公共施設マネジメントセミナー

5月26日（木）

緩やかな震災

昨日は、東洋大学PPP研究所などが主催する「公共施設マネジメントセミナー」に参加しました。（場所は「都市センターホテル」。本当に久しぶりに、地下鉄「永田町」を紀尾井町側に出ました。）

宮代町が東洋大学根本教授率いる「PPP研究チーム」に依頼し、提言を受けた「公共施設マネジメント」は、将来計画に必ず役に立つであろうと思われます。「投資・圧縮・統廃合」のノウハウですが、当町は今のところ、この黄金の（私はそう思う）テキストを使いこなしていない。今後の適用が期待されるところです。

さて、昨日は、こういったインフラ資産の更新にかかる費用を簡便に計算する<資産ソフト>の紹介も兼ねていました。このソフトは根本チームが作成し、総務省などが手を加えて使っています。セミナーを後援した総務省の、自治財政局・課長補佐がこの方法を使った推計を話していましたが、イヤー、公共施設、インフラの老朽化はどんどん進んでいますね。黙っていてもそっとしていても施設は痛んできます。

　根本祐二先生はこう言います。「東日本大震災は、インフラも建築物も根こそぎ持っていってしまったけど、地震と老朽化は実は同じ問題だ。老朽化はいつの間にか忍び寄る『緩やかな震災』である。東日本大震災による被害を二度と繰り返してはならないと考えるならば、同じように、老朽化という緩やかな震災にも対応すべき。100％確実に予見できるということは、100％確実に避けることが出来るということ。何も対策を採らなければ、いずれは朽ち果て手我々の生命や財産を危険にさらす」

放置するわけにはいかない

放置するわけにはいかない。なぜならみんなが使うものだから。突然使用停止になる日まで使って後は処分と行かないのが公共物です。

東日本大震災でも重大な事象が続出しました。だいたい「事象」なんて言葉が目の前の危機から目をそらしていますが・・・。

鹿行大橋、岩手県遠野市役所（全壊）、福島県庁、郡山市役所、須賀川市役所、茨城県水戸市役所、高萩市役所、千葉市役所（全館使用不可能）、九段会館、ミューザ川崎　などの公共施設が大きな損傷を受けました。これらの原因は老朽化でした。

増える社会資本ストック、減る公共投資予算

2050年の総人口は、1億人を切る。人口が半分になる自治体は50％以上、さらにはその2割は無居住地になると推測されます。公共施設の必要性はどうか、根本から考えなければならないでしょう。

　公共施設の場合、バブルのころ、つまり30年前に造ったものがかなり痛んでいます。また、橋梁、道路などインフラは、40、50年経たものが多く、重大な損傷が起きているものが少なくありません。

更新費がない！　なぜ理解されないか

突然陥没、崩壊といったことも起こってきます。突然、という印象を一般人は受けますが、起こるべきして起こったものです。なぜ理解されないか・・。

①認識不足型・・・更新投資の必要性に気づいていない。軽視している。　②国家責任転嫁型・・・国が地方に公共投資させたのだから国の責任だ、最後は国が面倒見るはず。③市民責任転嫁型・・・市民が望んだ結果だ。公共投資しなければ落選した（政治家）　④聖域主張型・・・おっしゃることはごもっともだが、ここだけが別だ。（造った時そういっていた）

だけど、確実にじわじわと老朽化しているのです。

将来計画に役立てよう（宮代町・長期予測）

　ここで、宮代町の公共投資予測が・・。2020年から2030年の10年間に投資しなければ危ない施設が多い。当然中長期計画に反映させなければならない。その後、下水道財政を揺るがすのが2040年、もう更新費用は底をついているだろう。

　そして対策

バランスシート問題としなければならない。つまりバランスシートそのものをいじるしかない。町も更新費用の大きさに気づいていないわけではない。しかし、公共物の中にいる公共人は、仕掛けるのが遅くなりがちです。外からの目線＝第三者によるマネジメント介入が必要になります。

時代が変わればニーズが変わってもくるでしょう。

学校、ふれあいセンターなど統廃合を含めて、はやく論議を始めなければなりません。「やってますってバ」と役場は言うでしょうねー。

それにしても、午後2時から5時まで超特急で詰め込まれたレクチャー、面白かった。けど、時間が足りない。