氏(阪南中央病院の内科医)の話
昨日(18日)は、船橋市の塚田公民館で開かれた、映画「明日が消える~どうして原発」と「福島原発作業員の被曝調査に関わった」村田先生の話を聞きに行ってきました。
大阪から来ていただいた村田先生は、日本の<被曝医療問題の先駆者>として、精力的に取り組んでこられた先生です。昨日は、船橋市塚田公民館(野田線塚田駅)で、市民の皆さんに講演したあと、駿台予備校で医学部受験生向けに夜も講演するといった強行スケジュールでした。先生を呼んだのは船橋市議で、駿台予備校の講師もしている朝倉さんです。
お話の中で、原発現場で、働く作業員の健康状態を非常に心配しておられました。福島原発事故による修理作業で、100ミリシーベルト以上の被曝をした労働者は、4月14日の発表で28人(この発表自体ゼンゼン真実から遠い)。その後、事態は好転しているとも思えない。かなりの作業員が100ミリシーベルトを越える被曝を覚悟で、修理作業をしている。この現場も切迫しているというのです。
造血幹細胞の採取
被曝によって、血液を造る造血機能が失われることが憂慮されます。対策として、現場の作業員から事前に造血幹細胞を採取しておき、万一の時これを移植するという医療があります。
衆議院議員の舛添要一氏は、国会質問で、2回これを政府に要求しています。
原子力安全委員会(委員長は、あの斑目さん)は、危険性が今のところ押さえられているのであれば、その準備をするという必要はないとの見解を出しています。
しかし、造血幹細胞による被曝対策があるということを、現場の作業員は全く知らされてなかった(愛媛大学大学院・谷川武教授)というのは、問題であり、人権も何もありません。
現状で、政府、東電ともに原発からの汚染水垂れ流し、満水対策に終われ、作業員の「被曝管理」が全くできていない状況があります。
「放射線管理手帳」をすべての作業員が持つべきです。また、「放射線管理手帳」は東電が管理し、家族にも開示されない、というのは異常です。
これからの<崩壊した原発の行方>は、現場作業員のマンパワーに頼るしかないのです。
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