大臣より妻子 [男女共同参画]

8月31日(月)

妻子が一番優位

昨日の東京新聞朝刊ー19面暮らし欄。ダイバーシティ・コンサルタントの渥美由喜(なおき)氏のコーナーにいたく共感した。

「5年前、厚生労働省がイクメンを増やすためにイクメンプロジェクトを始めた(そのメンバーになった)。担当者から『大臣と一緒に記念会見に出てください』と言われた。私は『その日の夕方は子どもの保育園のお迎えがあります。今から妻に代わってもらうのは無理です』と断った。

担当者は『東大の先生や有名コンサルタント、NPO法人、みんな出ます。大臣と同席ですよ。欠席するのは渥美さんだけ』と言った。カチンときて『それだけスターがそろっていたら僕なんか必要ない。子どもには僕が必要。妻を怒らせるほうがイヤなんです』と答えた。

 その数年前、大臣が『少子化対策に詳しい人と夕食を一緒にしたい』とのことで、秘書から依頼があった時も断った。赤ん坊が生まれたばかりで忙しかったからだ。秘書から『奥様とお子さんに何かあったのですか』と聞かれ「ピンピンしています」。駅前のスーパーの割引が始まりそうなので「失礼します」と電話を切った。

 一方、大臣に感謝したこともあった。ある審議会で事務局から座長内定の連絡があった。その後、大臣から『座長には別の先生を』と横やりが入った。事務局は恐縮していたが『座長になると発言できなくなるので、喋りたがりの僕としてはラッキーです』

大臣より妻や子の方が大切。人には向いたポジションがある」

 少々簡略化しましたが、以上のような内容です。共感しました。≪大臣と一緒ですよ、素晴らしい名誉でしょ?≫というのは、お上の言いそうなこと。みんなそれで「ハハー!、ありがたき」と恐れ入ると思っているフシがある。「それが何?」と思う人もいるのに無関心。

〝大臣と一緒の写真なんて千載一遇のチャンスですよ。お迎えなんて誰かに頼めばいい。そんなことで文句言う妻なんてろくなもんじゃない。” お上はそう言いたいようだ。確かに参加メンバーの99%くらいは恐れ入る出来事のようです。

しかし、極めて少数ではありますが、「はっ、それが何か?」と思う人もいる。渥美さんの価値観もそうらしい。かっこいい。〈ダイバーシティ〉とはそういうことだ。多様な価値観を持った人が多様な考えを尊重し、受け入れられることが大事なのです。

 どうも政治家やお上(行政)は、有名人や大学教授が大好きらしい。この人を中心に据えれば、計画は成功したようなものだ、と踏んでかかる。

予定通りに行かないから面白い

 約18年前、宮代町は「環境基本計画」を策定しようとしていた。策定委員会には、住民、環境グループ、有識者、専門家など約20人に声がかかり、私にも(消費者の立場)として声がかかり、出かけた。

 最初はご多分に漏れず、自己紹介や委員長決め。事務局の担当職員は「委員長を決めていただきます。(町内の大学の)〇〇先生はいかがでしょう」と。こういうものは、(多分ですよ)事前に大学の先生に内諾を得ていることが多い。

 この時、私ほか数人が、「宮代町のことをあまり知らない大学の先生より、この町に住んでいて、子どものころからのことを知っている人の方がいい。自分たちで決める」と言った。その結果、この町で育ち、この町の中学校で教鞭をとり、日々環境活動をやっている人が選ばれた。みんな納得した。

 もっとよかったのは、あらかじめ、内諾を取っていた(らしい)大学の教授も、心から「それがいい」と賛同したことだった。大学の先生は、座長より喋りやすい立場からいろいろに発言、協力してくださった。(この先生とは、今でも道で会うと、笑顔であいさつを交わす)

初回から、予定通りに行かない委員会は、事務局を受け持つ行政側を困らせることもあるが、結果としておもしろい員会になり得る、と思います。


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