芝生の校庭・・鳥取方式 [教育]

12月13日(月)

「転んでも痛くないよ」

土曜日の朝(だったか・・)、6時少し前、テレビをつけたら「発見 人間力!」という番組が始まろうとしていました。

「転んでも痛くない校庭」があったらいい、ある少年の思いから芝生の校庭の紹介でした。

子どもの視察

和歌山県田辺市の、不登校を経験したある少年が、「転んでも痛くない、芝生の校庭があったらいいのに」と、2008年に芝生化した鳥取県近野小学校を視察しました。

近野小学校は、後に「鳥取方式」と呼ばれるやり方で校庭を芝生にしました。「鳥取方式」というのは、初期投資がいらない、維持管理に地域の人たちが主体で取り組むやり方で、費用があまりかからないというのが特徴です。ヒントは「地域力」。

二ール・スミスさん(NPOグリーンスポーツ)との出会い

近野小学校は、NPOグリーンスポーツの二ール・スミスさんが、提唱し、地域の人たちが取り組んだ「手作りの芝生校庭」があります。

「鳥取方式」

梅雨の季節を利用し、高価な高麗芝ではない安価で丈夫な芝を植えます。梅雨が終わる頃には青々とした芝生校庭が出現します。その後は、裸足でみんなが踏み潰すから芝刈りなどの管理は必要ありません。夏、水やりは地域の大人と子供たちが一緒に作業します。

これを率先したのがニール・スミスさんでした。ニールさんの国ニュージーランドの学校はみんな芝生です。だから子ども達が転んだり、ジャンプしたり、じゃれあったりできるそうです。みんなで植えて、みんなで管理する「鳥取方式」の芝生校庭です。

1校あたり20万円の維持管理費

学校の芝生化は、初期のコスト+維持管理費が高いということで、なかなか実現しません。自治体の試算は、1校あたり700万円とそろばんをはじいています。しかし、鳥取方式は、地域の元気作りとこどもの基礎体力つくりのコラボ、お金がかかりません。費用は20万円ほどだったそうです。

全国に広がる

この方式で、全国43都府県、140ヶ所の学校が「鳥取方式」の校庭に変わりました。

芝生の校庭は温暖化を防止し、地球に優しい、というのはよく言われることですが、もっと「いいこと」は、転ぶのを怖がらない子どもを作るということです。馬乗りでつぶれてもだいじょうぶ、鬼ごっこも全力で走れる、ジャンプしてボールが取れる・・。画面では幼稚園児が裸足の足全体でボールをキックしているのが映っていました。

子ども社会の崩壊が心配されています。しかし、芝生化で明らかに子どもの集団化が戻っているそうです。

また、偏平足の子どもの増加が言われて久しいですが、確実な改善が見られるそうです。偏平足になるのは、地面が痛い、転ぶのが怖い、ということで無意識に足全体で土を踏めない、足指が浮いている状態だからなんだそうです。芝生だと思い切り足で踏ん張れ、三脚機能が鍛えられます。これで、土踏まずが出来、偏平足が改善されるそうです。土の校庭だと68%の児童しか「土踏まず」が出来ないそうですが、芝生で、83%、5歳児だと、なんと93%に「土踏まず」が形成されるそうです。

早い段階の「芝生広場」のほうが効果は大きく、体力を作ります。自分の子供時代を考えても、(小砂利の混じった)痛い校庭での裸足強要は、「痛い」「おそるおそる」状態なのは確かです。

「芝生化委員会」を作った少年

不登校を経験し、鳥取まで視察に行った和歌山県の少年は、クラスや地域の友達に声をかけ、「芝生化委員会」を立ち上げました。彼の学校の校庭は、改築予定地になっているそうで、芝生は植えられないといわれているそうです。改築予定地といっても、なぜ芝生を植えてはダメなのか、土のままではなぜOKなのか、少年には理解できません。子どもの「柔らか頭」では理解できませんよ、大人の机の上の論理なんて・・・。

「民・教・協」

調べてみたら、この番組「発見!人間力」は、(財)「民間放送教育協会」いわゆる「民教協」をスポンサーとした番組らしい。夢、地域力、生涯教育などを取り上げた内容を放送する。5月の「事業仕分け」では「無駄」と判定された税金で運営される(財)法人だ。

かつては「テレビ寺子屋」というのを見たことがる。あれは、チョット「道徳の押し付け」ッぽくていやだったけど、「発見!・・・」のほうは、「なーるほど」のヒントがもらえる番組だと思っている。

無駄と判定された理由は、NHKでも同じようなことをやっている、民間放送に公金を出さなくても、など幾つかあった。何でも打ち切れば財源になるというのでもなかろう。結局財源なんてそうなかったし、もともと「人のふんどし(実は自民党の若手が始めた)で相撲をとった「事業仕分け」だったので、判定も素人の域を出ない。必要な分まで切ろうとする。

マニフェストがごちゃごちゃになってしまっている「子ども手当て」の中から、いい番組に少し財源を分けてもいいような気がする。まぁ、ここに群がる人件費が問題なんでしょうが・・。

小学校の仕分け人

先日、レンホウ議員が、ある小学校の<事業仕分け>に行ったのが放映された。子ども仕分け人は、そろって「子ども手当て」を必要ない、と判定した。「なんでそうなのかな、よーく考えてみよう」と高飛車にでたレンホウ先生は、子ども判定人の前で自説、党の方針を展開し、とうとう最後には子ども判定人すべてを「子ども手当て=維持」に変えてしまった。

大人気ない。自説に賛成しない人をやり込めるのは、気持ちのいいモノではない。まして、柔らか頭の小学生を論破してどうするの! レンホウさん。


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