議会が実施する井戸端会議 [議会]

7月4日(土)

昭和町・ちいさくとも光るまちって、こういうとこだ

昨日、研修した山梨県・昭和町は、甲府市、南アルプス市、甲斐市といった都市型・大規模の自治体に囲まれた、本当に小さな(面積の)町でした。宮代町が約16㎢とかなり小さいと思っていたのですが、昭和町は9.08㎢と半分。

だけど、「小さくともきらりと光るまち」というのは、こういう街のことを言うんだろうと思いました。

財政は豊かです。ずーっと不交付団体です。「不交付団体」というのは、支出より収入の方が多い自治体。家計なら「それ、普通でしょ?」ということになりますが、自治体の多くはそうはいかない。

収入より支出(かかり)が多い自治体のほうがずっと多いのです。自治体の貧富の差がそのまま「まちの姿」になってしまうことの無いように、その自治体の足りない部分を、国は、国税を充てて補完するのです。これが「地方交付税」

宮代町は、予算規模90億円のところ、地方交付税を今年度予算では16億円ほど国から交付されて成り立つ。(人口33500人の宮代町で)

ところが、昭和町は、人口17000人と宮代町の半分で、年間予算規模は66億円ほど。この全部を国に頼らずに出せて、しかも残りがあるというのが、昭和町。財政力指数は実に、1.2から1.4。(宮代町は0.6くらい。1を超すと不交付団体となる)

小さな町で、財政さえ豊かなら、マンモスに膨れ上がった自治体よりはきめ細かい行政運営ができる(と考えることができる)。現に、2年前訪問した(長野県で一番小さい)小布施町もこだわりの凝縮した素晴らしいまちづくりをしていました。

昭和町にはたくさんの秀でた施策があります。実に、きめ細かく進められている行政。そのサイドに在って、昭和議会は、議会として自立、改革の道を推進中と、拝察しました。

議員報酬はほぼ同額

裕福なまちですが、議員報酬は、町議会の相場である月給20万円ほど(手取り18万円)。月給分は十分働いています、昭和町議員。決して「不交付団体」という裕福さに甘えていない。

市の場合は、規模によって報酬が決まりがちで、さいたま市の月給78万円+(月)政務活動費38万円というのは、まさに自治体規模に合わせた報酬額です。

井戸端会議

昭和町議会は、議会基本条例に沿って、住民との対話を大事にしています。まァ、どこの町でも3種の神器みたいに「議会基本条例」を作り、議会報告会みたいなものをやるようにはなりました。

しかし,昭和町は地域に出向き、各地域でみっちり懇談する。「井戸端会議」は、議会と町民との距離を近づけ、多様な意見を反映できる試みだった。

山梨県の地元新聞が伝える。「議員個人の報告会とは違い、出席議員らは議会全体を代表して、支援者でもない住民に向かい合う。自らの言葉で議会の決定などを説明せねばならず、議員にとっては試練の場だ。住民側も当初は道路の改修など個別の要望を寄せがちだ。それでも回を重ねるにつれ、財政の制約など自治体全体を考えた意見が出るようになるという。議員は『執行部は執行部の、議会は議会の責任を果たし、住民の声を町政に反映させたい」と強調した。」

昭和町は、視察研修の人たちが、全国からひっきりなしにやってくるという。実は一番多いのが議会報「ぎかいだより」の研修、次に議会改革。

確かに全国町村議会で、優秀賞などを取っている「議会だより」は、親しみやすい。機会があったら、もう一度、「議会だより」での研修をゆっくりしてみたい。

議会報=「議会だより」というのは、大きい市は議員がやらなくとも誰かがやってくれる。すべて自前で頑張る町村議会と違って、市議会のこだわりも薄いのでしょう。

ちなみに、本会議場の使用日数ですが、昭和町では年間9日間でした。つまり、議員のフィールドワークが圧倒的に多い。でも、立派な議場や議員控室は、もちろんあった。

宮代町の「議場はないんです」には、納得してもらえたに違いない。


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