「図書館の対応は改善されているのに」と、読者が [指定管理者制度]

5月30日(日)

読んだ人の反応が・・・心配

3日前、「視点」の読者で、私の理解者でもある方から電話をいただきました。「会報『視点176号』を読んだけど、図書館の記事に危惧を抱いた。読んだ人がどう思うか…」と心配しての電話でした。

図書館はよくやっている…

危惧の1点目は、本のリクエストに応えてないような表現であるが、図書館は十分応えている。2点目は、このような<図書館評価を書くこと>で加納さんにマイナスイメージが生じないか。 3点目は、”?”と疑問符で終わる箇所は、不案内であった、図書館に問いあわせてから書くべきだったんじゃないか、ということでした。

その説明として、本のリクエストには適切に応えている、それは(図書館に近い立場の自分は)業務を把握しているのでわかる。リクエストに可能な限り対応するべく副本を多く購入してしまうと、人気本の特徴として、その後需要がなくなるのも速い。したがって、適切な購入数というものがある。

次に職員を含む図書館スタッフの対応は以前より良くなっているし、努力も見える。(私もそう思います)加納の会報の影響で、図書館に対してマイナスイメージを抱く人がいるのではないか。 また、図書館業務をあまり評価してないような記事をのせた加納に対しても、マイナスに感じる人がいる。(自分を含めて、加納さんを応援しているだけに、心配だ)と。

3点目。「・・・ではないでしょうか?」という文章表現に「図書館職員も、『こちらに聞いてくれればいいんですが、それはなかった』」と言っている、と。 

おっしゃりたいことは、すく理解できました。たしかに会報の文章はザツですし、もっといい表現はあったように思います。早い時期にご指摘を受ければ「そのとおりだな」と、直していたかもしれません。 ご配慮は100%伝わりました。

でも、私は言葉少なかった

でも、私は「んー」とか「はい」とか言っているだけで、言葉が出てこなかった。「これはこういうわけです」と言い訳することも、「おっしゃる通りです」と共感することも出来たのに、気の効いた言葉が出てこず、ほとんど聞くだけ、相槌を打つだけでした。不器用に対応したわけです。

相手の方は、(加納さんのことを思って一生懸命言っているのに、なんで伝わらないのだろう?」と、最初は、つらい思いにおちいってしまわれたようでした。

この方は、図書館機能、特に幼児図書についての研究、造詣が深く、現在も運営(協議会など)にも深く関わっている方です。手を抜かない目配り、気配りに、私は常々「こういう方々がいるから安心だ」と思っています。

それをわかっているだけに、私はあえて<手を取り合う>距離にいないほうが…、と思ったんだと思います。それが、電話の前半の「寡黙」になったんです。

考えてみてください。2年前、図書館のビジョンも、協議会からの提言も得ないで、行政主導で「指定管理者導入」議案が出てきたとき、その準備不足ぶりに、議会は否決しました。それから、担当課は、協議会を再開し、遅ればせながら、図書館のあるべき姿を描く「図書館ビジョン」を策定しました。先進地の視察もしました。

その結果、「あるべき姿」に参加した住民の方々、図書館スタッフは、ますます図書館への思いを強くし、窓口対応なども改善してきたということです。たくさんの人たちが、その自負をもっていらっしゃいます。

もう「指定管理者」導入への階段を98%登った

行政側は、準備不足を認めたものの、指定管理者制度への移行そのものの見直しはハナから計画になかったわけで、施行に向けて、タイムスケジュールを着実に刻んでいます。3月議会で「条例」が可決しました。あとは、8月業者の選考を経て、9月議会で議決、来年4月から施行にと、作業を98%終えています。

住民参加型行政は、あくまで行政の土俵

5月24日、明治大学で行われた、2010公共経営交流サロンで、基調講演をつとめた重徳和彦氏(内閣府行政刷新会議事務局参事官)が、いみじくもおっしゃっていました。   「住民参加型行政は、あくまで行政の土俵の上でしかない」

熱い思いの「協議会」では、「あるべき姿」の論議が真剣に交わされましたが、「指定管理者制度」についてはここでは論議しないでください、という立場であったということを軽視できません。

あるべき姿を出した、その延長線上が「指定管理者制度」導入なんですよ、という行政結論に、「図書館運営協議会」「利用者アンケート」は役割を確実に演じたわけです。(「制度導入」の論議をさけて、です)

その方が言っていた。「わたしは、図書館に対して思い入れが他の人より深いというのは認めます。そういう立場だから加納さんの表現が、心配になりました」 と。

 ここです。つまり行政が認め、頼りにした有識者、文化人の方々のあつい思いを、行政は、指定管理者導入に向けて<論議を重ねた>既成事実に位置付けた。

考えてみてください。あつく「図書館にたいする哲学」「ビジョン」を語った協議会等の論議、利用者アンケート、などの住民参加と、図書館「経営」を語る行政とが、違う論議をしながら目標に向けて結果として<手をたずさえた>という作業分担を。

一方、最高議決機関である議会は、手順は踏んだという報告と、「削減効果」「サービスの向上」という大儀に対して、最後の審判をしようとしています。まことに流動的な削減(数字)と、「はたらく人がいきいきしてきた」「雰囲気がよくなった」という先進地事例の報告を受けて。(「雰囲気が・・・」なんて、公共施設として当たり前のことが、直営では出来なかったということのほうが問題なのですよ。)

「ここまで来たからには(賛成しなくちゃ)なー」と、本末転倒な「議会の本懐」を言っている人もあるらしい。

協議会、図書館スタッフ、住民アンケートというアイテムが、どれほど住民意識を反映しているか、私にはわかりません。

わからないから、私は、「図書館の哲学、あるべき姿」を追求する住民代表の方々と、一生懸命の現場職員、スタッフの、心情的に一体化したあつい思いから距離を置く、ことにこだわります。

 熱い思いがあればあるほど、行政側のシンパになる、一体化をしていく、という危惧は、さけられないと思うから。これが住民参加のおちいる弱点です。

お電話くださった方を尊敬するから、あえて言葉少なに、しどろもどろになっていたのでしょう。加納への配慮、図書館(のために適切な表現をしてほしい)思いに、ダメな私は、あえて理解力を落とし、スムーズな受け答えを避けた…。

住民に担わされる「役割」

それにしても、水道料金の問題にはふれないでくださいと、念を押された「水道ビジョン策定委員会」、指定管理者制度は論議しないでください、と、牽制された「図書館協議会」 この担わされた「役割」に、「チョット待って」と石を投じる気持ちは、私だけでしょうか。あらためて言いますが、私は指定管理者制度そのものに反対しているのではありません。

※ 文章表現については、「会報「視点」6月号で、もっと適切な表現、お詫びを入れることを、その方と約束しました。「悪く思われることは気にしてない」という私に、あくまでイメージダウンを心配する、その方のお気持ちに感謝して、応えるために。


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