八ッ場(やんば)ダム建設に関する、2つの意見書 [議会]

埼玉県議会だより NO.119

昨日、新聞折込された、「埼玉県議会だより」に目を通してみました。1面は半分フォトコンテストの写真、下段は、可決された主な議案の紹介。そうです、「埼玉県議会だより」には可決された議案のみ掲載されていて、否決されたものは載らないのです。だから、このほかどんな議案(意見書案や、請願など)が出て、どんな審議、議論があって否決にいたったのかが県民にはまったくわからないのです.                   実は、「八ッ場ダム建設」に関する意見書は、2つ出ていたのですが。

「八ッ場ダム」建設に関しては、相反する2つの意見書

八ッ場ダムの建設推進を求める」意見書のほうは、可決されました。          「埼玉県議会だより」には、4面にいっぱいに、「八ッ場ダム」についての特集が組まれ、「八ッ場ダムとは?」の説明から、意見書の趣旨、推進議員による主な質疑応答が載せられています。質問・答弁から、いかにこのダムが必要であるかが、治水、利水、今後の対応の各分野別に紹介されています。

「推進議員」一般質問15名のうち、12名が入れ替わり立ち代り質問

【治水関係】     (Q)ダムの必要性と治水効果を問う (A)八ッ場ダムは、利根川上流域の既存ダムと比べても、最大の洪水調節容量を有しており、本県を利根川の決壊から守る上で、必要不可欠である。 (Q)利根川が決壊した時の被害額は、どれくらい想定されるか (A)200年に一度の大雨による洪水によって堤防が決壊した時の被害額は、本県だけでも1ヶ所の決壊で17兆円と想定 (Q)ダムに寄らない本県の利根川の堤防を守る対策はどのような手立てが残されているのか (A)千葉県から群馬県までの利根川240キロの区間の拡張、掘削を行うことになる。しかし、用地買収による家屋移転や橋梁の改修を伴い、事実上不可能。

【利水関係】  (Q)現在、(県水は)ダムの完成を見込んで暫定水利権でしのいでいるが、これからもやっていけるのか (A)県営水道の3割を占める暫定水利権は、渇水時に厳しい制限がかかる。その割合が高い本県は取水制限で大きな影響を受ける。(Q)前原国土交通大臣は、暫定水利権を確保する考え。安定する利権は確保できるか (A)従来の考えでは、ダム完成なしでは水利権を得られるとは想定できない (Q)ダムの建設が中止された場合、地盤沈下への影響は (A)暫定水利権を地下水に依存した場合、相当量の地盤沈下が起こる可能性が高い。

【今後の対応】 として、県は、八ッ場ダムと同等以上の利水、治水効果があと6年で得られ、事業に関する費用が八ッ場ダムより少なく、地元の住民に納得してもらえる代替案が前提条件である、と答弁しています。

この「埼玉県議会だより」だけだと、まず、「建設中止を求める」意見書が出ていることさえわかりません。反対の理由には、節水意識の高まり、給水人口の減少、建設経費の増大から各県の負担増、周辺のあらたな地盤調査の必要性などがあげられているところです。

国の政権は、マニフェストに添い、すでに中止を打ち出しているのに、埼玉県議会は、全会一致で「推進している」様な印象さえ読者は持ってしまうのではないでしょうか。ましてや、反対派が、なぜ中止を求めているのか、なぜ、否決されたのかなんて詳しく知る術もありません。簡単に「どっちが正しい」と断言する立場に私はいませんが、関心を呼んでいる以上、審議の模様はこうかいすべきです。                    傍聴した人に聴くと、【中止を求める...】意見書の紹介議員の説明もままならなったと聞きますが。(職員が、ドアをノックした時、応答がなかったので、説明要望を紹介議員が受けられないと職員が判断した、という理由??)

2つの意見書の審議を載せるべき

やはり、反する趣旨で2通りの意見書が出ている場合、両方の意見書全文、審議過程を載せるべきでしょう。                                        そして、誰と誰が賛成して、誰と誰が反対したか議員それぞれの態度を載せるべきでしょう。

宮代町でも「県営水道」への依存度は、半分以上

ダム建設の件は、事業費を負担している県レベルのようには、市町村にとってあまり関心を呼びませんが、実は自治体にも関係があります。(治水ということでは、今、歴史資料館で「水害の歴史」を展示中です)                              宮代町でも、必要水量の50%以上を県水に頼っています。やはり、地盤沈下を心配するという理由があり、 少しずつ、県水への依存度が増えていったのですが...。    宮代水道の赤字の要因は、たんてきに言えば、人件費など必要経費より給水収入が少ないという理由ですので、単純に県営水道にたよっているからとはいえません。

 国策として始まった全国のダム建設事業、57年たったダム計画、その流れ(前提)の中での県計画、自治体計画ということはなかったのでしょうか。 

200年に一度来ると想定される大洪水への備えは、あらゆる分野からも研究されています。

11/10追記                                             読者の方から、コメントをいただきました。「批判ばかりじゃダメダメ。自宅に井戸でも掘ったらどうなの?」というものでした。批判ではなく、現状をお知らせするのが目的です。  伝わらなかったのは、言葉が足りなかったと反省しています。

ところで、コメントを下さる方で、こちらをいやな気分にさせるのが目的かと思われるような(いやな)文章を書き込む人がたまにいます。同人物かどうかは???です。         何か反論すると、「待ってました」とばかり、もっといやな記事を書くでしょうから、だまってそのままにしています。                                     が、実は目的は達していますよ。 その後、本当にへこみますから。           たったの1行でぐさっと刺す文章がうまい。さすがです。(年配の男性のような気がします)


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