ペルーの友人、ヘルパーの仕事 [活動]

久しぶりの声

今日、久しぶりに、ペルー人のVさんに電話しました。宮代町から越谷市に移ってもう6年くらいになるかもしれません。お正月に年賀状をいただいておきながら、そのままになっていました。そのうち、電話で「無沙汰」を謝ろうと思っていましたが、急に用事が出来ました。彼女の甥に11月開催の「異文化講座」の講師をお願いすることになり、都合を聞くことにしました。

Vさんの甥は、多分30代前半だと思われます。その彼が筑波大大学院時代に書いたペルーに関する論文は、気候に始まって、通用語、民族の種類、食べ物、気質、日本との関係など多岐に渡り、とても完成度の高いものでした。もう7、8年前にもらったデータはどこかにしまい忘れたんですが、いずれ「異文化講座」に使えるとずっと思っていました。この論文は、どこかの雑誌に掲載されたと思います。

電話で依頼してみましたが、講師の件は、残念ながらダメでした。Vさんの優秀な甥っ子は、今名古屋在住だそうで、講座のために来てくれる距離ではありません。「国際交流」に断りの報告をしなければなりません。

ところで、久しぶりなので、近況をききました。Vさん(日系3世です。16年位前に日本に来ました。日本名すよ子さん。親戚も一緒に日本に来ています) 今、ヘルパーの仕事がとても忙しいそうです。認知症の人、身体が不自由の人など、お年寄りの介護に一生懸命頑張っています。今日も日曜日なのに午前中、午後3時からといくつか仕事を入れていました。

久しぶりの話し相手なので、とめどなく近況報告が続きます。お国柄なのか、この人のキャラなのか、しゃべり出すと止まりません。でも、えらいナァー、とうとう介護の仕事をモノにしちゃったネ。

最初、Vさんは、建設会社の宿舎の食事作りの仕事をしていました。町内の建設業者の、です。ところが不況で作業員が減り、料理番を置かなくなりました。一緒に住んでいた親族はバラバラに住み、それぞれが仕事を探すことになりました。この頃彼女は大きな手術をしました。

「ヘルパーなら仕事があるかも」

手術をして1年、もう60歳に手が届きそうな彼女から「どんな仕事をしたらいいか」と相談を受けたとき、「資格をとっておくと有利だよ。介護ヘルパーの資格を取って働くといいよ。これから有望な仕事だと思うよ」とアドバイスしたのです。本当に期待して、というとそうではありませんでした。でも、彼女は資格取得に向けて本当に一生懸命な努力を始めました。

勉強熱心な彼女ですから、独特のイントネーションながらほとんどの日常会話は出来ますし、簡単な漢字をまじえた文章も書きます。一発で受かった「資格」試験ですが、今度は仕事が来ません。スペイン語なまりの日本語でしゃべる外国の人に、好んで仕事を頼むお年よりは少なかった。

「数少ない仕事をこなしていけばいいじゃない。Sさん(姪)も働いていることだし、・・」と、(本当はもう年齢も年齢だからそんなに働けないかも、というのをぐっとこらえて)励ましていました。その後、わたしの方がいろいろありまして、越谷市在住の彼女と連絡が薄くなっていました。

今日、久しぶりに話したら、どうでしょう!うれしいことにたくさんの介護依頼を受けて「お休みの日がないくらい」頑張っているというのです。すべてはVさんの努力と、少女のような純粋な心が成し得た「うれしい忙しさ」なのです。

「わたし、ニコニコ笑っています。認知症の人は最初黙っていますが、だんだん心を開いてくれます」という。さもあろう、あの人の飾らない人柄と、根っからのやさしさなら。

そして、月に2回は、ボランテァにも行っているそうな・・。編み物のボランテァで、視覚障害を持った方が素晴らしい色のニット作品を作るのだという。「感性かな」と私。網目に鈎針をいれるのも指先がおぼえているから間違わないのだと、「いろんな障害を持っていても、趣味に頑張っている人がいる」と、次々に報告がでてくる。

この不景気、何を好んで外国の人を指名してくる人があろうか、と心配しながら勝手に「半分リタイア」しているだろうとあきらめていた、私の予想は一気に覆された。いつも前向きで、いつも笑っていられる、ホント強い人です。見習わなくちゃ・・・。「下を向いている」わたしは、反対に元気をもらうことになっちゃった。


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