マイナンバーないと職場から追われる [マイナンバー制度]

10月19日(月)

「職場から追放される」・・・マイナンバー

私のブログにいただいた、あるコメント。こういう現場もあるのだ、ということでご紹介します。

「突然のコメント、失礼します。現在、当方住所を持たず、日払いの仕事で生活をやりくりしているものですが、就業先の職場でもマイナンバーの提出を求められることになりました。住民票は住所不定のため当然なく、マイナンバーも付番されないため、マイナンバー自体提出できるわけがありません。現状職を失うことになりはしないかと恐々の日々を送っています。国民全員という名のもとに実質切り捨てられていくものもいるということを(ホームレスになったのは自己責任といわれてしまえば、それまでですが)知っていただきたく、コメントしました。」

生存することの困難さ

というものです。いろいろな事情があって住所を持たないという人はいます。この方も(例えば)マンガ喫茶などで寝泊まりし、そこでコメントを投稿してくださったのかもしれません。

「不正に生活保護などをもらっている人もいるんだから、そういうのをなくすのに、マイナンバー制度はアリだよ」などという(残念ながらそれが普通ですが)人たちがほとんどですが、働く意思があり、現状の収入でかろうじて生活している人を締め出すことにもなる〈国民総番号制度〉・・・。

コメントを寄せてくださった方が、また私のブログを見てくださるといいんですが。私は、今マイナンバーの問題点を挙げ、研究しているネットワークで活動中です。毎日何十というMLが集まる、そのMLに出したところ、情報管理の一人から以下のような意見が返ってきたので発信します。

ーー引用しながら途中抜粋ーー

「自治体職員の方から詳しいコメントがあることを期待します。が、とりあえず個人的な経験を。今は、「マイナンバー問題」以前の基本的人権の確保の問題として、現場主義的な対応として書きます。

数年間住民票を持たなかった知人に、住民票の回復をサイドから応援した時の経験ですが、住民票の回復は、とにかく現在住んでいるところの自治体の窓口に行けば、何とかなります。時間がかかる場合はありますが、何とかなるのです。

〇むろん、現に「住所不定」の人が住民票をつくれないのは、ひどく個人的であまりにも複雑な事情を抱え込んでいるからで、簡単に「住民票をつくればいい」といっているわけではありません。このケースもまた、そういう事情を抱えたものだったので、住民票を回復する手続きを本人が自分で行う気持ちになるまでに、とても長い時間が必要でした。

重要なことは、現在の「住所地」をはっきりと申請書に書くことです。

〇市町村から居住の実態について問い合わせがあると思われます。現在いる場所の市町村「居住の実態を証明」する人の協力が得られれば、住民票が作成できます。住民票をもっている第3者の協力が必要(これが意外と難しいのです)

〇逆に言えば、住民票さえ作れば、「個人番号カード」という国の身分証明書(!!)がつくれるので、このような方の身分証明にかかわる生存の困難は、ともかく緩和されます。

それが現在の日本の人権状況です。(でも、それだけの問題ではないのが、この方の「困難さ」なのだと思います。)

生存権と労働権

住民票がないために(マイナンバーが提出できず)働けなくなるん、という問題については、明らかに雇用者側の不当な行為なので、地域の個人加入の労働組合などに相談するのがいいと思います。(予備知識がなかったり、周りの労組でこういった相談に対応できない組合もあると思いますが)

※弁護士と連携できているユニオンもあります。

これは、生存権と労働権の問題ですから、「住所不定」であろうが権利がなくなることはないわけです。

〇この支援を受ける過程で、現場主義的な対応として住民票の回復を勧められ、「住所地」を申請するための協力が得られるということになる場合は少なくない、だろうと思います。くりかえしますが、それが現在の日本の人権状況です。

同じ「見えない人間(行政の制度から見えない人間)として社会から排除されている非正規滞在の外国人の場合なども、個人加入の地域労働組合(外国人を中心に構成されている労働組合もいくつもあります)や地域のNPOなどの支援が、現場で、生活を支え困難を緩和しているケースは少なくありません。

※10年くらいまえの尼崎でおきた、住民票コード通知の送付後の「大量の住民票削除」事件にみられたように、日雇い労働者などに対する行政の対応は、かなり厳しいのです。あの事件は「基本的人権」よりも「法の支配」を優先する現在の日本の政府と行政の基本的なあり方を、あからさまに示した事件だと思っています。--抜粋引用おわりーー

以上、長くなりましたが、≪法や制度から見えない=切り捨てられる≫人は、必ずいるということ。生存権をも脅かす、こういった事例はこれからたくさん出てくると思われます。

国の支配と管理が強まるということは、制度からはじき出された「社会から見えにくい人」をつくるということを世間に知らしめるという意味で、こういった事例を知りたい、また、できる応援があればしたい、と思いました。

もちろん、異論があるのを承知で、今日はブログ上に出しました。


nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
防災訓練女性非正規の育休 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。