聴く耳をもたない [日常]

7月26日(日)

耳傾けぬ政治?

ここ数日、(耳傾けぬ)とか(ひとの話は聴かない)と言ったフレーズに出会う。

今朝の新聞には「耳傾けぬ政治家よ」という社説があった。歴代の首相で大平正芳氏、宮沢喜一氏は、比較的人の話を聞いた政治家だったそうな・・・。

反対に佐藤栄作元首相は、あの有名な「新聞記者は出ていってください! 偏向新聞は大嫌いだ。テレビカメラに話したい」で想像できるが、聞く耳を持たなかったと、政治部記者が言うのだそうだ。

政治家の一人や二人が聴く耳を持たないだろうが、一方的にしゃべろうが、たいして問題ではない。でも、一国の総理が聴く耳を持たないと、メディアはおろか国民はしんどい。ストレスがたまる。

今はどうか。国会の中は安保法制に賛成の議員が多い。(別に聞く耳を持たなくても)強行できる。

でも、外はどうか。国会周辺には反対の声が渦巻いている。聞こうと思えば、耳を傾けて対話することもできる。でも、それをやっていたら会期中成立が危ぶまれる。やってもマイナスにしかならない。だからここはあえてやらない。あとはタイミングだけ?

新聞は最後にこう言っている。「国会よ、国民に耳傾けよ」信頼できる政治を国民は求めている。国民の声を聴くのは政治本来の仕事であるべきです。と。

母さんたちは「人の話を聞いてないんだね」

人の話に耳を傾けないのは、何も国会だけのことではない。人が集まるところで花を咲かせる世間話だって、実はどれも一方通行のような気がする。人の話を聞いているようで、実はいつ(自分の〝とっておきの話”を)わりこませようかと、時には相づちを打ちながらも、タイミングをはかっている(様な気がする。)

自分が中心になって、やや受けしているときは、気が付かないけど、自分が聞き役になっているときには、愛想笑いをして聞き流さなければならない。(その意見、違うんだけどなー)と思っていても、あえて口をはさまない方がいい。そのほうが、自分の番が来たときうまく割り込める。なぁーんてね。

昨日、ある人が「うちの娘が言うのよ。お母さんたちは人の話を聞いていないんだねっていうのよ。」

ハハハハ、このお嬢さんは割り込むすきを狙っていないから、それぞれの女性たちの様子をウオッチングしたのだ。女性たちは、それぞれ話を聞いているようで、半分はやり過ごしているのだと。そしていよいよ自分の番が来たら、いかにして完結編までしゃべりきるか・・。お喋りの時間は限られている。この楽しいひと時を無駄にしてはいけない。という生活に根を張った女性たちの時間活用術が駆使される。その結果、娘さんに「お母さんたちは人の話を聞いていないんだね」と言わしめる。

私は、そんな無駄話はしません、なんて言っていません。私も聞いてほしい話はある。うまく間歇の時を見計らって話ができればする。が、その前に(ここは、出番がないな)と、すぐあきらめるというだけだ。

多分、家の中で思う存分お喋りできないから、こういう時に本領発揮となるのかもしれない。わかる、わかる。愛すべき女性たちなんだ。

さらに上を行く機関銃トーク

ところで、こういった女性たちを黙らせてしまうおじさんは、その上を行く。時局を話させたらエンドレス。

「私は、ちょっと違う意見です」なんて口をはさむすきがない。ホントに息を継ぐ1秒も無駄がないもんで、割り込みは無理。聞く耳を持たなくてもなんでも、居合わせた女性は、この機関銃トークの時局に付き合うしかない女性たち。

女性同士なら、「え~っ、ちがうよー」とか「わたしはね、わたしはね」と割り込みもできようものを、相手の機関銃トークについて行けないから、割り込みをすっかりあきらめる。

しかも、この機関銃トークは違った意見をほとんど聞かない。というか、自分の意見でいかにして相手を賛同させるかに徹しているから、相手がさじを投げているのか、賛同してうなづいているのか判別できない。ていうか、どちらでもいい、ただただ思いのたけを話したい、という雰囲気。

夕方、夏祭りにお招きいただき、参加。ビールを飲みながらお話の相手。ある方は、私を公明党のKさんと間違えて喋っていた。ずぅーっと聞き役で、最後にこういった。「公明党のKさんは、ほらっ、あそこにいらっしゃいますよ」と。

女性たちは普段から、やり過ごし方は慣れているから大丈夫。「あっ、もう時間だ」と切り上げる時間まで(秒)を読む。

私はわたしで、そういったところでためたストレスを、こうやって独りよがりのブログではらす。

現代においては、多様な意見、多様な行動で、自由にやっていける。溢れる情報を自分の好きな論調、風潮を選び取っていけば「自分流」が確立できる。聞く耳なんて持たなくとも心配ない。

だけど、それは我々庶民の日常においてだ。国のありようを決めていく国政で、聞く耳を持たなくなったなら、それは(ほほえましい)聞き流しなどで済ましてはいけない。と思う。


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