高額薬で薬価危機!? [医療]

4月28日(木)

新聞一面特集「薬価」危機

昨日、今日とコンビニで「産経新聞」を購入。

実は、我が家に配達してもらっているのは「東京新聞」。だから東京新聞の論調がなじんでいる。

「産経」といったら、東京新聞の対極にある(どちらかというと)右寄りな新聞。あまり読む機会がなかった。ですが、昨日ある方の家に寄らせていただいたとき、目にした一面特集「薬価」危機なる記事が気になって、続けて明日・今日と購入。

記事の趣旨はこうだ。難病、不治といわれるものに、効果も高いが費用も高い薬が続々登場している。しかし、「薬価」制度を揺るがし、これが国の医療費を跳ね上げ、国家の財政危機を招いているという内容である。

国家の存亡

4月4日、霞が関財務省会議室で、財務制度等審議会メンバー50人が集まり、「国家の存亡」について熱弁をふるった、という。

取り上げられたのは「がん治療のコスト」。一例として挙げられた「この1剤が、国をほろぼしかねない」と危機感をあおっている、がん治療薬「オプジーボ」(一般名=ニボルマブ)。

手術も、放射線治療も、抗がん剤治療からも見放された(特殊な例を持ったがん患者も含めて)癌治療医薬として注目されている免疫剤だ。

小野薬品工業が,H26年ニ、メラノーマ(悪性黒色腫)の治療薬として製造販売の承認を取った。続いて昨年12月には、切除不能な非小細胞肺がんの進行・再発がんの治療にも追加承認された。メラノーマの患者数の時とは違い、対象となる非小細胞肺がん患者は2ケタも違うほど多い。

これまでの抗がん剤と大きく作用が異なる。患者自身の免疫に働きかけて癌をおさえ、効果持続期間が長い。(完治という意味ではない)。画期医的な免疫療法役として他のがんへの適応拡大も期待されている。もちろん、効果が飛躍的に表れる人と効かない人もある。

価格が国を滅ぼす

問題は価格だという。体重60㎏の患者が1年間オプジーボを使うと、年3500万円かかるのだという。患者の自己負担は「高額療養費制度」があるので、月8~9万円で済むが、残る金額は患者が加入する医療保険や国、自治体などの公費で賄われる。これが「国を滅ぼす」というゆえんだ。

対象となる癌へつかわれると薬代だけで年1兆7500億円。年10兆円とされる国の薬剤費を2割近く跳ね上げる。極論を言う人は「単なる延命に、金を使うな」と手厳しい。

破滅回避に処方箋は「総量規制」

下手すると<国民会制度>を破滅させかねない。高額ながん治療薬「オプジーボ」をめぐり、日本赤十字社医療センターの国頭氏は「財政破壊、皆保険制度破壊回避への処方箋」を示す。

まず、薬剤の効果に照らして薬の価格を下げる(価格は国が決める)。薬が効いていない患者の治療を早期に打ち切り、効果がある人への投与も必要最小限度にとどめる。総量規制だ。

しかし、それだけではなく「高額医療費制度」を見直し、アメリカのように患者に自己負担を強いて、金がなければ高い薬を買えないようにする。あるいは75歳以上はオプジーボを使えないようにするという、年齢制限の案も出た。これには「後期高齢者といわれる75歳以上でも、寝たきりの人、働いている人と個人差がある。しかし、社会的条件でわけるのは人間の選別につながる」という意見もある。

「平等な方法は一律に年齢で切ることだ。そうでないなら、次代にツケを回し、破滅を待つだけだ」 これに対して政治家などは「年齢制限などしようものなら政権が持たない」

薬の価格は下げられるか

製薬会社など企業の立場もある.H28年度予算編成時に、処方薬や治療の価格を決める国の会議(中央社会保険医療協議会・薬価専門部会)で、売れすぎた薬の価格を引き下げるルールが決められた。

膨大な開発コストを回収するためには価格の超高額化はしかたない。しかし、このままでは、国民に安い費用で医療を提供する<国民皆保険制度>は立ち行かなくなる。

薬価をめぐる国と製薬会社の攻防が激しさを増している。開発費を確保してこそ、次の技術革新につながるという企業側の倫理もわかる。

国策で外国から輸入している治療薬も論議される。慢性C型肝炎の知慮訳「ソバルディ」「ハーボニー」なども含まれ、アメリカの業界も激しく抵抗する。

患者側を切り捨てないで

患者も苦しむ。治療法のない疾病では、特に新薬の登場だけが頼みの綱。(わらにもすがりたい)(生きたい)。

人により効果があり、副作用も飛躍的に減少する「夢の薬」は、財政、皆保険制度を破壊するという<副作用>を伴い、総量規制、年齢により使用を制限という<処方箋>まで示す有識者もいる。

が、もしかしたら助かる薬が「ある」のに手が出ない患者に、どう寄り添うか、、。((もう、じゅうぶんやった)患者と(何もしないで、検査だけ。放置されているのと同じだ)という患者でも、「生」への執着は違うはずだ。


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