吉川市の図書館(指定管理者)-② [指定管理者制度]

1月24日(月)

「市の管理」とどう違ったか

吉川市の図書館(指定管理者)の報告を続けます。

[明るくきれいに、を目標にタイル磨きから始めました]と館長(TRC社員)は言う。自洗機を設置する、目に付いた汚れを取る。管理運営については「本を速く提供しよう」「うちでは出版から1週間で読めます」「本屋の強みを活かします」という。

貸す本と貸さない本

リクエストの多い本は、それなりに数をそろえます。これはどこも同じですが、9冊貸し出し用を購入したら、1冊貸さない本を購入し、館内に置きます。住民は図書館に来て、読める日もある。「1Q84」、「KAGERO」は、ぼろぼろです。館内でたくさんの人が本を手にしました。

図書館のホームページとブログ

ホームページはもちろんできるだけ発信していますが、「on time」イベントの報告の情報はブログでやっています、という。ちょっとした努力なのに「人手が足りないので、出来ればやりたくない」【官】と違い、そこはフットワークがいい。

しかし、登録している人だけへの発信にすぎない。この課題に真摯に向き合い、「図書館便り」は年6回だったのを12回にし、子ども映画会は年1回だったのが年3回になった。情報提供にチラシを作り、市の広報にはさみました。

レイアウトを変えた

それから図書の展示場所を、1ヶ所から3ヶ所に増やしました。その他にもたくさんの「配慮」「改善」がありました。

経費は11.6%削減

削減効果で、「指定管理者」制度を諮ってはいけない。利用者(市民)からは当然の論理。だけど、削減もひとつの目標に違いない。吉川市は11%以上の削減効果を出し、利用者の減少を食い止め、蔵書数を増やしています。

じゃー、人件費は?

指定管理者に移行するのは、人件費を削減できるから、というのが定説になっています。たしかに年収800万円の職員を張りつけるより安くやれるのは、当たり前。

吉川市は、直営だった時、正職員11人プラス時給800円の臨時職員で管理運営していました。TRCになって、館長他の社員、パートスタッフ総勢38人で運営しています。

人件費削減で、従業員は安い給料で働かせられるのか、安直な官製ワーキングプアにつながるではないか。だけど、そう言う訳でもない。吉川市の場合、臨時職員の時給800円でしたが、「TRC」スタッフは850円から。やる気のある人は、順次昇給していきます。今、時給920円を目指しています、といっていました。(TRCが、司書の資格者と同じように重きを置いているのが、パソコン技能、ノウハウの蓄積、ネットワーク処理の活用です。)

「官」で働くパート、オフィスサポーター、臨時職員は、いつまでたっても時給は変わりません。やる気があっても適性があっても変わらないのです。一方、「民」は、適性があれば、やる気があれば、昇給していきます。

帰り道、「そうなんだよねー、正職員はどんなことがあっても毎年昇給するけど、臨時職員の給料は変わらないということだよね」とメンバーが言っていました。何気ない言葉なのに、一瞬沈黙。

結局、行政はアウトソースという新たな方法が出来たから、どんどんこれに移行していこうとしているだけ。で、視察研修すると、指定管理者と行政がセットで出てきて、「こんなに良くなりました」と声をそろえて言うのですが、「民」に脱帽したりしているのはなんか変。

公共施設というのは、住民が使って(活用して)ナンボの施設。どこの施設を指定管理にするかは住民に決める権利があるんじゃーないの。


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