視察・南会津町 [議会]

7月31日(水)

職員は60kmの道のりを

視察2日目の今日は、南会津町にて、視察研修。南会津町は、H20年3月20日に、1町4村(田島町、舘岩村、伊南村、南郷村)が合併してできた町で、なんと面積が886.52平方kmという広さの町です。

人口は16,951人で、議長さんの説明では、ここ10年で3,000人減少しているという。大変な減少率です。

95%が山林で、落葉樹の山々は秋の紅葉のころさぞ見事だろうと思います。(およそ40年前、私はこの国道を通って日光方面に出たことがあります。本当に見事な紅葉でした。あのころと変わってないのが不思議。高速道路の利用で裏街道には人工的な改良が遅れたのが幸運) 街道・清流沿いに集落があり、盆地の田島町に役場などの公共施設、人口が集まっているようでした。隣には秘境・桧枝岐村があります。

ちなみに、南会津町、只見町、桧枝岐村などで構成する南会津郡の面積は、神奈川県と同じなんだそうな・・・。

夏は朝夕涼しくていいのですが、冬は日本海型に属し、西側の地域は豪雪地帯となるそうです。

学校の統廃合

昨年、新しい中学校ができたとのこと。(人口が減っているのになぜ?)と思い質問すると「いやー、統廃合ですよ。」

「じゃー、学校から遠いところから通う生徒もいるんですか」「はい、かなり遠距離の生徒もいます。もとの学校の名前がなくなるのも複雑だと思います。」

「職員で、遠い人は60kmを毎日通っている人もいます」 これは大変でしょう。≪すわ、鎌倉≫という時に駆けつけるのに時間がかかる。

もとの村役場は総合支所になっているとはいえ、ここにはそう職員は残れません。本庁の田島町に通うという環境になった人は、特に冬場の通勤に同情します。

小さな盆地の町に大きな文化ホール

私たち視察団がお邪魔して話を聞いたのは、10年前にこの会津田島町にできた立派な公共施設。御蔵入(おくらいり)交流館といい、超豪華な(800席)文化ホール、図書館、中央公民館、教育委員会、保健センターを擁する複合施設です。

中でも800席の文化ホールは、ヒナにはまれな(失礼)豪華にして高機能なホールです。

研修のあと、案内していただきました。会議室側から入ると、いきなり5つの楽屋があります。畳、四方ガラス張りの10畳ほどの部屋が5つ並んでいて、まるで都内の豪華劇場かホールの様です。

楽屋横から舞台裏に。まず、舞台の広さに圧倒されます。何かの公演に合わせて大道具さんたちがセットを作っていました。高い天井を見ると、緞帳(どんちょう)、垂れ幕などもたくさんあります。音響抜群、絨毯張りの客席、椅子とも豪華です。

「どうしてこのような豪華なホールができたんですか?」と聞く議員団に、先方の議員は「〇〇議員のお骨折りで」と。居合わせた〇〇議員は、芸術方面に造詣が深く、この山間の町に高尚な中央文化を持ってこようと、議会や町(合併前の田島町)に働きかけたのでしょう。

下世話な私の頭はすぐ費用がちらつく。さっそく、その議員に「いくらかかったんですか」〇〇議員「いやーそれはちょっと・・」

それは担当職員の説明で、だいたいわかりました。職員「ここは、建物だけで28億円くらいかかっています」それを聞いた数人は、「なかの豪華な設備を見たら設備にも・・・億円以上はかかっていそうだね」と話しました。

ここ数年の間には、歌舞伎の有名な役者たちも来て公演したとか、この鄙(ヒナ)なる山間が文化の薫り高い場所になり、遠くからも観客が集まってきたのだという。チケットはすぐ売れきれたそうです。

また、このホールには、日本に3台しかない歴史的に有名な(素晴らしい音色の)ピアノもあるそうで、この日はピアノ室に収まっていて、拝見できませんでした。このピアノのコンサートのときは、外国からこのピアノの奏者にふさわしいアーティスト(名前を聞きましたが、すいません、覚えきれなかったです)を招きコンサートを開催したそうです。この時も東京など遠くから聴衆がつめかけたのだとか・・。

また、下世話な私は「そのピアノ、相当高価ですか」と聞いた。造詣の深い〇〇議員は笑って答えなかった。

担当職員に聞いた。「このホール、稼働率はどのくらいですか?」「3割ちょっとです。維持管理費は年間8,000万円くらい。でも少ないです。△△は数億円と聞いていますから」 

「建設費は合併特例債を充てたんですか」と聞く当方の質問に、担当職員「過疎債ですね」 ああ、過疎債ですか。関東平野に位置する自治体は(過疎)の自治体などに交付される「過疎債」なるものを利用できないから実情はわからない。しかし、人口16,000人余の町は、過疎債のうち実質何割負担していくのだろう。

しかも、ここ10年で3,000人の人口減少。文化の高い街で≪町おこし≫はうらやましい。しかし、10年後、20年後の集客の見通し、傷んでくる施設の修繕といったところで、厳しい状況が待っているのでは、と思いました。

「議会だより」の編集委員会の研修だったのに、いきなり複合施設の話題になってしまいました。長くなりますので、研修の中身は別途お伝えします。


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