高速道路無料化路線と、要らない道路 [国-地方]
無料化路線37ヵ所
無料化される37路線が発表されました。この近くでは中央道の大月ー須走、箱根新道などだからそれほどの恩恵は無いでしょう。それにしても、箇所付けはどうやって決まったのかな。
第2のアクアライン「湾口道路」計画
東京湾をまたぐ「アクアライン」の功罪はいろいろいわれているところです。無駄な道路の代表格とも言われる東京湾横断道路です。 総事業費は、利息を含み、1兆4400億円だったそうです。
昨年から利用料金が800円になって、交通量はたしかに増加しましたが、完全に千葉県側の町は寂れてしまうのではないかとも言われています。莫大な費用を投じて作って、料金を大幅に下げた場合、どこで元を取るのかを論じないで、県知事のパフォーマンスで実施してしまった...。
このプロジェクトは、一日の交通量を33000台と予測していました。(計画の上がった当時は10万台を予測)、しかし、開通1年後1998年の交通量は10500台、通行料金を2001年に25%下げても10300台。 その後はジリ貧でした。
そこで、昨年当選した千葉県知事森田健作さんが、800円化を実施し、再び交通量が増加しました。しかし、こうなると、費用対効果はメチャクチャになります。度外視です。 800円のお客は「うみほたる」までいって帰るだけではないでしょうか。千葉県からは、通りやすくなった道路を通って神奈川県に人は移動します。
当初、この計画では、神奈川県から千葉県木更津市に10万人が移住し、毎日橋を渡って神奈川県に通勤する、という笑いたくなるようなシナリオがつくられたのだそうです。バブルの頃は、そういったSF映画のような構想がまかり通りそうですが・・。現実は千葉県の町に地盤沈下を起こしただけでした。
「東京湾口道路」
現在、アクアラインの惨状を無視して、あらたな計画が進行中です。東京湾の出口の方に(横須賀市から浦賀水道を横断して千葉県富津市にいたる)2番目の海峡道路が、計画されています。アクアラインの失敗を無視し、そのアクアラインと、通行客を奪い合うような、巨大プロジェクトはなぜ、進められようとしているのでしょう。
最近買った新書「道路整備事業の大罪」は、具体的な数字に裏付けられたものだけに、大変興味深く、刺激的なものでした。
こういう計画を推進するために、必ずその「効果」を挙げます。「東京湾口道路建設」の効果は5つ挙げられています。「交通利便性の向上」「交通環境の向上」「交通圏域の拡大」「安心の拡大」「あらたな観光資源の現出」だそうです。
例えば「安心の拡大」では、「緊急手術をしなくてはならない急患にも、湾口道路を通って、神奈川県の高度な医療機関まで行くのに移動時間が短くてすみ、、また、地震、津波などの災害が起こったとき、他の地域からの救助や援助活動がしやすくなる」という効果をうたっています。
しかし、富津市にも横須賀市にも高度医療機関は無く、横浜市までは遠い、東京湾の入り口の道路なのです。そもそもこの道路ができることによって利便性が高くなる人口自体が多くないのです。 地震や津波の時の救助というが、そういう時、この橋事態が通行禁止になるのです(全部トンネルなら大丈夫かもしれません) そのほかの「効果」もいかにナンセンスな、根拠のないものか筆者のペンは、実に明確!
最大のデメリットは、ライバルがアクアラインということ
どう考えたって問題なのが、もとを取れないで四苦八苦しているアクアラインと、客を取り合う結果、どちらも沈没することではないでしょうか。
いやー、この本を読むと、日本の地方は、どうしてこうも道路、道路と騒ぐのかと、あらためてため息をつくような実態が明らかになり、胸騒ぎに変わります。
コメント 0