被災地の「議会だより」 [議会]

7月9日(木)

町村議会の研修

昨日は、「町村議会」広報の研修会が、「全国町村議員会館」と「全国町村会館」の2会場に分かれて行われました。2つの会場を使わなければ、地方から一つの議会4、5人という人数を収容できないからで、どちらも魅力的な講師を用意しています。

ところで、「町村議員会館」と「町村会館」紛らわしいと思いませんか。私、また間違えました。「あの辺、詳しいから大丈夫」なんて、自信満々だったのですが、また、ドジをやらかしました。

最初に行ったのが半蔵門の「町村議員会館」2F、「あっ、宮代さん、ここじゃないです」と受付が気の毒そうに言う。「あちゃー、隣りの駅?」「そうです。大丈夫です。急げば間にあいます」

こういう公共施設は駅の直近にあることが多い。すぐ半蔵門線にとって返し、隣りの永田町駅下車、「町村会館」ぎりぎりセーフ。

大熊町「ぎかい」がクリニック

職員の手が入ったり、印刷会社のスタッフが入ったりする市議会と違って町村議会は議員が編集に腕を振るうところが多い。この頃は、市議会の方でも触発されたのか、自分たちの手でグレードの高い議会報をつくろうと、県の研修会には市議会議員も参加してくるようになった。ですが、全国の研修だと、席に余裕がないことや、町村と根本的に区切りが違うのか、お見えにならない。

2会場で、全国から集まった町村議員は300人を超す。

その中で、合計で12町村議会くらいが、最新の議会報を持ち込み、講師のクリニックを受ける。宮代町は、過去に何回も積極的にアドバイスを受けてきた議会です。(今回は、なし) 

第2会場の講師はエディター・広報アナリストの芳村潔氏。この講師、すごくよかった。講師によっては、かなり独自の趣向を入れて採点するけど、それがない。地方議会の事情も知っている。

大熊町議会

 クリニックを受ける議会は参加者150人分ほどの「議会報」を持ち込まなければならない。会場に集まった人全員に、資料として行き渡らなければならないから。

手元のクリニック資料の中に、福島県大熊町の議会報がありました。「あれ、大熊って、東京電力福島発電所の直下の町だ」(今、人は住めるのだろうか。町の人はどこで暮らし、どこでこの「議会だより」を見るんだろうか。)第一、議会はどこで開催しているんだろう。

自治体がある以上、行政は予算を持ち、執行するわけだけど、・・あらためてバラバラに避難した人たちの生活を思った。

大熊町の「議会だより」に載った議員たちは、公民館にあるような長机にシンプルな椅子で写っていた。傍聴席も同じ椅子。議会のたびに議員たちは遠くから集まり、議会後も編集に汗を流しているんでしょう。

3月議会の予算審議がトップ記事。これはどこも同じです。

復興予算がすごい

大熊町は、今年の3月議会から議会中継が見られます。町で配布したタブレットや自分のパソコンで、全国どこからでも見られるのです。見損なった人でも後日動画サイトでみることができます。

大熊町のホームページから入って、≪生中継≫「録画中継」などのボタンを押すだけで画像が流れます。

過去最大の当初予算を可決…大熊町

大熊町の27年度当初予算は、過去最大の167億円! 3種類の交付金だけで99億円です。(ちなみに、宮代町の27年度一般会計の総予算は90億円ほどです)

主な交付金は中間貯蔵施設の「地権者への支援給付金」の65億8562万円、「植物工場建設費」の12億9438万円、「特定原子力施設地域振興支援金」として20億7000万円、などです。

で、支出の方で、この交付金は、総務費として計上され、59億円余りがとりあえず基金に積み立てられました。

これらの基金は、生活再建支援、復興拠点整備の2本柱からなる「第2次復興計画」に沿って執行される予定です。

たとえば、「植物工場」建設費20億円。おそらくまだまだ大熊町の田畑はあれているままでしょう。町はイノベーション・コースト構想の一環として屋内式の植物工場を建設するそうです。できた作物は、学校給食センターで活用、雇用も期待できるそうです。

予算審議でこんな質問もありました。Q「今年は国勢調査の年。どのように行うのか」A「基本は今住んでいる市町村で実施する.会津若松、いわき市の仮設住宅は町で実施する。」Q「植物工場は国・県のイノベーション・コースト構想の一環であるが、一般会計から8億6千万出している。全額補助ではないのか。」A「最終的には全額補助になる」

 Q「H27年度の「家屋損壊調査は期間困難区域を対象にしているが、地区と件数は。A「除染を計画している野上、下野上、熊地区940件、中間施設建設予定地区730件が対象。住宅に全壊で200万円、半壊で100万円の見舞金が交付される。

被災地ならではの予算審議の内容です。全国に散らばってしまった避難者一人当たり10万円も、打ち切られるという福島県の原発避難者。そのおひざ元の議会。議会のありようは、行政とともに、これからも重大な意味を持っている。被災地の模様は、27年度予算を報じた「議会だより」から垣間見える。

復興予算の使われ方は、まだまだこれからのようです。

さて、今日もこれから「議会だより」の編集で夕方まで議会室。


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