JMAC「2010行政経営実践セミナー」 [活動]

5月14日(金)JMAC

9割が行政関係者

2010JMAC「行政経営実践セミナー」が、5月14日、品川「コクヨホール」で開催されました。ちょっとびっくりしたのが、品川の東口の変わり方。昔からホテル、学校などで「垢抜けていた」西側に遅れていた東側、つまり湾岸に近いほうに、新たな拠点ができていることでした。「コクヨホール」もその一つ。

350人収容のホールはほぼ満席。9割が全国から集まった行政関係者、1割に議員、識見者、市民といった感じでした。しかも、女性は見渡したところ、15人ほどではなかったか、と思います。

横道にそれますが、遠くからやってきた議員のかたまりは、すぐわかります。「ガラガラ」=キャリーバッグを持った年輩の集団、つまり「視察ルック」というような雰囲気が漂います。しかも、前日泊なので、後半には疲れている感じも…。

一方、行政サイドの参加者は、徐々に若い行政マンの参加が増えてきています。このごろの特徴です。企業では、圧倒的に若手の研修が多いのですから。愛知県豊田市の報告が、企画課の主査だったことでもうかがわれる様に、主査級が多く来ていました。当然、「視察ルック」ではありません。

「行政評価」という言葉にアレルギー

潤沢な財政下で、思うように展開できた執行。それまで、豊田市役所には、行政評価など必要ありませんでした。しかし、大幅な税収減への対応が、それも緊急に求められる事態になったわけです。

当時の新聞には「法人市民税96.3%の減!」、「豊田市で何が起きたのか!」の文字が躍ります。財政規模は、バブルのずっと前、40年前の水準にまで戻るという事態です。

財政フレームの崩壊

一般会計の3分の1強の約616億円がいきなり吹っ飛んだのです。「総合計画」まで見直しを余儀なくされました。残り4ヵ年で、約1000億円不足する見込みの前には、計画初年度で、「総合計画」が崩壊したわけです。

財政企画課の主査の報告

報告に立った産業労政課(前・総合企画部企画課)の主査は、「豊田城下町にあって、経営感覚が不足していました。潤沢な財政下にあったら、危機意識は醸成されるはずがなかったのです。」「しかも、行政評価なんて言葉そのものにアレルギー反応だった」と、言いました。

す早い時期から作業に着手しなければならないのにうろうろ、施策の展開を明示にも、慣れていない、すぐにも手をつけなければならない「実践計画事業の見直し」の立ち上がりが遅い、職員研修、所管部局での評価にも後ろ向き、と最初はないないずくしだったといいます。やらされ感の中では、すべてそういうものでしょう。7月にようやく端緒についたそうです。

逆算のタイムスケジュール

そこで22年度予算編成に着手する日時を、10月2日とし、ここから逆算し、精力的な作業が流れ出しました。それまで、見直しもかけなかった(重たい作業工程)を簡素化しました。情報の<見える化>で、優先順位をつけました。こうやって、潤沢な企業城下町の優良自治体が、再生に取り組み始めました。アレルギーは、それまで必要なかったことの「やらされ感」から生じる消極意識からのものだったわけです。

そういう意味では、圧倒的な危機感の中では、急速に「意識改革」が進むものだということがわかります。

350人の中に、「地方政治改革ネット」のメンバー(吉川市議、取手市議)を見つけました。「熊本市の報告、良かったですね」「ええ、地方都市と思っていたのに、垢抜けた取り組みがあるんですね」と、話題にするのも新鮮だった。

2人とも、企業の社員だった経験があるので、意気が上がる思いになったのでは。吉川市議のこの男性は、とにかく「柔らか頭」で、現場重視。介護ヘルパーの研修も受け、資格を取りました。市民派無所属は「現場」しかない、といっても過言ではないと思っています。

JMACは、民間のシンクタンク、会議ファシリテーターなのですが、こういった業種が、行政とあいまって「目からうろこ」の作業をしていくのも、行政の選択肢の一つであろうかと思います。その業種、その業種で、考え方はもちろん、手順、話し方までマニュアルが出来てしまうものですから。

事実、「井の中」にいると、「らしい」話し方で、悦に入ってまとめにかかっているのに気がつかないものです。人心のつかみ方に特にその傾向が現れます。(持ち上げたり、同情を買ったり、、)おもしろいですねー。


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