不敬なことですが [日常]

12月15日(日)

斎場の素朴な疑問ー残骨灰の処理

先日も書いたが、私はこのたび、空席になった「利根斎場組合」議会議員を拝命しました。役をお引き受けしたからには、一生懸命勉強し、できればこれまで踏み込めなかった分野にも関心を持ってみようと思っています。

斎場を視察

まず、先日はある自治会の会長、生活環境部長と一緒に、「メモリアルトネ」の施設を視察させていただきました。「メモリアルトネ」には加須市から派遣された職員(事務局長など)3人とプロパー職員が1人います。

それから、肝心の火葬炉、斎場の業務は委託業務となっていて、専門職に近い委託業者が全部の業務をやっています。(火葬炉、斎場、全館の清掃、庭の管理など)。専門的な仕事が多いので、随契だそうです。

私たち3人の視察団は、会議室で大まかな説明を受け、(その日も朝から火葬炉、葬儀の作業が変わりなく営まれていましたが)、ご遺族たちがいる場所を避けながら、施設を見せていただきました。

私は、現場を見せていただいたことですごく勉強になったことがありました。

いっしょに行った某自治会の生活環境部長さんは「こういうところを見せていただけるのはめったにないから、いやー、勉強になりました」とおっしゃっていました。何を思ったのか、この生活環境部長さん、お数珠を持っていらした。「不敬なことにならないように」・・・。

「メモリアルトネ」では、お別れ所、収骨所がしめやかな中進行するよう、同じ火葬炉を1日に2回稼働させることはありません。丁寧な対応をしていると思います。また、動物の火葬を受けていますが、この取り扱いも心がこもっていたと、利用した人の評判です。

私はお仕事に支障がないように、「友引」の日に視察したいと申し込みました。が、その日は職員、従業員の休日なんだそうで、(よ~く考えると、そうですよね)予約受付の職員一人だけの出勤だそうです。「友引以外、全稼働していますから、いつでも大丈夫ですよ」と局長が言ってくださったので、先週の月曜日の視察となったわけです。お忙しい中、本当にありがとうございました。

ところで、残骨灰のことですが・・

実は、あることを質問しようと思っています。火葬炉の残骨灰のことです。

火葬に付したご遺体は1時間ちょっとの時間の後、収骨となる。大事なお骨は、そっくりご遺族と対面するわけだけど、棺、副葬品などの灰は出ます。

この残骨灰は業者がまとめて(恐れ多いことですが)処理するわけですが、実は棺の中にはいろいろなものが入れられる。ペースメーカーが爆発事故を起こしたことは知られていますが、人形の粘土が台にくっついたり、こういった副葬品が火葬炉をいためて耐久度を弱めたりもあるそうです。

その中で、これまではタブーと言われている(ご遺体と一緒に火葬される)金属について、踏み込んだ内容も新聞などが取り上げています。

名古屋市の斎場では1千万円にのぼった

メモリアルトネなどほとんどの斎場で、「残骨灰」は、(霊灰庫で保管し、まとまったところで)ほどで業者に引き取ってもらっています。年間委託料4万円余。随契の場合もありますし、入札で業者が決まることもあります。

タブーな話題でしょうか

ここ4、5年の間に、この処理費用・行先に踏み込んだ質問が全国的には出てきました。

引き取ってもらった後のことは、ご遺族の心情に配慮して斎場はノータッチというところも多いです。しかし、斎場でノータッチでも、業者のほうでは埋め立てなど何らかの処理はするわけですから、その先の踏み込んだ話題をお許しください。

収骨をされた後の遺灰には、歯の治療や人工骨などで使われた金、銀、パラジウムなどの貴金属が含まれます。

貴金属は売却が可能です。ある斎場では競争入札で1円で落札した業者がいたそうです。処理には相応の費用が掛かりますが、おそらく貴金属の売却で賄えると踏んだのでしょう。

名古屋市の例を挙げますと、46基の火葬炉が年間稼働しますが、残骨灰の年間処理量約60キロ、年間委託料金は72万円ほどになります。しかし、残灰と有価物を分離して処理し、有価物を売却すると、H20年度実績で、1525万円の売却益が出たということです。

※ちなみに、利根斎場(メモリアルトネ、久喜、加須、宮代町、幸手など対象人口36万人)、埼葛斎場(春日部、蓮田、杉戸、白岡など、対象人口40万人)は、ともに8基の火葬炉がフル稼働しています。

朝日新聞が東京都と政令指定都市などを調べたところ、都と名古屋市が分離処理をしていると答えたそうで、他はさまざまな考え方を示しました。東京都(の一部)は、貴金属、硬貨、残灰に分けて、2007年度は金700グラム、銀1700グラム、パラジウム500グラムを回収、320万円の収益を上げ、パラジウムは医療でリサイクルされました。

何を不敬なこと言ってんだ、と叱られそうです。すみません。しかし、処理業者が持って行ったとしても、分離して埋め立て処理などをするわけで、(処理費用を払って)引き取ってもらって目の前から遠ざけるかどうかの問題です。

北九州市では、「人体を換金するのは不遜、不敬。まかりならぬ」と、市民から反対の声が上がり、売却が表面化した1991年度以降、売却をやめました。市の要綱で「残灰は、ご遺体の延長で、敬虔(けいけん)に処理する」と定めているそうです。

また、神戸市では、「財産権もからむので、売却しない」と、処理業者に任せているそうです。

さて、どう考えるか・・。これこそ個人の事情、価値観の差が大きくでそうです。


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