ホームレスと暮らす犬猫 [日常]

つかの間の憩い?

わが家の猫は、みんなハイリスクであります。というのも、この猫たちは、弱っているのを、私や家族が拾ってきたアウトローな猫達だったから。

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そのなかでも、この白猫(名前はクモ)は、生命の危機から生還後も、かなりの病気を乗り越えています。

クモを拾う直前、わが家にはソラ(やっぱり白猫)がいましたが、突然いなくなりました。「ねこを探しています!」チラシを撒きましたが、それらしい猫は出てきません。                                               そのうちに、沖の山の方から「もしかしたら、おたくの猫では」という電話がありました。「沖の山?? どんなに走ってもいける距離ではないな」と思いながらも、連絡を下さった家に行きました。                                  見た瞬間、「ちがう」と思いました。尻尾の形が違います。が、がりがりにやせた姿と、拾ってもらいたいあまりに擦り寄ってくる猫のいじらしさに、「うちの猫です」と、引き取ってきました。

雪の残る道を歩いたのか、凍傷を負った足、それに、何と!よくよく見るとわき腹に穴が空いている。おそらく、大きな猫にやられて、縁の下などで傷がいえるまで1週間くらいじっとしていたんでしょう。 (外は雪が降っていました)                            恐るべき生命力。猫はかなり野生が残っている動物だと思います。体力を消耗しない限り、1週間くらいは飲まず食わずで潜んでいられるのでしょう。動物は、命を永らえる術と、種を保全する術は、本能的に持っているのでしょうね。

病気ばかりの9年間

拾ったのは、2001年、1月のことでした。                           うちに来てからは、どんどん回復して元気な猫になりました。が、捨てられてノラ猫になったころ、引っかかれた傷などから病原菌をもらってしまったのか、4、5年経った頃から持病が出てきました。

 免疫力がないので、歯周病から、すぐ口の中が腫れて、ものが食べられないほど痛みます。こうなると、注射しか直す方法がなく、免疫が切れて痛くなると、お医者に連れて行く、ということの繰り返しがもう4年以上になります。               注射は3週間くらいしか持ちません。                           歯の周りが腫れ、飛び上がって痛がります。お医者の用意をしていると、おびえた目をします。本人?のストレスはどんなに高くなるでしょう。

そのクモは、先日(25日入院、26日退院)、歯を抜いてきて、今は歯周病から解放されています。歯を抜くのはこれで2回目、残った歯はもう余りありません。しかし、うずくまって痛みに耐えているのと比べれば、どんなにほっとする風景でしょう。  つかの間の幸せな空間・・・。

一番生命が危ぶまれたのは、車にぶつかったのか、内臓が横隔膜を破り、体全体に飛び散ってしまった時。だけど、これも大手術のはてに助かった! 人間じゃおそらくダメでしょう。伊藤先生、ありがとう。

ペットショップで、売っている無菌のブランド猫と違って、我が家の猫は、最初からハイリスクです。人間は我慢しても、猫たちの医療費は何とか工面しなければなりません。 みんな家族ですから。                              小さな生き物達に、落ち込んだり、傷ついたりした心を癒してもらっています。

ホームレスと暮らす犬猫のケアをする獣医師

29日の朝日新聞の”ひと”欄(2面)に、温かい記事が載りました。          所属しているの「議員政策情報センター」のメンバー(岡山市議A氏)から、昨日の朝、メーリングリストに「知り合いの獣医師中野真紀子さんのことが載っている」と配信がありました。          -以下抜粋して紹介しますー

-前略- ビニールシートの切れ目から三毛猫が顔を出す。手にえさと薬を抱え、具合の悪そうな犬猫を体を触りながら診察していく。往診専門の動物病院の院長。              東京の隅田川、荒川、大阪の公園など、ホームレスの人たちが飼う犬猫を無償で治療している。                           「動物と暮らすのに、貧富の差も、格差社会もない」という。

たくさんの子犬や子猫が捨てられる。野宿者たちはそんな子猫を引き取り、自らの食事を抜いてえさ代を工面する。                              自治体の担当者に「ペットは贅沢品。生活保護では飼えない」といわれ、やむなく路上生活を続けている人もいる。

中野さんは、19歳の時、医大を受験した。そこで犬の絶叫を聞いた。        試験の後に駆けつけると併設の動物実験施設(人間の医療のための)だった。  以来、安易な動物実験に反対する運動に加わり、31歳で獣医師に。            「ブランドの服を着た犬と、ゴミのように捨てられる犬。信じがたい不公平。命の選別など誰にも出来ないのに」 -朝日新聞-

みんな同じ生命なのに

ほっとした記事でした。本当に、寒さに震えている猫も、ストーブの前で背伸びする猫も同じ生命を持っているのに、といつも思います。                  みんな拾ってあったかい部屋に入れてあげたい。  だけど、どうやっても無理。 もう、子猫を拾うのも「年齢的に限度だね」と、近所の猫好き仲間と話し合うことがしばしばです。15年も生きるようになった飼い猫より自分が先に逝ってしまうかもしれない。それはそれで無責任...。


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