今月から介護サービス負担増 [介護]

8月1日(土)

介護サービス・費用負担が上がる人

8月1日から介護保険の費用負担が引き上げられます。一定以上所得がある人は、介護サービスを利用した時、これまでの1割負担から2割負担になります。

負担が増えるのは、65歳以上で、年間の合計所得が160万円以上のひとで、合計所得というのは、収入から公的年金等控除額や給与所得控除額などを引いた金額のことです。

老齢年金受給者である65歳以上の人の公的年金控除額は最低でも120万円ですから160万円+120万円=280万円以上を得ている人は負担額引き上げの対象になります。(1割負担のままの人もいます)

厚生労働省の推計では、2割負担となるのは在宅サービス利用者の15%、特別養護老人ホーム入所者の5%くらいだとされています。

これは「福祉」的考えで、本来「保険」と名のつくものとは違う。

介護保健の学習会

私たち「地方政治改革ネット」のメンバーは、昨日(7/31)、越谷市民会館で、介護保健の学習会を実施しました。講師は、34年間所沢市役所の職員として勤務したあと退職し、現在、淑徳大学・コミュニテー政策学部の教授をしていらっしゃる鏡 諭さんです。介護保険制度には最初からかかわっていた人です。

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3年ごとの改正の根っこは財政

2000年に介護保健制度が始まって15年たちます。3年に1回保険料の改定が行われてきて、今1号被保険者(65歳以上の人)の保険料は、15年前の2倍になっています。また、介護サービスの給付内容もその都度変えられてきました。

ご承知のように、社会保障の主軸は、高齢者対策と少子化対策。2013年8月6日の社会保障国民会議の報告書の方向性は「高齢者対策の持続の可能性と子育て支援」でした。

持続可能な社会と、よく言われますが、これは≪財政的な持続性≫にほかならず、改正は給付の見直しにつながり、給付の見直しと負担(保険料)の強化が主なものと言い切ることができます。

この頃は特に所得のある人には、これまでより多くの負担を求める、給付の方は、自助、共助、公助、の中で高齢者を含めた各世代が社会参加することにより給付の縮減を図るという内容です。

ここで、鏡講師が言うには、「保険と言えど、内容は福祉政策に近づけている」。つまり、保険だったら、払っただけ自分に帰ってくる仕組みというのが本来の姿。しかし、現状「介護保険」制度は、持っている人がもっていない人を助ける「福祉」の形にかじを切っている、というのです。で、この流れはおそらく変わらないと・・。

この流れを受けて、2014年6月には、団塊世代が後期高齢者枠に入る2025年問題や将来の人口減社会を見据えた、医療・介護のありかたを見直す「地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための関係法律に関する法律」が成立しています。

この法律から言えることは、後期高齢者が今の2倍に膨らむ2015年までに、当然足りなくなる介護施設や病院から地域に受け持ってもらいたい、という、これも、もっともらしく文言を整えたが、その「根源」は財源なのです。

これは、在宅医療の充実と在宅介護の充実があり、「施設」から「地域」へ、「医療」から「介護」へが基本的な流れである、と。

年寄いじめするな、という声

よく聞く言葉に「年寄いじめするな」「結局、厄介者扱いしているじゃないか」という声があります。これまで払ってきた年金保険料や各種税金に見合った扱いをされていない、という不満や心細さがあるのでしょう。それと本当にごもっとも。だけど、それでも現実は、高齢者の社会保障関係には7割以上が割かれているわけで、(打ち出の小づち)がない以上、社会インフラ、つまり人的財産に頼らざるを得ないということは理解しなければならないのでしょう。

だって、2号被保険者(40~64歳の所得からいただく保険料)は、差っ引かれている介護保険料は、自分のための蓄積になっていないで、確実に自治体介護保険会計に吸い取られている、これが(はたして保険制度と言えるの?)という疑問になるものです。

自治体の裁量で

介護保険制度は、≪自治体の試金石≫と、発足当時から言われたものでした。保険料も自治体が決めて、どういう高齢者介護をするかも自治体の仕事、つまり自治体のお手並み拝見=試金石と言われたものです。しかし、そうはいってもこれまで味わったことの無い急速な高齢化に、自治体の裁量なんて言っていられなくなり、国のトップダウン政策に付き合わざるを得なかった、のが介護保険制度の実態なのだと、あらためて感じました。

少しでも自治体の特徴を

各地で始まっている「地域サロン」は、ある程度の見守り、安否確認、相互ボランテァなどの役目を果たしていると思う。これをもっと広げるのも一つの方策です。実施主体は大変なご苦労があると思いますが。

それから、特別養護老人ホームが介護保険適用施設でも待機者が多ければ、介護保険を払っていてもその恩恵を受け取れないわけで、だったら、自治体独自で、入りたい人を入れられる仕組みをつくらなければならない。介護認定4、とか5とかでなければ基本的に入所できないとなると、中には切実な問題として家族が壁に突き当たってしまう。

宮代町には、最近「サービス付き高齢者住宅」だできた。こういった介護保険と関係ない施設に、例えば(例えばです)町独自で助成措置をすれば、「特養」の代わりに受け入れ可能になることもある。

とにかく、10年後に後期高齢者人口が2倍になろうと、施設や病院を2倍に増やすわけにはいかないし、仮にほとんどの人が施設に入れたとしたら、利用者負担が1割から2割になろうと、残りの8-9割を税金で補完できるわけないから。


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今日から8月 [歳時記]

8月1日(土)

恒例(好例)のカレンダー

この頃、月が替わる時、楽しみにしているSさん作成のカレンダー。いつも複数の作品が送られてくるのですが、今月はコレをチョイス。文芸作品です。※Sさんは時々ちょっとエッチな楽しい水着作品なども発信しますが・・・(鈴木さんの真骨頂は、むしろこちらかも)

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