H28年度予算に反対討論 [議会]

3月30日(水)

議会最終日、28年度予算案には、反対しました。反対4、賛成9で可決しました。

少し、長くなりますが、いかにご紹介します。ながすぎるので、飽きた時点でやめていただいていいです[わーい(嬉しい顔)]



平成28年度・宮代町一般会計予算に反対の討論



9番、加納です。議案第42号 平成28年度宮代町一般会計予算に反対の討論をします。



反対理由の大きな点は、お示ししていただいた事業、予算のかけ方が、明白に住民に訴えるメリハリに欠けており、住民をして、「これならわかる」「これなら計画の進行に合わせた我慢もできる」といった喚起を促せるものになってなかった点にあります。



宮代町は、第4次宮代町総合計画の前期実行計画が終了し、後期実行計画において、いよいよ住民に、好転していく宮代町の姿を実感できるすぐれた政策、住民をして誰でもイメージできる近未来の姿を示さなければならないターニングポイントの年度でありました。そこに不満がありました。



また、委員会では、町長給与の事実上の値上げ予算、条例案も含まれた点を考えると、どうしても賛成を表明する起立ができませんでした。



町長は施政方針に「成長する宮代町」を掲げ、住民に多少のがまんを強いながらのまちづくりをあげています。なのに、地方が地方の才覚の中で生き残りを図っていく時代の、このタイミングで、自己の報酬を上げるという発想は、おそらく多くの町民の理解を得ることはないでしょう。



以下、歳入、歳出で見ていきます。



まず、国における「地方財政計画」について申し上げます。国は、昨年度「臨時財政対策債」をはっきり赤字対策債と表現し、抑制方向を打ち出しましたが、これは28年度も変わらず、「統計的要素」と「国の政策」が一体となり、地方政策を誘導しています。



平成28年度は消費税を含む税収の増に対して「地方交付税交付金微減」と「臨時財政対策費減」を抑制、先駆的試みができた自治体に対する交付金を増やすという傾向で、総枠を昨年並みにしました。



いまや、自治体にとって、地方創生の進化のための新型交付金の研究は不可欠になりました。また、地方創生加速化交付金のように、27年度の終わりぎりぎりでの申請をせまり、28年度予算審議中あるいは終了した自治体に合否の決定を知らせました。1000億円のうち906億円は採択され、残り94億円に追加募集をかけています。十分な審議を議会にさせず、短期間で決めさせ、執行は次年度に繰り越すというやり方を、今回も地方に迫りました。



宮代町では、担当課における研究、対応がうまく行き、県内町レベルでは越生町に次ぐ高額の加速化交付金を得ることができたこと、職員の努力に敬意を表すものであります。



ですが、十分な審議をさせない緊急の補正予算枠でばらまくというやり方は、やはり間違っていると言わざるを得ません。



一方で、国は、選挙対策、票集めの魂胆が透けて見える年金生活者への3万円給付というバラマキをし、4000億円強の財そうとしています。



さらに、国は「平成28年度地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等」の中でも触れているように、トップランナー方式という言葉を連発しています。



単位費用に計上される23事業について、トップランナー方式(すなわち、歳出の効率化に向けた業務改革で、他団体のモデルとなるようなもの)を地方交付税の基準財政需要額に反映する取り組みを検討させ、また、基準財政収入額の算定に用いる徴収率の見直しについては、平成28年度より、上位3分の1の地方公共団体が達している徴収率を標準的な徴収率として算定するという、つまり、地方の金の「出」と「入り」を国が査定使用をする動きを強めようとしています。



これまで徴収率においても、歳出削減においても、きめ細かい対策を執行してきた宮代町です。他自治体の上位3分の1レベルの努力してきた宮代町にとって、さらに努力せと、いうことでしょうか。



地方交付税は、全体に圧縮傾向の中、宮代町は増収を見越しました。が、相変わらず、臨時財政対策債という、国による赤字対策債に頼りすぎるのは避けるべきです。



いずれにしても、地方創生に名を借りた、国の地方の研究を促す交付措置は、今後においても続くだろうと見ました。



では、宮代町の予算編成を見てみましょう。



そのような中、宮代町一般会計の、歳入では、町税の微増から、町全体でわずかながら増収を見込みました。



町税は個人町民税、固定資産税、それに伴う都市計画税が微増となっています。これは道仏区画整理事業地内をはじめとする、民間建設事業者などの手がけるミニ開発地に順調に人口が流入してきた結果であります。



これらの事業は、計画から20年という歳月、50億円以上の公金の投入といった長いサイクルの中からやっと投資効果が出てきた事業。決して人口増加も、税収微増も、現町長の実績に入れこむような事業ではありません。その意味で、表現にやや間違いがあります。



歳出については、成長戦略に当たる「攻め」の政策に先行投資して、のちにやってくれであろう課題に対応できているかを判断しました。



すなわち、5年後、10年後に、宮代町の良好な納税状況、消費者状況を作り出す、新たな流入世代に手当てをしていく意義です。



これら、次のまちづくりの担い手をしっかり育てていく政策と表裏一体で進めていく政策が「守り」に当たる政策で、心豊かな高齢化社会へ限られた財源、場所、使える機能をどうあてていくかの工夫が、さらに求められています。



特になくなっていくものに対する喪失感「ないものねだり」を、マネジメントすることで補完する仕組みを、もっとわかりやすく住民に示す必要です。くりかえしの説明、PR能力、口利き能力こそ職員が、汗をかかなくてはならない事柄です。



後期実行計画には、それが欠けており、これまでの伝え方と変わりなく、センスや、人をして動かす、思い切った発想がありませんでした。



住民が使える、居場所として、公共施設や公共の地面は、国においても、都道府県の施設においても、どんどん少なくなっています。財源豊かな高度成長時代、バブルの時代に作った施設群が更新時期を迎え、あるものは取り壊し、あるものは全面補修に入るといった時期は、圧倒的な量の、活動場所を住民から取り上げています。



これは、宮代町でも、同じ状況です。しかし、まったく新たな時代に入るための情報が伝わっていないのですから、不満や要望が出るのは当たり前です。



後期行動計画では、新たな構想、発想の転換の中で、解決できるあらゆる問題、課題があるんだということを徹底的に、ていねいに伝えていくべきです。行政が耳触りのいい表現で説得していく方法でなく、住民をして、時代が転換していく時の立会人に、自らがなっていただく必要を強く感じました。



行政は、往々にして、縦割りの担当主義で、事を運ぼうとします。これが住民に町のやろうとしていることをわかりにくくさせ、不満や「ないものねだり」といった、ある意味必然的な感情を起こさせるのではないでしょうか。



例えば、ふれあいセンターの閉鎖から、確実に高齢者や学童期の子どもの居場所、活動場所を奪ったのは確かです。



これを解決するためには、小中学校の適正配置、集会所の拡張など、「課」という分野を超えた構想を入れこまなければなりません。具体的な例を申し上げます。



小中学校適正配置検討の中で、中学校1校構想を早い段階に位置付けました。これは分野を超えたあらゆる課題の解決につながると期待しています。



中学校1校構想が実現すると、2つの中学校が空きます。こういった場所に、公共の機能を集約させることで獲得できる居場所、高齢者の元気対策、あらたなコミュニティーの醸成のイメージができます。



また、単年度収支という弱点を持つ行政事業において、地面の確保もできないまま、公共施設の多くを借地の上に建設した、個々の目的ごとに、補助金を頼りに無用なものを作ってきた(あえて言わせていただく)過去の失政の清算です。



30年の懸案であった、77000㎡といった公共施設の地面、借地問題の解消への道も、見えてくるのではありませんか。要は、いかに住民を当事者として巻き込み、時代の変わり目に立ち会わせるか、これこそ28年度の最大の事業だったのではないかと思います。



大胆な発想の転換により、これまでの課題が解決できるグランドデザインが後期実行計画スタート年度において示せない、これが28年度予算、施政方針の夢の無さ、成長戦略度の低さであり、住民にとっての最大の不幸です。



さて、各事業別に、細かく申し上げましょう。



2款、総務費の中から、職員の健康管理事業について申し上げます。昨年12月から職員へのヘルスセルフチェックが義務化され28年度から実施されます。



200人いる職員の中で休職している職員が一人といいますが、数的に他自治体と比べてどうと単純に比べられるものではないと思います。



今、現実問題としてあげたいのは、正規職員の仕事を補佐、補完する意味でなくてはならない臨時職員、非正規職員、オフィスサポーターには、まったくメンタルヘルスにかかる配慮がないということです。



今後ますます非正規に頼る率が上がってくるであろう役所の業務、ストレスは同じ、いや、ある意味では半年で契約を更新せざるを得ない不安定な立場である非正規職員の中で感じる、差別などの吸い上げの装置がないではありませんか。非正規労働者への健康管理、役所から取り組みを始めるべきだと思います。この予算は増やすべきです。



次に、職員研修について。28年度女性職員のキャリアアップを後押しする取り組み、第1回講座には53名参加したというのは、ひとまずの前進だと思います。ですが、やらされ感の中では女性の特性は発揮できません。何か大きな目標を任せられるといった道具(ツールというか事業)が必要。女性だけのプロジェクトをまるまる任せるなどの中からやりたいこと、やれることを自ら発見できるのだと思います。自分しかできないことがなければ、職場のやわらぎ、いやしの役割以上の立場を求めなくなります。



これに関係ありますが、男女共同参画について申し上げます。



宮代町が策定した、H21年作成の男女共同参画プランを昨年見直ししました。計画があり条例があり拠点もあって、宮代町の男女共同が、いかに<一応やってます>式だったか,これまで再三申し上げてきました。



拠点がないということは、ジェンダーや世界的なマイノリティーの人たち、差別の問題などを、たくさんの人が共通認識を持てない、情報を共有できないというということです。



DV、デートDV問題が、民生委員会女子部に任されたり、問題が矮小化、分散化していた時代より前向きにとらえられていけそうな期待が持てました。しかし、講演をやったから、何回会合を開いたからいいというのでは、何にも踏み込めないということをご承知おきください。



同じ男女共同参画のなかや、人権問題の中で考えていただきたい問題に、性的マイノリティーの人たちのことがあります。昨年、GID特例法に関して質問したとき、宮代町では、印鑑証明など公文書申請手続きに、配慮すべき男女別欄が多く残っていました。男女別欄がある公文書は195件あるそうですが、宮代町は、10年遅れましたが、積極的に改善に取り組み出したことを評価します。4月1日からまず50件の公文書から男女別欄を外す予定とのこと、法令上不可能なものもありましょうが、順次お願いします。性的マイノリティへの配慮を含む、無用な男女別記載を廃止するのは世界的な潮流であります。



臨時職員などの賃金について申し上げます。



オフィスサポーターの予算は、前年比771万8千円と大幅な増になりました。子育て指導員の報酬、保育士をはじめとした賃金アップは、これまでもうし上げてきた人材の確保、有資格者の活用に向けたはじめの一歩だと思います。



宮代町版・地方創生は、まさに人材インフラの構築、活用により切り開くものだと思います。



地産地消食堂開店支援事業の廃止、評価しました。



こういった内容がかぶっていたり、耳触りだけいい事業はほかにもありました。



はじめに「なりもの入り事業有り」ではなかったか、リーデイング事業に位置付けられると、止めるの止められないという事情はなかったか、予算ゼロにホッとしました。



町内の飲食店を研究してみてください。「やれるだけやっていければいいんだ」という店と、「やりたいことをやるために最大限の努力をしている」店では、雰囲気からして違います。値段の研究、メニューの研究、応対の研究、着ている白衣の清潔さまで違っているのですよ。



学童保育需要の増加に、素早く手を打っていただいたことは評価します。新たな住宅地に、5年後、10年後に当然起こってくるであろう課題に手を打っておくことこそ、何より行政に求められていることです。



しかし、保育、学童保育ともに、対処療法です。宮代町が標榜する、良質な教育、さらにはもっと前から取り組む、良質な保育、良質な幼児教育の仕組みを整える元年として、あらゆる研究をしてください。



子どもたちは、すべて公平で、心豊かな教育を受ける権利を有しています。貧困問題にあるように、社会からの孤立、情報からの孤立が生む貧困の連鎖を生まないよう、きめ細かい支援をお願いします。



就学支援などの資料から読み取れるのは、就学支援率、ひいては貧困の地域的特徴です。誰もがま学ぶ喜びを感じ、つまづいたところまで戻っていつでもやり直しができる、宮代教育のいいところをのばしていただきたいと思います。学習支援・無料塾の回数をもっと増やしていただきたいと思います。



このきめ細かい対応こそ、結果的に良質で、レベルの高い宮代教育の実現につながると思います。


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