テレビは戦争を伝えているか [日常]

体験者はPTSD

早朝のテレビ番組で、「テレビは戦争を伝えているか」という内容を放映していました。終戦記念日が近づくと、各テレビ局は、ドラマやドキュメンタリーものを制作し、「戦争」を語り継ぐ。メディアの使命であることは間違いない。

しかし、テレビの努力もなんのその、若者のインタビューでは、「戦争ものはグロイからみたくない」「ドキュメンタリーは、興味ない。知名度の高い俳優が出るならいいけど」というあっけらかんとした反応もありました。

アンケートの数字は、テレビは戦争を十分に伝えているかの問いに、●十分 6% ●まぁまぁ 21% ●伝え切れてない 65% ●どちらともいえない 8%という結果でした。

多種多様なライフスタイルのある中、伝え方の難しさはあるでしょう。家族が伝えることが少なくなった今、一番ポピュラーな媒介としてテレビは、ずっとずっと使命を果たしていってほしいです。

今、体験を語りだした人もいる。

そんな中、この番組で「PTSD」(心的外傷後ストレス障害)に触れていた。沈黙していた方々は、戦争を語らなかったのではない。語れなかった。体験者のなかには、今で言う「PTSD」だった人もいた。あまりのショックで語れなかった人が。

巨大な沈黙

戦後65年、戦争体験者の「巨大な沈黙」があった。巨大なストレスから開放されなかった。つらいことを記憶から抹消して生きるしかなかったからと、解説者が言っていた。出演者(名前がわからない)は、「よくしゃべらずに、これまで生きてきた」、「しゃべらなかった人が、余命少なくなった今、話しだし、結果、心が開放されてくる事もあるのだ」と言っていた。

兵士の精神状態

多摩市民「九条の会」が、<戦争体験を考える>のなかで、PTSDについての記述をしています。

・・日本では阪神・淡路大震災のあとに一般に知られるようになりましたが、精神的なショックが生んだ心の傷によって、その傷を生んだ出来事から1ヶ月以上たっても続くストレス障害のことを言う。

もともとは、ベトナム戦争に赴いた米国の帰還兵の多くが精神障害に悩まされ、社会問題化し、公式につけられた診断名です。

ベトナムでの地獄絵のような戦いが兵士にショックを与えましたが、しかし大量のPTSD患者が出たことのはもう一つ要因があります。ベトナムでは、米兵はゲリラ戦に悩まされ、そして住民を巻き込んだ戦争を続ける中で、多くの米兵が世界中で唱えられたベトナム反戦運動の主張は間違っていないという確信に至りました。(アメリカの攻撃に大儀がないことを) そこで生まれる罪の意識がトラウマを強め、兵士のストレスを強めます。

PTSDを引き起こすような強烈なショックは、普通一人の人間に負うことのできるものではありません。

「理解してもらえない」、「話せば責任を追求される」と思って、彼らが戦場の記憶を自分の中に閉じ込めることはストレスを強めることになります。周囲が彼らの罪悪感の原因である戦争の体験に耳を傾け、対話の中で、一兵卒という存在は侵略戦争のすべてを負う必要がなく一兵卒の責任の程度を見定める手伝いが必要なのです。それには、戦争を体験した仲間、精神科医、家族をはじめとする社会的なサポートがカギとなります。

跡を受け継ぐ世代は、戦争を知る機会があったほうがいい。「戦争」は、グローバルに世の中を知る最初の機会(一歩)だ。戦争は、背景に経済、政治、人間の行動などいろんなものを含んでいる、とコメンテーター。その通りだと思います。

だけど、「戦争はグロイから見たくない」という人にどうやって伝えたらいいのか・・・。(戦争はグロイに決まっている) 

教育の中で、もっと早い時期に?「歴史」で? 拒否反応があるのに無理やりは出来ない。小2の頃みせた「はだしのゲン」の映画が、うちの子の柔らかい心には恐ろしすぎたように・・。


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