【病院乗っ取り】古河市発

12月7日（火）

医療法人「茨城県愛心会・古河病院」

「愛心会・古河病院」が、「有印私文書偽造」で訴えられた件で、今日の午後、古河市議会で質問があるそうです。つまり、巨大組織「徳洲会」が古河病院を乗っ取ったということなんですが、週刊誌などで取り上げられているこの件の実態はどうなのか。「議会傍聴にいかないか」と誘われた私は、同行させていただくことにしました。

午後一番で質問が始まるというので、12時に集合出発だそうです。週刊誌は一方の取材なので予断はいけないと思いますので、ここではまだお知らせできません。

帰ってきたら、地方の病院で起きている「乗っ取り？」の実態を少しお伝えできるかもしれません。

古河市議会

大型バスで、議会傍聴に行くというのは、県議会などではあるらしいのですが、私はバスでツアーのように繰り出すというのは初めてです。昼食時ということもあり、車内でお茶と軽食が出て、なんだか遠足気分でした。（すみません）

告発を行った当事者が、自分が所属する議会で質問するというのですが、議会で質問するにはなじまない事柄をなぜ一般質問するのか・・・。

合併後、（新）古河市は庁舎を総和町におき、それぞれ総合支所機能を、旧古河市、旧三和町におきました。議会は立派な議場が旧古河市役所内にあります。私たちは、大型バスだったのですが、この日は、他に小型バスが3台来ていたということです。

真相（？）

医療法人「茨城県愛心会・古河病院」の前身は、医療法人「みつなみ会・三和記念病院」でした。所在地も合併前「三和町」と呼ばれた町にありました。

　時系列に・・・ある町議会議員が私財を投げ出し、医療過疎の三和町に100床もある総合病院「三和記念病院」を作ったのは1990年でした。

しかし、創設者は、医師でないため理事長にならず、常任理事として「三和記念病院」経営に参加しました。その他、このかた（N氏）は、特養老人ホームなど数箇所の経営も行っていました。

その後、知り合いの弁護士を顧問にするのですが、この弁護士が、「徳洲会」の顧問弁護士でして、「三和記念病院」の顧問弁護士もかねることになり、次第に徳洲会の段取りにはまっていったのだそうです。（うかつというには気の毒なのですが・・・）

年間売り上げの3％を「徳洲会」に上納する。そうすれば医師も看護婦も徳洲会から派遣され、創立者はまかせていられる。という条件で当時の徳田虎雄理事長にも会い、幾つかの合意書も交わされました。

創立者は、2007年になるまで、「三和記念病院」の理事長が徳田寅雄氏の息子「徳田哲氏」になっているのを知らなかった。理事長交代は、2005年に創立者に無断で行われていたというのです。理事会会議録まで偽造され、創立者の知らないところで署名捺印され、登記が済んでいたという。

信じられない話ですが、本当らしい。創立者の知らないところで「徳洲会」の理事長になった徳田哲氏は、次に病院の法人名変更手続きをする。これで自動的に土地建物は、変更された法人名義となり、「徳洲会」に譲渡される仕組みだそうです。

2007年、「みつなみ会・三和病院」は、名義変更で「医療法人茨城愛心会・古河病院」になり、「徳洲会」傘下の病院として、病院施設をそっくり現在の古河市の中心部に移します。

ついで、三和町の病院施設は「三和記念クリニック」に降格させられました。しかも、「三和記念クリニック」は、2009年、閉鎖を余儀なくされ、現在は廃屋になっているそうです。

こうして「徳洲会」は、資本を投入することなく経営権、顧客（患者）を手中に収めることに成功した、というのです。

古河市議会では、創立者である市議が、古河市に対して、医療法人「愛心会・古河病院」にどのような医療指定をして、支援を行っているか、という切り口で質問をしていました。

しかし、本来、医療機関の指定は、県の管轄であり古河市には関係ないこと、しかも「民」対「民」の問題に古河市は関係ない、ということで議会質問にはなじまなかったことは明白です。まぁ、質問者は、「こういうことが起こっている」という事実を知ってもらいたいということが第一の目的であり、ケーブルテレビで各家庭で見られる仕組みで訴えたのだという。しかも、傍聴席には入りきれないほどの傍聴者がいるということも。

お気の毒ですが、この問題は【司法】の手にゆだねるほかない。しかも、乗っ取りは成功してしまった。

誘われて、バスに乗って行って来ました。この創立者が宮代町に2ヶ所も高齢者介護施設を持っている人なので、こちらからも応援団を結成したかったということなのでしょう。私は（お付き合い）で同行し、実態(の一部）を垣間見たわけですが、世の中にはとんでもない出来事が起こるんだなー、と思った議会傍聴でした。

結果しか知りませんから、そのまま見聞きしたことだけかきました。経緯はかなり省略した情報だけです。御了承ください。