転換期の自治体総合計画 [行政]

3月4日(金)

30代の方からコメント

昨日、30代の方から「ブログ、読みました。30代の力、考え方を活用してください」のコメントをいただいた。ありがとうございます。「応援してます」の言葉、心からうれしかったです。

転換期の自治体計画

昨日は、定期健診で、一日中大宮の病院の中。時間つぶしにずっと「転換期の自治体計画作り」という本を読んでいました。所属している「自治体議員政策情報センター」のメンバーイチ押しの「自治体計画づくり」で、T市の総合計画がテキストになっています。

【討議課題】の抽出

本の中で、総合計画や振興計画を作る場合、「官庁統計」としての経常収支比率や公債費負担比率などの数字を出したりするが、これは各自治体の政策、事業いかんではどのようにでも変わる便宜的数字だといっています。

問題は、時価による累積赤字、不良資産、債務保証などのほうで、よほど大事です。こういったものを洗い出した上で、討議の課題を抽出しなければなりません。【討議課題】もなしに、なんとなく市民参加なんていっているのは、市民に対して「目くらまし」「アリバイ工作」にほかなく、コンサルを巻き込んだ(どこにでもある)作文になってしまうおそれがあります。

討議の課題を絞り込むのは、長の責任であり、議会の責任であると思います。で、討議しなければならない問題に対して、十分な議論を戦わせ、さらにそこから避けて通れない問題を絞り込む作業になります。

手順

課題に対して十分な論議を経て抽出されたもの、これが「素案」になります。市町村独自の課題が浮き上がるので、どこにでもある「素案」になりません。「素案」は、できれば全戸配付、職員必読を基本とし、なぜ「素案」が出来たかの説明を十分しなければなりません。

素案に対する質問、要望などを整理し、修正したものが「原案」になり、これがすなわち町の基本構想になるわけです。基本構想に政策で色付けしたものが基本計画。これは、また公開され、議会の議決事項を経て「長期計画」へと歩を進めます。

長期計画を「実施計画」に移す場合、5年程度の短期計画にし、くりかえし見直しをかけられるものにしておく必要があります。実施計画は、ローリングをかけ、時代に即したものに組み替えられる柔軟性があっていいと思います。

復習

長期計画に必要不可欠なのは、過去の「まちづくりマスタープラン」や、「総合振興計画」の復習です。綿密に、市民参加で出来た過去の長期計画のなかで、何が出来て、何が出来なかったのか、しっかりと、正直に明示しなければなりません。この検証、振り返りがないと、市民も本質がわからず、討議にも参加できません。

今、町は「10年後、こうなったらいいな」というきわめてあいまいなテーマで市民を巻き込もうとしています。

10数年前、宮代町は、10年後の人口3万9000人というフレームを打ち立てていました。それが、なぜ、現実で人口が減っているのかさえ、答えを出していません。

過去の「長期計画」で、合併が最前線、最大目標に挙がっていなかったのに、10年経った今、町が寂れているのは合併出来なかったから、道路が出来なかったから、と結論付ける人がかなり多いのは、考えてみればおかしなことです。宮代町の「失われた10年」は、どこにも責任の所在が見えません。長期計画があり、最高責任者の長が提案して、議会が議決したのに、「あいつが悪かった」「あの団体が悪かった」と、失政を〈人為的ミス〉にしてしまうのは、おそろしく間違っています。

過去の(振り返り)=〈復習〉から問題を抽出した「討議課題」のしぼりこみがまず必要でしょう。議会提出-議決までのタイムスケジュールがしっかり決まっているのでしょうか。基本構想ができるのはいつか。基本計画が出来上がるのはいつか。成果物として、コンサル会社は何を提出できますか?

先日出来上がった〈東洋大学PPP研究チーム〉の報告書は、言い換えれば「白書」の役目にもなる徒思います。


nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。