春日部の「財政白書」に150人 [活動]
やっぱり興味あるのかな
昨日、春日部市で開かれた市民グループによる「春日部市の財政白書」報告会には、150人が集まりました。やっぱり、昨今の自治体財政、興味あるのかな。 県の財政企画部、市町村課、国の総務省発表のデータを集めて、分析するこのやり方は、2年前の中間報告からずっと継続して実施されています。
市民グループも、これだけ続くと、もう慣れてきたところもあってか、楽しんでおられました。遠く本庄市、所沢市などからも関心ある市民が(新聞で知って)集まりました。
現状は
ふところ事情、台所事情は、いろいろな要素から分析されるべきだし、単純に「家庭のお財布」みたいに割り切れません。だから、よその街の財政を「ダメだ」とか「いい」とか言えません。したがって言いません。
この市民の、市民のための、市民による「財政分析」のなかでは、春日部市の現状は、(1)財政活力指数は、県内40市中39位、(2)財政耐久度は県内40市中39位、(3)財政健全度は県内40市中40位と発表しました。
なぜ、そうなったか
財政白書は、言います。なぜ、このような財政状況に陥ったか。①バブル期には、全国的な傾向ですが、建設事業に多額の支出を続けてきました。事業費は国の補助金を活用し、残りは地方債を発行しました。②バブル崩壊後は、市税収入が減少したにもかかわらず、歳出総額は年々増加していきました。その増加分が地方債によるもので、借入額が増加していった。③合併後の新市の財政運営は、新市建設計画に沿って、種々の行財政改革に向けて努力したが、それまでに累積された借金残高の重さがゆとりの無い状況を招いている、と。
もちろん、メリットも
もちろん、財政認識はそうでしょうが、大きな自治体なるが故のメリットもあるでしょう。大きい街にはバブル期に作られたインフラがあります。ビルの街並みを町村は作ろうといっても作れません。
これから普通建設費に割かれる予算は、どこの自治体でもほんの少しです。春日部市では、すでに整備されているインフラがあり、財産でもあると、私などは思います。 しかし、膨れる一方の福祉、社会保障に対応する力、将来負担に耐え得る体力はどうか、きちんと把握しなければならないでしょう。
バブル期の後遺症
たしかに春日部市は、率の低い借金、国からの補助金、交付金を得る能力に長けていたと思います。あの宝くじの元締め「市町村振興協会」からの借入金が群を抜いて県内ダントツ1位だったのは、この低率の借金を毎年のように利用したからです。こういった借り入れ上手は、実はメリットかもしれない、、、いえ、バブルの後遺症から完治してないともいえます。
やりくり上手は、一般家庭においても絶対必要なスキルでしょう。
地域振興基金という借金
32億7000万円を積み立てるために、毎年10億円の借金をする春日部市の政策
あなたは32億円の貯金を作るために毎年10億円借金をしますか。3月議会で審議されたものに、こんなのがあったそうです。<基金>を作るための借金です。こんなことは家計では考えられませんけど。
春日部市は、H18年度予算で、「財政調整基金」が86万円しか計上できませんでした。
「財政調整基金」は、「いざというとき」のため、本来なら600億円の一般会計予算の(春日部市なら)3%程度=18億円は、持っていないと、いけないと言われています。つまり、今回の議案は、それが無いから、あらたな借金をして、財政調整基金に代わるものを作りりましょうというもの。
「いいんだよ、あとで、国が7割補填してくれるんだから」
「なぜ、あらたな借金をしてまで基金を増やすのか。借り入れた利息の方が積み立てた利息より大きいのに」の質問が、たったひとりありました。他に質問も無く(反対1?)で可決されました。なぜ質問がないか、この「地域振興基金」は、後で国が補填してくれる借金だったからです。金の無い国が7割も補填するという。もちろん、原資には国民の税金が当てられるわけですが。議員も首長も「にやにや」しているだけ。質問する人はヤボ(?)だなーと。
なんとも、私などが他市のやり方に口をはさむ問題ではありません。しかし、交付金、補助金などに目ざとい春日部市政が、今日を招いたのもうなずけるし、春日部という「寄らば大樹」としての貫禄に「ないものねだり」をする自治体があるのもうなずけるのです。
同感するか、反感を持つかは、それぞれの立場、ポリシー、家業などにもよりますから特に意見はありません。単純に「財政白書」を読み込むだけです。
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