原発事故の確率、1000万年に1回? [原発]

7月5日(木)

現実離れの責任保険

電力会社が原発で重大な事故が起きた場合を考えてかけている民間損保責任保険は、ありえない確率で割り出した保険料でした。

7月4日の東京新聞1面トップの記事に唖然としました。

新聞によると、原発1基当たりの年間保険料は、平均約5,700万円。上限額は1,200億円。このことから、重大事故の発生確率は、約2,100年に1回とみなしていることがわかりました。

一方、国に報告している発生率は、非常用冷却装置、非常用電源などの機器が同時に故障する確率の計算では、それぞれの機器が使えなくなる率を掛け算していく方式なので、確率はどんどん低くなる。その結果、1000万年に1回という確率になり、人類の祖先誕生から現在までの年数よりはるかに長い期間に1回しか起こらないという数字になりました。

この計算で行くと、たった12,000円の年間保険料で、1,200億円(上限額)の保険金額をもらえることになる、と東京新聞はいっている。そんな、ばかな!

現実には、同時にすべての機器が壊れている。世界のどこかの原発で、重大な事故が起こり、手に負えないので、作業員がすべて撤退ということになったら、何千億、いや兆、京といった数字、その前に人類が絶滅の危機に瀕する。そうなったら保険金どころじゃないから、という事にもなるが、現実離れした数字に、結局原発事故は、誰にも責任は取れないということが想像できる。

政府保険は1,200億円

原発保険は、民間保険を組み合わせた「日本原子力保険プール」というのが受け持ちます。が、これは運転ミスなど人為ミスにかける保険。

もう一つ、津波や地震など自然災害による事故は、政府による「政府保険」が引き受けているそうです。今回の東日本大震災は「政府保険」が適用され、政府は1,200億円を「東電」に支払ったそうです。新聞からは、この年間保険料がいくらだったかはわからない。

「政府保険」が適用されたのは東日本大震災の原発事故が、初めてのケース。「日本原子力保険プール」が適用されたのは、1999年に起きた東海村JCO臨界事故だけで、このときの保険額が10億円だったそうです。

折りしも、国会「事故調査委員会」は「明らかに人災」と

今日、国会・「福島原発事故調査委員会」は、報告を出し、「福島原発事故は明らかに人災」と厳しく批判しました。最大の原因は、政府と「東電」の危機管理の甘さと指摘し、黒川清委員は、「事故はまだ終わっていない」と結んでいます。論旨に賛同します。

しかし、こうなるとますますこれまで適用されなかった「日本原子力保険プール」の現実離れした《事故の起こる確率の計算式》、というより宇宙映画のような現実離れがむなしい。


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