1ダム建設より、河川改修費の充実を [国-地方]

6月2日(火)

緑の政策フォーラム in TOKYO 5/29

「ダムによらない治水・利水」分科会

緑の政策フォーラムに参加してきました。終日⇒夜までのスケジュールだったのですが、私は時間がとれず、午後の部だけ参加してきました。ほかにも関心ある分科会がありましたが、限られた時間なので、現場を見てきたばかりの「ダム問題」に入りました。

治水計画の見直しを

利根川の場合、治水計画は見直されていません。この計画のよると、今後もダムを作り続けなければ完結しない利根川治水となっています。八ッ場ダムが、仮に着工されても、既設ダムと合わせて1600㎥/秒の調節量ですから、残り3900㎥/秒を調節する新規ダム群(10基以上)が必要となります。

河川整備計画の目標流量を、観測流量に沿った数字にすれば、八ッ場ダムは明らかに不要と考えられるのに。

1・ダム事業優先の治水計画を、河道整備優先の治水計画に

実は、河川改修費は、急減しているのだそうです。ダム建設費は、時間の経過とともに上昇しているのにです。ダムは、大きな洪水に対して治水機能はなくなります。大きな洪水には河道整備を急ぐべきです。堤防の漏水は、決壊への危険性につながります。H13年には台風15号で、加須市、栗橋町で、かなり堤防が傷みました。スーパー堤防などという大掛かりのものでなく、強化をすることが必要なんだそうです。

こういった考え方は、当然治水を管轄する国交省も熟知しているはずで、ダム建設の見直しもされてきました。115のダム建設計画が凍結されたのです。しかし、まだ、国交省の計画ダム143、農水省のダム13のダム建設事業が、依然として進められています。

2・素人考えの大事

利根川のダム建設計画に、「第3者委員会」はありません。有識者会議だけです。しろうとの「そもそも要るの?」「費用便益比を正しく計算するべき」といった当たり前の意見こそ、今不可欠です。

行政判断と政治判断

今まですでに6000億円かけている、期間の経過を換算すると利息も含めて9000億円かかったことになる、といわれます。計画を遂行する国交省の行政判断は間違ってないでしょう。しかし、費用対効果、そもそも必要か論を再検討する政治判断は、いつでもどこでも求められます。

利水でも無駄が

一方、利水でも需要が減っています。東京都では、200万トン水余っています。利水の管轄は、国(国交省)ではなく、流域の都・県です。節水意識、環境意識を啓発しながら、今もダム建設を呼びかける知事、県議会などの必要論拠が定まっていません。

ダム湖で観光の嘘

黒四ダムのような観光スポットになると、観光地効果はありますが、これはむしろマレです。夏は水量が下がり、水はよどんでいるのが貯留されることになります。

計画上に出ていたリゾート開発も幻想です。反対に、渓谷美が失われます。八ッ場ダムの場合、吾妻渓谷の貴重な生物が消滅するおそれもあります。

代替地に問題

代替地は、今も造成中です。工事用トラックが行き来して公共工事は絶え間がありませんが、24年経っても未完成です。人口が張り付きません。(それは先週見てきました)。世帯数も、人口も減少しています。高齢化の進む中、地元では生活できません。

7割建設済みの嘘

本体工事は着工されません。今まで使われた費用は、立ち退き、代替地、とり付け道路などまわりの補償だけです。

このほか、大阪淀川のダム、香川県のダム問題など、多くの「地域発問題」が報告されました。

鳥取県の例

ダム建設を中止したら、その後生活が立ち行かない、そういう地元に、国は振興策を講じなければならないと思います。鳥取県で、先例があります。片山知事時代、水没から再生へ、計画を変更したことも参考にしなければならないと思います。


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