災害ガレキに火災多発 [災害]
1月28日(土)
日工大・環境特別講演会
選挙の準備もおぼつかないのに、今日は午後3時から日工大・学友会館で行われた「環境特別講演会」に出かけました。昨年暮れに行われた講演会同様、国立環境研究所から講師を招いたもので、今回は資源循環・廃棄物研究センターの研究員で遠藤和人氏です。
今回も、S先生の「よかったらおいでください」メールに、喜んで呼応したものです。
独立法人・国立環境研究所は、環境省の付属機関みたいなもので、今、災害廃棄物処理の最先端を担っています。ネット上で、その言論が取りざたされることの多い「廃棄物処理安全検討委員会」の大迫政浩氏は、ここのセンター長であります。大迫論の賛否はいざ、研究員の報告は、up to date で非常に興味深い。
被災地で起こる廃棄物火災
震災の後入った自衛隊などの機敏な行動は、道らしい道も無くなった津波のあとの荒野に道路を復活させ、ガレキを高く積み上げました。
これらのガレキは、はじめ解体業者がやることはほとんどなかったそうです。分別されること無く1日1トンを目安に混合廃棄物として処理されましたが、その後再利用可能なガレキとそうでないガレキの分別が始まりました。解体され、機械分別されたガレキは仮置き場に積まれました。この中には吹き付けアスベストなども含まれています。
仮置き場292ヵ所
仮置き場は、1自治体で約13ヶ所、全体で292ヵ所、952haにもなるそうです。全体の70%が混合、残りの30%が分別されるのですが、まだそのうち26%は解体待ちだそうです。
火災の問題
復興資材に使いたい混合廃棄物には、想像以上に多量の土砂がついていました。それもほとんど濡れた状態、しかも海水由来の付着物があり、再利用にはかなりの無理があったそうです。そこで、各社で技術投入し、土砂を除去する作業をしたのですが、まだまだ時間がかかり、ガレキの山は高くなる。
これら一次仮置き場での大きな問題は、火災でした。宮城県で多く起こっています。すでに20件を超えています。高さ10mを超えると発熱し、無煙燃焼が起こります。鎮火するまで実に10日以上もかかるということです。鎮火に要する水は、1,200キロリットルもいるのだそうです。地中燃焼もあります。
火は見えないのですが、燃焼しています。10月21日から燃えた火災は11月11日まで22日間燃え続け、消火活動に要した消防職員はのべ432名、消防団は930名動員されたのだそうです。
火災のピークは10・11月
火災は夏の間というより、その2ヶ月後くらいに燃焼温度になるということで、秋に多発したそうです。ふつうの火災と違って、これからは下火になる傾向です。
とりまとめとして、高さは5m以下、面積は200㎡以下、山と山の間は2m以上離す、また、数週間に1度は堆積物を切りかえすなどする。ガスボンベ、ライター、灯油缶、バイクの燃料などや火花を散らす電池などを除去することで、火災に至るのを防ぐことができる。降雨が多い時期は、特に注意が必要。火災でアスベストが飛散する心配がある。
出口が無い
これらを粉砕して分別した再利用可能なものも出口が無い。フレコンバックで1立方mにまとめられたものが、6,000~7,000個も溜まっている状態なのだそうです。
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