「薬価」危機その2 [医療]

4月29日(金)

治療のやめ時!?

今日の産経新聞1面は「薬価」危機の3-迫られる選択  今日も購入して読んだ。   (どうやらこのシリーズは今日の3で終わりのようです)

「えてして一番いい薬を使おうというのが、今までの我々だった。しかし、どうあるべきかを考える時期に入った」日本医師会は、経済が右肩上がりでない時代の医療のありかたについてこう述べた。…で始まる今日の記事。

今回の問題提起は、「オプジーボ」という超高額薬品を事例として出した、びっくり仰天の問題提起でありました。

「オプジーボ」については、これまで医学雑誌や文芸誌(文芸春秋の3月号だったか…。でも、この時は3500万円じゃなく1500万円という額が記事の中にあった)で、少しだけ情報はありました。

が、今回の新聞記事は、医療というより費用に軸足を置いたことで、読者の注目を引き付けようとしたのでは、と思う。

言っておきますが、だから、私は異議がある、とか、同感する、といったものではありません。

さて、超高額な新薬が続々開発される、つまり「薬価」で日本は、へたすると破滅の道をたどると、警鐘を鳴らした3日間のシリーズは、どう結ぶのか。

これまでの医師会はベストの医療を選ぶべきと主張し、費用の問題に距離を置いてきたのだという。しかし、医師会も医療費のどこをどう節約するか、というところにはいっていくべきという。

今回の事例は「がん患者」をターゲットにしたが、がん医療費の25年度医療費に占める割合は13%。最も割合が大きいのは「循環器系疾患」で20%強なのだが、一般の人が抱くイメージは、少なく見積もる人で2,3割、多い人では7割が癌に使われているのではないかと答えるのだという。

こうしたイメージが先行してしまうのも怖い。医療費の考え方は様々だ。

やめ時の主導権

日本尊厳死協会副理事長の長尾医師は「高血圧、糖尿病、認知症、さまざまな薬にやめ時がある。今の医療は走るばかり」という。

長尾医師の出した事例は「大腸がんのステージ4の患者がいる。いろいろな抗がん剤をやったが、次第に効かなくなってきた。抗がん剤をやめる選択肢もあるよというと、その患者は、反対する息子たちを説得して抗がん剤治療をやめた。通院や副作用のストレスから解放されたこの男性は、花見や家族旅行を楽しんだ。」

何が言いたいかというと、尊厳死協会の医師は「やめ時」が語られないまま、医療費が右肩上がりを続けている。治療にも引き際があっていい。ということか・・・。

やめ時は哲学に近いが、その主導権は医者にあると、患者も医師も思い込んでいるが、「患者自身」の意志を大事に両者の対話の中で決めていくべきではないか、と。この点は同感する。

「生きたい!」と言っている患者をおろそかにしてどうする! 「もういい」と言っている患者の気持ちを無視してどうする!


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